お身体の巡りを整え、
化学物質過敏症の負担を和らげる土台づくり
周囲の刺激に対し、お身体が過敏に反応してしまう背景には、蓄積された疲れや巡りの滞りが関わっている場合があります。
東洋医学では、巡りを促し、お身体が本来持っている「内側を守る働き」を穏やかに補うことで、刺激に対する反応が和らぐ道筋を探っていきます。
例えるなら「薄くなった膜を丁寧に重ね直す」ように、少しずつ、周囲と調和できるお身体を目指してお手伝いをさせていただきます。

お伝えしたいことの構成
周囲の刺激に対し、お身体が過剰に反応してしまう状態を東洋医学の視点で紐解きます。全身のバランスを整え、刺激に対する過敏さが和らぐ道筋についてまとめています。

環境の変化に敏感なお身体の状態について
私たちの身の回りにはさまざまな物質が存在していますが、それらに対してお身体が非常に細やかに反応し、全身にわたって不調が現れることがあります。
例えるなら、お身体を守るための見守り役が非常に敏感になり、通常では気にならないような僅かな変化に対しても、休むことなく警戒し続けている状態と言えるかもしれません。
お身体に現れやすい変化
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環境の影響を受けやすい:
日常のなかにある僅かな香りや空気の変化がきっかけとなり、お身体のバランスが揺らぎやすくなることがあります。 -
不調の現れ方はさまざま:
「なんとなく元気が戻らない」「頭の重さが続く」といった段階から、特定の場所へ行くことが難しくなるなど、生活の範囲が限られてしまう場合もあります。 -
お身体の声を聴く難しさ:
一般的な検査では明らかな数字として現れにくいため、周囲に状況を理解してもらうことが難しく、一人で不安を抱えてしまうことも少なくありません。
全身に及ぶ多彩な不調
お身体の一部分だけでなく、さまざまな場所が連携するように不調をきたすのがこの状態の特徴です。
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頭部や心のゆらぎ:
重い感覚、ふらつき、眠りの質の変化、考えがまとまりにくい、といった感覚。 -
呼吸やのどの違和感:
呼吸のしにくさ、のどに何かが詰まっているような感覚、断続的な咳など。 -
皮膚や感覚の敏感さ:
目の疲れや痛み、鼻の不快感、肌のヒリつきや赤みが出やすい状態。 -
お腹や巡りの不調:
お腹の動きの変化、動悸、手足の冷えなどが重なることもあります。
このような状態が続くと、お身体は常に緊張を強いられ、余力が削られていくことがあります。
「以前と比べて無理が利かなくなった」と感じ始めたら、早い段階でお身体の土台を整え、巡りを調えることが大切です。刺激を避けることと並行して、内側の力を補うことで、日々の負担が和らぐ道筋を探っていきましょう。

現代的なアプローチと、お身体に生じている課題
周囲の環境に対してお身体が敏感に反応する状態については、現代の医療においてもさまざまな視点から対応が試みられています。
主に環境の調整や、現れている個々の不調を和らげる取り組みが中心となっています。
現状の関わり方と特徴
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お身体の状態を定義する難しさ:
現れる不調が多岐にわたり、一般的な検査の数値には現れにくい性質があるため、お身体の状況を客観的に捉えることが難しいとされる側面があります。 -
きっかけの特定と背景:
何が不調の引き金(誘因)になっているかは見つけやすいものの、なぜお身体がそれほどまでに敏感に反応するようになったのかという背景については、まだ明らかになっていない部分も多いです。 -
相談先の選択:
環境の要因や体質的な要素が重なり合っているため、一つの窓口で全体を把握することが難しく、専門的な知識を持つ方への相談が大切になります。
お身体に向き合う上での課題
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個別の不調への対応:
現在は、現れている不快な感覚をその都度和らげていく方法が中心です。これは、「揺れている船の揺れを抑えるために、その場その場でバランスをとり直す」ような試みと言えるかもしれません。 -
全身をひとつとして捉える難しさ:
症状が出る場所(鼻、肌、頭、お腹など)によって相談先が分かれやすく、お身体全体の巡りや、心身がつながり合っている様子を包括的に見守ることが難しい傾向にあります。 -
環境を整えることの限界:
刺激となるものを避ける(環境整備)ことはとても重要ですが、社会生活を送るなかで完全に遠ざけることは容易ではなく、避けることだけでは生活に制約が生じやすいのも現状です。

