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後鼻漏の定義と症状:過剰な鼻水がのどへ落ち続ける不快な状態

後鼻漏(こうびろう, Post Nasal Drip, PND)とは、鼻腔や副鼻腔で過剰に分泌された鼻水や粘液が、鼻の奥からのど側へ流れ落ち続ける状態を指します。

通常、一日に約1〜1.5リットルの鼻水が作られ、知らぬ間にのどへ流れて処理されますが、後鼻漏ではその量や粘度が異常に増え、のどにへばりついて不快症状が続きます。

風邪時のサラサラした鼻水と違い、粘性が強くドロっとしているのが特徴で、鼻をかんでも、のどに絡んだ痰を出そうとしても、なかなか改善しにくい傾向があります。 例えるなら、のどという「排水溝」に、ネバネバした「ヘドロ」がこびりついて、流しきれない状態です。

主な自覚症状:のどの不快感と咳・痰

  • のどの異物感・へばりつき: のどに常に痰がへばりついているような感覚や、イガイガ・詰まった感じが続きます。
  • 慢性的な咳や痰がらみ: 鼻水が気道を刺激するため、咳や痰がしょっちゅう出る状態となり、特に横になると悪化しやすいです。
  • のどの炎症と不快感: 鼻の奥の不快感や、鼻水が落ちることで生じるのどのイガイガ・痛み、慢性的な炎症。
  • 嚥下・睡眠の障害: 飲み込みにくい感覚(嚥下障害)、息苦しさで眠りにくい、口を開けて寝ることで口臭が気になるといった症状も現れます。

関連する不快症状(東洋医学の視点)

東洋医学では、後鼻漏の原因を「水分の滞り(痰湿)」と「胃腸の弱さ」と捉えるため、以下のような全身症状を伴いやすいです。

  • 消化器症状: 鼻水や痰を飲み込むことで胃腸に負担がかかり、吐き気、胃もたれ・胃痛、ひどくなると逆流性食道炎などの胃腸症状を引き起こします。
  • 自律神経系の不調: 慢性的な咳や不快感がストレスとなり、肩こり・頭痛、睡眠の質低下を招きます。
  • **その他:** 喉の詰まった感じから、水の中で溺れるような感覚や不安感を覚えることもあります。

後鼻漏は命に関わる病気ではありませんが、QOL(生活の質)を大きく下げるため、早めに体質からの根本ケアが大切です。

後鼻漏の症状の特徴と日常生活での困りごと

後鼻漏の不快感は、日々の体調や姿勢によって変動するという特徴があります。また、常に痰が絡む感覚は、社会生活や精神状態に大きな悪影響を及ぼします。

症状の変動性と社会生活への影響

  • 日による強弱の変動: 症状は日によって強弱を繰り返します。疲労や睡眠不足、乾燥、飲酒などが誘因となり悪化しやすい傾向があります。
  • 体位による一時的な緩和: 頭部の血流や姿勢の変化により、一時的に鼻水が流れやすくなることがあります。そのため、下を向く(頭を低くする)と症状が和らぐという特徴があります。
  • コミュニケーションへの支障: のどの不快感から、会話中に頻繁な咳ばらいや痰の処理が必要となり、コミュニケーションや会議、集中力に大きな支障が出やすいです。
  • 悪循環:ストレスの蓄積: 慢性的な不快感が続くことで精神的ストレスが蓄積し、それが自律神経を介して鼻水の分泌をさらに増やすという悪循環に陥りやすいです。
  • 例え: のどが「常に不潔な状態」にある感覚が、精神を慢性的に疲弊させている状態です。
【重要な注意点】 鼻すすりは、鼻水を一時的に奥へ押し込む行為ですが、耳管や鼓膜に負担をかけ、耳のトラブル(耳管開放症など)に繋がる恐れがあります。不快でも鼻すすりの常用は避け、鼻うがいなどで清潔に保つようにしましょう。

原因:西洋医学と東洋医学の視点の比較(局所 vs 全身)

後鼻漏は、鼻やのどの局所的な問題に見えますが、全身の水分代謝や胃腸の弱さが深く関わっています。西洋医学と東洋医学のそれぞれの視点と役割を比較します。

観点 西洋医学(局所対処) 東洋医学(根本体質)
原因の捉え方 鼻水を増やす疾患(鼻炎・副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・上咽頭炎など)が主因 内臓機能の低下(脾・肺の弱り)や冷えのぼせなど、全身の水分代謝の乱れが根っこにあると捉える
主な対策 抗生物質、抗アレルギー薬、点鼻薬、鼻洗浄、必要に応じて手術などの対症療法 体質から整え、気・血・水と五臓(脾・肺)の働きを高めて粘液の異常産生を抑える
治療の限界 薬で炎症を抑えても、体質が変わらなければ再発したり、慢性化して完治が難しいケースがある 根本原因からの改善を目指せるため、薬が効きにくい慢性的な後鼻漏にも対応しやすい可能性を秘める

