股関節の痛みや動かしにくさ:
「深層の巡り」を整え、こわばりを和らげる
股関節の不調は、関節そのものの変化だけでなく、周辺を支える組織の巡りが滞ることで起こる場合があります。東洋医学では、筋肉や骨の働きを補う力を整えることで、お身体の内側からの安定を目指します。
「巡りを促すこと」は、硬くなった箇所を緩め、動作の負担を軽くするための大切な一歩となります。
日々の暮らしがより静かに、滑らかに進むための支えとなる場合があります。

股関節の痛みと向き合う:
お身体の状態を知るための目次
歩行時や立ち座りの際の不調に対し、お身体の内側の巡りを整え、負担を和らげることを目的とした考え方をご案内いたします。

股関節の状態について:
画像上の変化と、感じる痛みの違い
股関節の不調は、歩く際や立ち座りの際の不快感、足の動かしにくさとして現れます。西洋医学的には軟骨や骨の状態を重視しますが、痛みを感じる背景はそれだけではない場合があります。
日々の変化と向き合うために
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日常生活での不快感:
歩き始めや階段の上り下り、足の付け根付近に生じる重だるさやズキッとする痛みなどが多く見られます。天候や冷えによって、その感じ方が変化する場合も少なくありません。 -
動きの制限について:
足を開く、靴下を履くといった動作がしにくくなることがあり、これが日常的な負担につながる場合があります。 -
画像評価との関わり:
レントゲンなどの画像上で見える変化と、ご自身が感じる痛みの強さは、必ずしも一致しないことがあります。画像上の変化が緩やかでも強く痛みを感じることもあれば、その逆も見受けられます。
施術における一つの目安は、日々の「動き」に伴う負担を、いかに穏やかに和らげていくかという点にあります。
当院では、局所の状態だけでなく、「股関節を支えるお身体全体の巡り」を整えることで、負担が軽くなるよう働きかけてまいります。

東洋医学の視点:
巡りの滞りと不快感の関わり
東洋医学には「不通即痛(ふつうそくつう)」という言葉があります。これは「巡りが滞っている場所に不調が生じる」という考え方を示したものです。
股関節の不調と巡りの背景
- 滞りが生じる背景: 気や血(けつ)といったお身体を支える要素の巡りが、冷えや疲労、長年の姿勢の癖などによって滞ると、股関節周辺の組織が硬くなりやすく、不快感や重だるさが居座る一因となる場合があります。
- 巡りを整える働きかけ: 鍼灸の施術によって、滞っている箇所の流れを促すことで、必要な栄養がお身体の隅々まで行き渡りやすくなります。これにより、こわばりが和らぎ、動作の負担が軽減される場合があります。
- 画像に現れにくい状態への対応: この考え方は、画像検査では変化が見えにくい慢性的な重だるさや、寒暖差によって変化する不調などを紐解く際にも、一つの指針となる場合があります。
お身体の状態を例えるなら、「流れが滞って澱んでしまった水路を掃除し、再び清らかな水が流れるように整えていく」ような作業に近いかもしれません。

アプローチの比較:
西洋医学的な評価と、全身の「巡り」の対比
西洋医学的な視点
(構造と状態の把握)
関節の構造や炎症の状態に注目し、現在の不調を客観的な指標で捉えるアプローチです。
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評価の方法:
レントゲンやMRIなどの画像を通じ、軟骨の摩耗や骨の形状、関節の隙間の状態などを詳細に確認します。 -
主な対応:
お薬による炎症の抑制や、リハビリテーションによる筋力の維持など、不快感の緩和と機能保持を目指します。 -
特徴:
画像は目に見える変化を示してくれますが、お身体全体の血流や冷え、日々の動きの質までは把握しにくい面もあります。
例えるなら、画像は「建物の柱の傾き」を鮮明に映し出しますが、その奥を通る「配管の目詰まり」までは映さないことがあります。
東洋医学的な視点
(機能と巡りの調和)
痛みの背景にある「巡りの滞り」を機能的な課題として捉え、お身体全体のバランスを整えるアプローチです。
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基本的な考え方:
「巡りが滞れば不調が生じる」という視点に基づきます。冷えや疲労による滞りを和らげ、お身体の自然な働きを支えることを目指します。 -
多角的な働きかけ:
単なる筋力不足として捉えるのではなく、血やエネルギーの流れを整えることで、関節にかかる負担を和らげる発想です。 -
お身体の特性に合わせる:
筋肉や腱、骨を司るお身体の各機能のバランスを評価し、股関節周辺の負担が軽くなるよう、一人ひとりの状態に合わせて設計します。

