足底筋膜炎の鋭い痛みを
「深部血流」で解きほぐす
足の裏は、心臓から最も遠く、冷えと「瘀血(古い血)」が溜まりやすい場所です。
湿布やインソールだけでは届かない、硬くこわばった筋膜の深層へ。
温かい血液で潤し柔軟性を取り戻す、内側からのアプローチで歩ける喜びを。

目次
朝の一歩の激痛を特徴とする足底筋膜炎に対し、不通即痛の原理を解消し、全身の回復力を底上げする当院の経絡治療の道筋を解説します。

足底筋膜炎の概要と症状:
足の「クッション材」の炎症と朝の痛み
足底筋膜炎(そくていきんまくえん)は、足の裏にある足底筋膜(土踏まずを支える腱組織)に微細な断裂や炎症が起こり、痛みが生じる状態です。
歩行時や体重をかけた際の足裏、かかと、土踏まずの痛みが中心です。進行すると歩きづらさが強まり、日常動作に大きな支障が出ます。
例えるなら、足裏の「ゴムバンド(足底筋膜)」が、長年の負荷で限界を迎え、炎症を起こしている状態です。
特徴的な症状
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朝の痛み(始動時痛):
朝の起床時の一歩目や、長時間座った後の歩き始めに最も強く痛みますが、しばらく(数分〜数十分)歩くと血流が回復し、痛みが和らぐことが多いです。 -
痛点の例:
痛みが現れやすいのは、足底筋膜が骨に付着するかかとの付け根、または土踏まず、母趾の付け根の裏側など、限局した部位です。 -
日常への影響:
歩行困難、階段の上り下り、長時間の立ち仕事や運動への影響が顕著です。

西洋医学の原因と対処:
炎症抑制と対症療法の限界
足底筋膜炎の発生メカニズム
(西洋医学的な見解)
原因:
足底腱膜(踵骨から前足部へ伸びる厚い靭帯組織)に、体重による牽引力や衝撃が繰り返し加わることで、微細な損傷や炎症が生じることです。
炎症を誘発する要因
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オーバーユース:
ランニング、バレエ、ジャンプ競技などの過度な運動負荷(特に練習量増加時)。 -
構造的要因:
扁平足(土踏まずが潰れる)、ハイアーチ(土踏まずが高すぎる)、外反母趾など、足の構造的なバランスの乱れ。 -
環境・習慣的要因:
長時間立位での作業、硬い床での仕事、不適切な靴(クッション性の低い靴、ハイヒール)、加齢による組織の弾力性低下、肥満。
西洋医学の主な対処法と限界
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対処法:
画像評価(レントゲン等)による診断後、湿布、内服薬(非ステロイド性抗炎症薬)、インソール(足底板)、ストレッチ指導、重症例ではステロイド注射などで炎症と痛みを抑える対症療法が中心となります。 -
限界:
炎症を抑えても、根本的な血行不良や体質の回復力不足が残ると、再発したり、痛みの部位が移動したりするケースが多く見られます。

東洋医学の原因と対処:
痛みの本質「不通即痛」と
全身の巡りの関与
原因:不通即痛(巡りの滞り)のメカニズム
東洋医学では、足底筋膜炎の痛みは足裏の巡り(気・血)の滞りによって生じると考えます。
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朝の痛みの正体:
安静時は全身の巡りが鈍るため、足裏の滞りが顕著になり、朝の一歩や座位後の立ち上がりで激しい痛みが出ます。 -
動くと和らぐ理由:
少し動くことで全身の循環が上がり、滞りが一時的に流れるため、痛みが和らぐという現象(始動時痛)が起こりやすいです。 -
治療の視点:
不通即痛が主体なら、単純な「冷やす」「鎮痛」だけでは巡りが落ちて逆効果になる場合も。温めと巡りの回復が鍵となります。
体質傾向と治療の要点
(併発しやすい不調)
足底筋膜炎は、東洋医学でいう「腎(骨・回復力)」や「肺(呼吸器・皮膚)」の弱さと深く関わります。
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呼吸器・皮膚の弱さ:
咳が長引く、鼻炎・副鼻腔炎、扁桃炎、皮膚トラブル(乾燥肌、湿疹)。これらは肺の弱さ(粘膜バリアの低下)を示します。 -
全身の消耗と冷え:
末端冷え、生理不順、浅い睡眠など。腎の疲弊による全身の機能低下と血の不足が、筋膜の回復を遅らせます。

どちらを選ぶ?症状からの選択基準
(急性炎症 vs. 慢性的な滞り)
膝の痛みが急性期の強い炎症によるものか、慢性的な血流・代謝の滞り(東洋医学の「不通則痛」)によるものかによって、優先すべき対処法が変わります。
西洋医学(病院)を優先すべきサイン
以下の症状は、関節の構造的な損傷や重篤な炎症・感染の可能性が高く、速やかな医科受診と専門的な管理が必要です。
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発症の状況:
外傷(転倒・事故など)後の痛みが続く。 -
炎症の強さ:
急激な腫れ・発赤・強い熱感が強い。 -
痛みの質:
歩くほど痛みが増す、あるいは安静時や夜間も強く痛む(夜間痛)。
関節の「緊急事態」であり、鎮痛・冷却・固定を優先します。
東洋医学(鍼灸)が合いやすいサイン
以下の症状は、血流不足や体質的な冷え・水分の滞りが主原因である可能性が高く、鍼灸による根本改善が有効です。
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痛みの質:
動き始めは痛むが、歩くうちに痛みが和らぐ(始動時痛)傾向がある。 -
体質の連動:
冷えや天候(低気圧)で変動しやすい。むくみ、だるさなど体質的な不調も併発している。 -
温めによる変化:
入浴後に軽くなる、温めると楽になるといった特徴がある。
体質の「慢性的な不具合」であり、血流の改善と体質の底上げを優先します。