東洋医学の捉え方:
巡りを調え、お身体の「土台」を補う
東洋医学では、お身体が過敏に反応している状態を、単なる一時的な不調ではなく、内側のバランスや防衛機能のゆらぎとして捉えます。
外からの刺激を避けることも大切ですが、それと並行して、刺激を受け止める「内側の土壌(体質)」を見つめ直していくことに重点を置きます。
お身体のタイプに合わせ、内側から補う
人によって、巡りが滞りやすい場所や疲れが出やすい場所は異なります。例えるなら、お身体の中に溜まった余分なものを外へ逃がす道が細くなり、巡りが円滑にいかなくなっている状態と言えるかもしれません。
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お身体の質を整える:
単に刺激を遠ざけるだけでなく、反応が起きにくい穏やかなお身体へと導くことを目指します。お身体の巡りや蓄えを司る「内臓の働き」を整えることがその第一歩となります。 -
受け止める力の蓄え:
お身体が本来持っている、不要なものを処理する力や、環境の変化に適応する力を補うことで、僅かな刺激に対しても余裕を持って過ごせるようにお手伝いをします。
バラバラに見える不調を「ひとつつながり」でみる
東洋医学では、お身体の各器官は互いに影響し合っていると考え、全身をひとつのまとまりとして評価します。
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つながりの中での評価:
頭部の重さ、お腹の不調、眠りの質の変化など、一見関わりのないように見える不調も、実はお身体の根底にある巡りの偏りから生じている場合が多いと考えます。 -
巡りの調整:
特定の場所だけを処置するのではなく、お身体全体を巡るエネルギーや栄養のバランスを整えることで、結果として各所の不快な感覚が和らぐ道筋を探ります。 -
落ち着きを取り戻すプロセス:
内側の土台が安定してくることで、過剰に働いていたセンサーが少しずつ穏やかになり、お身体全体が落ち着きを取り戻していくような変化が期待できる場合があります。
お身体の土壌をゆっくりと耕し、巡りを調えることで、日々の生活の中での「負担」が少しずつ軽くなっていく。そのような変化を、焦らず一緒に見守っていきましょう。

鍼灸施術によるお身体の調整方法と変化の現れ方
鍼灸の目的は、外からの刺激に対して敏感になりすぎているお身体を、穏やかな状態へと導くことにあります。
お身体の内側を巡る流れを整えることで、過剰な緊張を解き、日々の負担が和らぐきっかけを作ります。
お身体の土台を整える調整
全身を巡る流れを調整することで、偏りのある状態を整えていきます。
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全身のバランスを調える:
お身体をひとつのつながりとして捉え、内臓の働きや巡りの滞りを丁寧に紐解いていきます。これにより、刺激に対するお身体の余力が少しずつ補われる場合があります。 -
根元のゆらぎを見守る:
お身体という植物の「根」に水を届けるように、不調の根底にある蓄えや巡りを整えます。目に見える変化だけでなく、内側からの安定を大切にします。 -
安らぎの感覚を養う:
過剰に高まっているお身体の防衛反応を落ち着かせ、センサーの感度が本来の緩やかさを取り戻していけるよう、静かに働きかけます。
お身体に負担の少ない施術
敏感な時期のお身体は、強い刺激を不快に感じることがあります。そのため、刺激の質には細心の注意を払っています。
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穏やかな刺激の選択:
使用する鍼は非常に細いものを用い、お灸も温かさを感じる程度の優しいものを選びます。お身体が「安心」と感じられる程度の、控えめな刺激を心がけています。 -
お一人おひとりの状態に合わせて:
その日の体調や、お身体が受け入れられる刺激の量は刻々と変化します。対話を大切にしながら、その時々のお身体に最も適した調整を行っていきます。 -
日々の過ごし方の提案:
施術の時間だけでなく、ご自宅での食事の工夫や、お身体を休めるための習慣についても、無理のない範囲で一緒に考えていきます。

施術費用と、お身体の変化に合わせた通院の目安
当院では、周囲の刺激に対して敏感になっているお身体の巡りを調え、土台を補うための施術を行っています。
お一人おひとりの反応の現れ方に合わせた丁寧な調整を心がけております。
初回は、現在のお困りごとや生活環境について詳しくお話を伺います。お身体の巡りや蓄えの状態を拝見し、今後の見通しや日々の過ごし方についてお伝えします。
お身体の反応を見極めながら、巡りを調えるための継続的な調整を行います。敏感になっているセンサーが穏やかさを取り戻していけるよう、静かに働きかけます。
通院頻度の目安について
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お身体が揺れやすい時期:
刺激に対して過敏な反応が強く出ている間は、週に1~2回程度の頻度で巡りを調えることで、お身体が落ち着きを取り戻す助けとなる場合があります。 -
落ち着きが見え始めた時期:
不快な感覚が和らぎ始めたら、週に1回程度のペースで内側の土台を補い、お身体の余力を蓄えていく段階に入ります。 -
安定を維持する時期:
日常生活での負担が軽くなってきたら、2〜4週間に1回程度、お身体の定期的な点検としてご利用いただくことで、健やかな状態を保つ支えとなります。
お身体の土台を整える過程は、荒れた土地にゆっくりと時間をかけて柔らかな土を戻していく作業に似ているかもしれません。
はじめは丁寧にお手入れを重ねることで、少しずつお身体が本来の強さを取り戻し、僅かな変化にも動じにくい状態へと近づいていくことが期待できます。

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院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、病院で原因不明・治療法がない慢性疾患を中心に経絡治療を行っています。
