腰椎椎間板ヘルニアの神経の圧迫と再発ループを根本改善
神経の「電気コード」の損傷を、全身の気・血の巡りから修復。
腎(回復力)と肝(血流)の機能を底上げし、髄核が飛び出しにくい体質を構築します。
画像所見と症状のギャップを埋め、ぶり返さない軽やかな日常を目指します。
本ページの内容(目次):腰椎椎間板ヘルニアの神経圧迫と再発ループを根本改善
痛み・しびれを伴うヘルニアに対し、神経への血流と全身の回復力を強化し、再発を防ぐ体質を整える東洋医学の道筋を解説します。
腰椎椎間板ヘルニアの概要と症状:神経への「クッション材」の圧迫
ヘルニアは元々「飛び出し」を意味する言葉です。腰椎椎間板ヘルニアは、背骨のクッション材である椎間板の外側が傷み、中心にある髄核(ずいかく)が突出して神経を圧迫することで、腰痛・足のしびれが同時に出やすい状態です。
例えるなら、背骨の「タイヤチューブ(椎間板)」が破裂し、中身(髄核)が漏れて近くの「電気コード(神経)」を強く押し付けているような状態です。
ヘルニアの主な症状
- 痛みとしびれの走行: 腰や臀部(お尻)の痛み、そして太もも、ふくらはぎ、足先へのしびれが放散性に現れます(坐骨神経痛の症状)。
- 神経症状の悪化: 足に力が入りにくい(筋力低下)、排尿・排便の困難(重症例)など、神経圧迫の度合いによっては運動・排泄機能に影響が出ます。
- 発症傾向: 椎間板がみずみずしく柔らかい20〜40代にも多く、前かがみになる動作や重いものを持つことで発症しやすい傾向があります。男性に多いです。
西洋医学の治療と限界:対症療法と「画像診断のズレ」
主な治療(対症療法の役割)
西洋医学の治療は、主に飛び出した髄核による炎症と痛みの緩和に焦点を当てた対症療法が中心となります。
- 保存療法(物理・薬物): 湿布、電気(低周波)、牽引、リハビリ、痛み止め(消炎鎮痛薬)、筋弛緩薬。
- 介入療法: 神経ブロック注射(神経の興奮を直接抑える)、装具(コルセットなどで安静を保つ)。
- 診断と評価: MRIやCT等で神経の圧迫度を評価しつつ、症状の悪化がないか経過観察を行う。
診断のズレと手術の課題(限界)
- 画像所見と症状の不一致: MRIなどでヘルニアの突出が確認されても、自覚症状が軽い、あるいは突出が軽度でも激痛が走るなど、画像と症状が一致しない例が多いです。静止画では動作時の神経への負荷を反映しにくいためです。
- 手術の課題: 保存療法で改善しない重症例では手術(LOVE法、内視鏡手術など)が提案されますが、術後に症状が残存したり、再発したりする懸念が常にあります。
- 根本的な解決の難しさ: 突出した組織を「元に戻す」ことは難しく、痛み止めや注射は一時的な症状の鎮静にとどまり、体質的なぶり返しやすさ(東洋医学でいう「不通即痛」や「腎虚」)は残りやすいです。
東洋医学のアプローチでは、「今、どう動かすとどう辛いか」という機能的・動的な評価や、全身の血流(不通則痛)という視点を加えることで、画像に頼りきらない根本的な改善を目指します。
東洋医学(鍼灸)の捉え方と役割:神経回復と手術前の体質底上げ
根本原因の見立て:「不通即痛」と臓腑の弱り
ヘルニアによる神経の圧迫に加え、神経の回復に必要な要素(気血)が不足していることが、痛みの慢性化やぶり返しの原因と捉えます。
- 不通即痛の関与: 気・血(エネルギーと栄養)の巡りが滞ると痛む(不通即痛)。術後も改善しない型は、この血流・栄養の滞りが深く関与していることが多いです。 例:神経という「配線」に「電力(血流)」**が十分に供給されていない。
- 「腎」の働き低下: 過労・加齢・生活習慣により腰の要である「腎(じん)」の機能が弱ることで、腰椎の回復力や体全体の生命力が落ちるという発想です。
鍼灸の役割と手術前の意義
- 経絡治療で「不通即痛」を解消: 経絡治療で気・血の巡りを整え、血流を改善し、神経の回復に必要な栄養を集中供給することで、「不通即痛」の状態を解消へ導きます。
- 回復力(腎)の底上げ: 体内機能の調律により、生命力・回復力を底上げします。副作用が少なく、体質改善を目指せるため、保存療法の選択肢として有用です。
【手術前の体質改善の意義】
鍼灸を手術前に検討する意義は、術後の回復力を高めることにあります。体質が弱っていると術後の機能回復が遅れ、症状の実感が得にくい場合があります。鍼灸で体力を底上げしてから手術に臨むことも一つの戦略です。
施術のポイント・回数目安:神経回復を促し、痛みの悪循環を断つ
鍼灸施術の多角的な狙い(不通則痛の解消)
鍼灸治療は、坐骨神経の過敏な状態と、ヘルニアがぶり返しやすい体質の両方へアプローチします。