施術の考え方:
全身の調和を整え、
股関節の負担を軽くする働きかけ
お身体の観察:
不調の背景にあるバランスを見極める
東洋医学的な伝統的な手法を用い、股関節の不調がお身体全体のどのようなバランスの乱れから生じているかを見極めます。
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全体像の観察:
お顔色や姿勢の傾向、お身体のねじれなどを拝見し、現在の状態を把握します。 -
お声や呼吸:
お声の様子や呼吸の深さなどから、お身体の元気がどの程度蓄えられているかを感じ取ります。 -
対話による共有:
日常の過ごし方や、冷えの有無、他に感じていらっしゃるお身体の変化などについて、詳しくお話を伺います。 -
巡りの確認:
脈やお腹の弾力、お身体を通る「巡りの道(経絡)」の反応を確かめ、どの機能に働きかけるべきかを検討します。
例えるなら、画像では確認しにくい「お身体の柔軟性の低下や、細かな巡りの滞り」という背景に目を向けていきます。
働きかけ:
巡りの調和と機能の維持
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滞りを和らげる:
滞っている箇所の流れを促すことで、股関節周辺だけでなく、足腰全体の緊張が和らぐよう導きます。 -
お身体の機能を整える:
筋肉のしなやかさを支える機能や、お身体を支える土台となる機能を整え、関節にかかる負担が軽くなるよう働きかけます。 -
刺激の質への配慮:
使い捨ての非常に細い鍼や、心地よく温まるお灸を用い、お一人おひとりのその日の体調に合わせた、穏やかな施術を心がけています。

日常の過ごし方:
股関節の負担を和らげ、
健やかさを保つための工夫
鍼灸の施術で整えた巡りの状態を大切に保ち、股関節にかかる日々の負担を最小限に抑えることが、穏やかな毎日を過ごすための支えとなります。
股関節を労わるための心がけ
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動き出しの動作:
同じ姿勢を長く続けすぎないよう意識し、立ち上がる時や歩き出す時は、ひと呼吸置いてからゆっくりと動き始めましょう。椅子に座る際は、骨盤が安定する位置を探してみるのも一つの方法です。 -
無理のない範囲で:
不快感が強い時は、お身体を休めることを優先してください。調子の良い時も、無理に動かすのではなく、心地よいと感じる範囲で少しずつ動かしていくことが大切です。 -
温めと深い呼吸:
お風呂でゆっくり温まったり、衣類を工夫して股関節周辺を冷やさないようにしましょう。また、息をゆっくりと吐く時間は、お身体全体の力みを和らげる助けとなる場合があります。 -
負担を分かち合う:
重い荷物を片方の手だけで持つのを避けたり、段差では手すりを利用したりすることで、特定の箇所への集中した負荷を減らすことができます。 -
休養の質を整える:
決まった時間に休み、静かな環境で眠ることは、お身体が本来持っている修復の働きを支えることにつながります。

施術料金と通院ペースの目安:
健やかな歩みを支えるための計画
股関節の不調に対する当院の働きかけは、全身の巡りを整え、お身体が本来持っている支える力を補うことを目的としています。
自由診療(保険外)となりますが、日々の動作に伴う負担を和らげ、長期的に健やかな状態を維持していくための選択肢の一つとしてご検討いただければ幸いです。
現在のお悩みやお身体の状態を詳しく伺い、東洋医学的な視点から不調の背景を見極め、一人ひとりに合わせた施術の進め方を検討いたします。
初回で見極めた方針に基づき、お身体の巡りを整える施術を継続します。筋肉のしなやかさや、関節への負担が和らぐよう働きかけてまいります。
通院ペースの一つの目安
(お身体の状態に合わせた進め方)
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初期(不快感やこわばりが気になる時期):
週に1~2回程度の頻度で巡りを促すことで、お身体の緊張が和らぎやすくなる場合があります。まずはこの時期に集中して土台を整えることを検討します。 -
安定期(動作の負担が和らいできた時期):
週に1回程度のペースで、整い始めた巡りを維持し、お身体のしなやかさを支える機能をより定着させていくことを目指します。 -
維持期(健やかな日常を保つ時期):
状態が落ち着いてきたら、2〜4週間に1回程度のメンテナンスとして、お身体全体のバランス確認と再発を抑えるための調整を行ってまいります。
お身体の調整は、長い間動かしていなかった扉の蝶番に、少しずつ馴染ませるように油を差していく作業に似ています。
はじめに丁寧に働きかけ、その後は良い状態を維持していくことで、無理のないスムーズな動きを支える土台となっていく場合があります。

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院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因不明・治療法が限られる慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
