機能性ディスペプシアでお悩みの方へ|札幌で東洋医学専門の鍼灸院をお探しなら東洋中村はり灸院

機能性ディスペプシア(FD)の概要と症状:「機能の乱れ」という苦痛

機能性ディスペプシア(FD)は、内視鏡検査や血液検査では胃の粘膜などに「器質的な異常」が見つからないにも関わらず、みぞおちの痛みや灼熱感、食後のもたれ、少量で満腹になるなどの胃の不快な症状が慢性的に続く状態を指します。 胃というポンプが、自律神経の乱れによって、正常な動きをできなくなっている状態です。

代表的な症状:気が滞り、消化ができない

  • 食後の胃もたれが続く:食べ物を胃から小腸へスムーズに送り出す「胃の動き(蠕動運動)」が低下している状態です。東洋医学でいう「脾胃(ひい)の虚弱」による停滞です。
  • 少量で早期飽満感を感じる:胃の柔軟性(拡張力)が失われ、少しの食べ物で「胃がパンパンに張る」感覚を覚えます。
  • 心窩部痛(みぞおちの痛み):胃の「気(き)」の流れが滞り、痛みとなって現れます。ストレスによる「肝の滞り」と胃の緊張が関わります。
  • 心窩部の灼熱感:胃に「熱(ねつ)」がこもっている状態(胃熱)のサインであり、逆流性食道炎と似た症状が出ることもあります。

特徴:現代医学の限界を示す機能的疾患

  • 検査で器質的な異常が見つかりにくく、機能的疾患に分類されます。これは、西洋医学的な薬や手術の対象になりにくく、「自律神経や体質の調整」を必要とすることを意味します。
  • 発症は男性にやや多く、20〜40代のストレスや疲労が大きい世代に目立つとされ、東洋医学でいう「肝(ストレス)の負担」が深く関わっています。
  • 慢性胃炎や神経性胃炎とは区別されますが、東洋医学ではこれらの症状を**「脾胃の気の停滞・虚弱・胃熱」という体質的な偏りとして、区別なく根本からアプローチします。

主な原因:東洋医学から見た「胃の機能不全」と「気の滞り」

機能性ディスペプシアは、西洋医学が捉える胃の機能異常と、東洋医学が重視する気の滞りが複雑に絡み合って生じています。これらはすべて、全身のバランスが崩れているサインです。

内臓機能の側面:脾胃(消化力)の虚弱

胃の動き(機能)の低下は、そのまま東洋医学の「脾胃(消化吸収の機能)の虚弱」として捉えられます。

  • 適応性弛緩の障害:食事で胃が十分に広がれない現象です。これは「胃の気が滞り、筋肉がこわばっている」状態(肝の滞りによる影響)であり、少量で満腹になる早期飽満感に繋がります。
  • ぜん動運動の乱れ:胃が内容物を小腸へ送り出す力が弱い状態です。これは「脾胃の気の力不足(脾虚)」によるもので、消化が遅れ、もたれ感を持続させます。
  • 知覚過敏:胃の神経が刺激に非常に敏感になっている状態です。東洋医学では、胃に異常な「熱」がこもっている(胃熱)、または気の流れが滞り、神経が過敏になっている(肝気犯胃)と考えます。

心理・自律神経の側面:肝(ストレス)の負担

FDの最大の特徴である自律神経の乱れは、東洋医学の「肝(かん)」が大きな負担を負っていることを示します。

  • ストレス・過労・睡眠不足・心配ごと:これら全て、気の流れを司る「肝」を酷使し、気の滞り(肝気鬱結)を引き起こす最大の原因です。滞った気は胃を攻撃し、緊張させます。
  • 自律神経の乱れ:自律神経のアンバランスは、そのまま気の巡りの乱れであり、胃の機能不全や症状の感じやすさ(知覚過敏)に強く影響します。
  • 全身の連動:特に、「脾(消化機能)」の力不足や、「肺(呼吸器・バリア)」の機能低下が背景に重なると、ストレスへの耐性が落ちて症状がより長引きやすくなります。