- 鎮痛・鎮静: 神経と筋の過緊張をほどき、痛み信号の調整で負のスパイラルを断ち切ります。
- 血流促進と修復: 全身の血(栄養)の巡りを促し、酸素供給を高めることで、損傷した神経の修復環境を整えます。
- 筋緊張の緩和: 腰部やお尻(梨状筋)周辺筋の過緊張をゆるめ、神経の刺激を間接的に軽減します。
- 自然治癒力の活性化: 腎(回復力)と肝(筋の柔軟性)を底上げし、炎症の収束を後押しします。
- ストレス緩和: 自律神経を整え、過度な緊張を解くことで、痛みの再発予防につなげます。
- 例え: 神経の「炎症」という火を消し、神経の「配線」を太くするための工事です。
体質改善に必要な回数のめやす
椎間板ヘルニアは神経の再生を待つ必要があるため、時間がかかります。
初期の変化実感:
- 腰痛歴が長い方でも6〜7回前後で、痛みやしびれの頻度や強さに変化を実感されるケースが多いです(個人差あり)。
治療の設計(オーダーメイド):
施術はオーダーメイドです。その日の体調、舌脈腹の所見(四診法)でツボと刺激量を調整します。無理に回数を積み上げるのではなく、体質の変化に合わせてペースを決めていきます。
腰椎椎間板ヘルニアは、急性期の強い痛みが引いた後も神経の修復が必要です。症状が治まってもぶり返しを防ぐため、継続的な体質改善が重要です。
生活・セルフケア:ヘルニアの再発を防ぎ、神経の圧迫を軽減する工夫
ヘルニアの痛みの軽減と再発の予防には、腰椎への負担を減らす姿勢と、神経の回復力を高める日々の養生が不可欠です。
腰椎への負担を最小限にする5つの習慣
- 正しい姿勢の意識: 反りすぎ(腰が反りすぎる)や丸めすぎ(猫背)を避け、骨盤が中間位(軽く前傾)になるように座る/立つ姿勢を意識します。この姿勢が、椎間板への負担を最小限にします。
- 動き方(負荷の分散): 長時間の同一姿勢(座りっぱなしなど)を避け、短時間×複数回の歩行や体幹ストレッチで、こまめに血流を促します。
- 持ち上げ動作の原則: 物を持ち上げる際は、必ず体に近づけて両手で行い、腰だけでなく脚と体幹全体を使うように意識します。 腰を「テコの支点」にしないことが鉄則です。
- 温めと呼吸(血流改善): 腰〜臀部を腹巻や入浴で冷やさないよう温めます。ゆっくり吐く呼吸で、体の力み(筋緊張)を抜き、神経への圧迫を間接的に緩めます。
- 睡眠リズムの安定: 就寝前の光を控え、同じ時刻に寝起きすることで、自律神経(肝)を安定させ、神経の回復を促します。
【急性期への対応】
痛みが強い日は無理な動作をしないのが鉄則です。楽な姿勢(座位やや前かがみなど)で休息をとり、小さな調整の積み重ねが神経の回復を後押しします。
腰椎椎間板ヘルニア専門施術の料金と神経回復を促す通院ペース
当院の腰椎椎間板ヘルニアに対する経絡治療は、神経への血流供給と全身の回復力(腎・脾)を根本から底上げすることに焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、しびれの軽減とぶり返し予防という長期的な視点での費用対効果を重視しています。
初回カウンセリング+施術
詳細な問診と四診法に基づき、神経修復を妨げる体質(血虚、気滞、腎虚など)を特定し、治療計画を立案します。急性期の強い痛みにも対応可能です。
2回目以降(通常施術)
腎経・肝経を中心に調整し、神経周囲の血流と筋緊張を緩和。しびれの軽減と椎間板の回復に必要な栄養供給を促します。
効果を最大化する通院ペースの目安(神経回復の戦略)
- 導入期(痛み・しびれが強い時期): 週に2~3回の集中治療が必要です。神経の炎症と血の滞りを早期に解消し、神経の回復に焦点を当てます。
- 安定化期(症状が減り、安定した時期): 週に1回のペースで、腎(回復力)と肝(筋・腱)の機能を根本から立て直し、ぶり返しにくい体質を構築します。
- 維持期(安定した状態が続く時期): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と全身の体力維持を目的としたメンテナンスを行います。
ヘルニアの治療は神経への「栄養点滴」に似ています。初期に集中して血流という点滴を行い、後は体という「水源」を補強することで、神経の安定を長期的に維持できます。まずは集中的に通院し、早期の痛みからの解放を目指しましょう。
院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因不明・治療法が限られる慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