当院の四診と経絡治療:
足底の痛みの根本原因を全身から特定
足底筋膜炎の治療では、痛み止めではなく、東洋医学独自の診断法(四診法)で体質の偏りを正確に見極め、痛みが生じないための体質改善を行います。
四診(ししん)で
体の「根っこ」を把握
足の痛みが「腎(回復力)の弱り」や「冷え・水滞(脾の弱り)」のどちらから来ているかを特定します。
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望診:
舌の状態や姿勢(荷重)から、血の不足や水分の停滞を観察。 -
聞診:
声や息、呼吸器症状(咳など)の手がかりを把握。 -
問診:
睡眠、冷えの程度、呼吸器症状(咳や鼻炎)など、体質のヒントを詳細に整理。 -
切診:
脈、腹の反応から、肝・脾・腎のどの機能が乱れているか、全身の滞りを決定。
痛み(木)だけでなく、体質(森)まで読み解くことで、再発を防ぐ治療へと繋がります。
施術(経絡治療)の具体的ねらい
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不通即痛の原理で滞りを解消:
気・血・水の滞りを解消することで、足底筋膜や周辺組織の血流を改善し、痛みを鎮めます。 -
全身の機能底上げ:
足底だけでなく、呼吸器(肺)・消化器(脾)・生命力(腎)を含めた全身の体質改善を同時に行い、筋膜の回復力と水分代謝を底上げします。 -
安心設計:
細い鍼とやさしい灸で、痛み・熱さを最小限に抑えます。小児〜高齢まで対応可能です。

生活・セルフケア:
足の負荷を管理し、
始動時痛を軽減する工夫
足底筋膜炎の朝の強い痛み(始動時痛)と再発を防ぐには、冷えと過度な牽引負荷を避ける日々のセルフケアが不可欠です。
足底筋膜への負担を軽減する5つの習慣
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朝の一歩対策(始動時痛の緩和):
起床前や立ち上がり前に、足首をゆっくり回す、足指をグーパーするなど、足裏の筋膜を優しく予熱するストレッチを行います。
冷えて固まった筋膜を、急激に伸ばすのを防ぎます。 -
履物と中敷きの活用:
クッション性のある靴や中敷きを選び、足底筋膜への衝撃を減らしましょう。すり減った靴底は足のバランスを崩すため、早めに交換します。 -
負荷管理と休息:
長時間立位や硬い床での作業はこまめに休憩を。ランニングなどの運動は走る量を段階的に調整し、オーバーユースを避けます。 -
体重・冷え対策(巡りの改善):
無理のない体重管理は足底への荷重を減らします。また、足首〜足裏を冷やさないよう温活を徹底し、血の巡り(不通則痛の解消)を助けます。 -
入浴・呼吸(全身の調律):
ぬるめの湯(40℃前後)で半身浴し、長めの呼気で副交感神経を優位にします。これにより筋の緊張を緩め、巡りを補助します。

足底筋膜炎専門施術の料金と
筋膜の回復を促す通院ペース
当院の足底筋膜炎に対する経絡治療は、痛みの本質である「不通即痛」を解消し、筋膜の回復と全身の疲労(腎虚)を根本から底上げすることに焦点を当てています。
自由診療(保険外)となりますが、朝の痛みの軽減と再発予防という長期的な視点での費用対効果を重視しています。
詳細な問診と四診法に基づき、痛みの根本原因(冷え、血の滞り、腎虚など)を特定し、治療計画を立案します。
足底の血流と柔軟性を改善し、肺・腎を中心に全身の回復力を底上げすることで、痛みの悪循環を断ち切ります。
効果を最大化する通院ペースの目安
(筋膜回復の戦略)
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導入期(朝の痛みが強い時期):
週に1~2回の集中治療が必要です。不通即痛を早期に解消し、炎症の鎮静に焦点を当てます。 -
安定化期(痛みが減り、動けるようになってきた時期):
週に1回のペースで、筋膜の回復力と全身の疲労を根本から立て直し、ぶり返しにくい体質を構築します。 -
維持期(安定した状態が続く時期):
症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と全身の体力維持を目的としたメンテナンスを行います。
足底筋膜の治療はゴムバンドの修理に似ています。初期に集中して損傷を修復し、その後はゴムの劣化(疲労・冷え)を防ぐ体質を維持することが、根本解決につながります。
まずは集中的に通院し、早期の痛みからの解放を目指しましょう。

ご予約・ご相談
院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因不明・治療法が限られる慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