西洋医学と東洋医学のちがい:機能の乱れへの「視点」の違い

機能性ディスペプシア(FD)は、西洋医学が「異常なし」と診断を下す「機能の乱れ」が本質です。ここにこそ、体質の偏りを見抜く東洋医学の専門性が活かされます。

  • 西洋医学:検査で異常が見つかりにくいため、「胃の動きを助ける薬」など、薬中心の対症的ケアになりやすいのが現状です。これは「乱れた胃のポンプを外部から一時的に操作する」アプローチです。
  • 東洋医学:症状が起きている胃だけでなく、全身(体質)を見て、気の滞り(肝)や消化力の低下(脾)を根本から探ります。脾・肺(呼吸)を含む五臓六腑の働きを底上げし、胃が自力で正常な消化のリズムを取り戻せる体質へと導きます。
  • 全身の連動性に基づく施術:胃の不調は、自律神経や冷え、疲労など全身の連鎖の結果です。当院では、症状ごとに分科するのではなく、体全体の関連を踏まえて施術し、「再発しない土台」を作ります。

施術で用いる代表的なツボ:胃の機能回復と気の滞り解消

東洋医学の鍼灸治療は、脈やお腹の状態(四診法)で定めた「病の根本」に対し、最も効果的なツボを選びます。これらのツボは、低下した胃の機能(脾胃の虚弱)を回復させ、ストレスによる気の滞り(肝の滞り)を解消する役割を果たします。

ツボ東洋医学的な要点と効果
中脘(ちゅうかん) 胃の経絡上の重要な募穴(気の集まる要所)です。胃の蠕動運動を整え、食べ物や気が停滞している「もたれ・張り」の解消に直接作用します。
天枢(てんすう) 大腸の募穴ですが、胃腸全体の気の流れを助け、スムーズな排出を促します。停滞感を軽くし、腹部の膨満感を和らげます。
足三里(あしさんり) 胃腸の経絡上のツボで、低下した消化機能を根底から底上げする「長寿のツボ」です。体力の回復(気虚の改善)にも欠かせません。
裏内庭(うらないてい) 足の裏にあるツボで、胃の異常な熱(胃熱)やむかつき、不快な違和感といった急性の症状の緩和に用いられます。
太衝(たいしょう) 足の甲にあるツボで、「肝(ストレス)」の気の滞りを解消します。緊張やイライラが原因の心窩部痛の緩和に用いられます。

東洋医学の施術アプローチ:胃の機能不全を根本から立て直す

機能性ディスペプシアの克服には、胃という「ポンプ」の動きを阻害している根本的な要因(気の滞り、脾胃の冷えなど)を取り除くことが不可欠です。当院では、体質を見極める診断と根本治療を両輪で進めます。

四診法による緻密な見立て:体質を特定する

症状が同じでも、原因は人それぞれです。西洋医学で「異常なし」とされた機能的な不調こそ、東洋医学の診断が最も力を発揮します。

  • 望診・聞診・問診・切診で全身の状態を把握:「舌」「脈」「腹部の緊張」など、体の外側に現れたSOS信号を多角的に読み解きます。
  • 全身情報を総合評価:胃の症状だけでなく、睡眠の深さ、日々の冷え、皮膚の状態、気分(ストレス)など、全身の情報を統合し、胃の機能を弱らせている「大元の原因」を特定します。
  • 最短ルートの施術計画:からだ全体のつながり(脾・肝・肺などの連動)を前提に、最も効率よく体質を改善できるツボを選び、最短ルートで安定した状態を目指します。

経絡治療+養生の両輪:機能回復と再発予防

鍼灸治療で胃の機能を回復させるとともに、日常生活での習慣を見直すことで、リバウンドを防ぎます。

  • 脾・肺のはたらきを高める:消化吸収を担う脾(ひ)の機能を温めて高め、胃の内容物を下に送る力を回復させます。同時に肺(はい)の連動を整えることで、横隔膜の緊張を緩め、胃への圧迫を解放し、スムーズな消化のリズムを整えます。
  • 心身への負担が少ない刺激:機能性ディスペプシアは自律神経の過敏が関わります。施術によるストレスを防ぐため、やさしく心地よい刺激を心がけており、初めての方でも安心して継続していただけます。
  • 食養生のアドバイス:施術効果を定着させるため、胃の冷えと負担を減らす食事指導を行います。温かい和食中心、間食は控えめ、冷たい飲食と白砂糖は少なめにという原則を守り、胃を休ませましょう。

料金について

初回:5,500円(税込)

2回目以降:5,000円(税込)

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など病院で原因不明、治療法がない慢性疾患を中心にはり治療を行っています。