東洋医学では、鼻水を「水道の蛇口の緩み」と捉えるのではなく、体内の「排水溝の詰まり(水滞・痰湿)」が原因で水が溢れている状態と診断します。

東洋医学から見た根本原因:後鼻漏を引き起こす「湿」の停滞と「冷えのぼせ」

東洋医学では、後鼻漏の原因を鼻の炎症に留めず、全身の水分代謝の乱れとエネルギーの偏りにあると考えます。主な原因は、体内で生じた「痰湿(ねばつく水分)」と、「冷えのぼせ(上熱下寒)」という体質の偏りです。

① 湿邪(しつじゃ):余分な水分の停滞

「湿邪」とは、体内の余分な水分が排泄や汗で捨て切れず、停滞している病気の元(病理産物)を指します。

  • メカニズム: 水分代謝の乱れ(脾の弱り)や冷えにより水が滞り、熱が加わることで粘性を持ちます。
  • 症状: その粘り気の強い水分が、後鼻漏の粘い痰・鼻水として、のどへへばりつきやすくなります。
  • 例え: 体内に「排水できない沼地」ができている状態です。

② 痰飲(たんいん):胃腸(脾)で作られる有害な粘液

鼻水や痰といった粘液の生成は、主に胃腸(脾)の消化吸収機能が深く関わると考えられています。

  • メカニズム: 冷たい飲食や暴飲暴食により、胃腸(脾)の機能が低下し、飲食物を処理しきれずに有害な粘液(痰湿)が増えてしまいます。
  • 関連: 後鼻漏の鼻水・痰が胃腸症状(吐き気、胃もたれ、逆流性食道炎)を併発しやすいのは、この胃腸(脾)の弱さが原因です。
  • アプローチ: 脾の機能を回復させ、「痰を生む土壌」そのものを改善することが治療の鍵です。

③ 冷えのぼせ(上熱下寒):エネルギーの偏り

全身の気(エネルギー)の巡りが乱れ、「頭寒足熱」という望ましいバランスが崩れている状態です。

  • メカニズム: 下半身は冷えているのに、ストレスや緊張により上半身は熱がこもる(のぼせる)。
  • 症状: この熱が鼻やのどにこもることで、炎症や粘液の異常分泌(後鼻漏)を助長します。
  • 併発しやすい不調: 寝つきの悪さ、吹き出物(顔や胸)、生理痛、上半身の汗、肩こり頭痛など、自律神経の乱れからくる症状を併発します。

鍼灸(経絡治療)の基本方針と進め方:全身の「水はけ」と粘膜環境の改善

後鼻漏の鍼灸治療は、鼻・のどの局所的な粘液の停滞*だけでなく、全身の水分代謝と胃腸の働き(脾)を根本から立て直し、「痰を生みやすい体質」を改善することを目的とします。

施術の基本方針:全身の底上げと五臓の調整

  • 全体論的な見立て: 鼻・のどだけでなく全身の気・血・水の乱れと五臓の働きを底上げし、症状が起こりにくい体質へ導きます。
  • 三つの臓腑を調整: 胃腸(脾)・肺・腎を中心に調整します。脾で痰の産生を抑え、肺で粘膜環境を整え、腎で全身の水分・体力を底上げすることで、粘液過多と自律神経の整調を図ります。
  • 治療の例え: 鼻水を「蛇口を止める」のではなく、「体という「排水システム」を根本から強化し、水をスムーズに流す」イメージです。

東洋医学独自の診断法「四診法(ししんほう)」

患者様の体質(証)を正確に把握することで、その日の最適なツボを選定します。

  1. 望診(ぼうしん): 舌の状態や皮膚の色つやなど、体表の変化を観察。
  2. 聞診(ぶんしん): 声の調子、呼吸、体臭などから、病状の性質を判断。
  3. 問診(もんしん): 生活習慣、既往歴、症状の経過を詳細に聞き取る。
  4. 切診(せっしん): 脈や腹、経絡の反応を触診し、五臓六腑の機能を評価。

鍼灸施術の特徴(安全への配慮)

  • 安心な鍼と灸の使用: 極細のディスポ鍼(使い捨て)と、熱すぎず心地よい上質なもぐさで、患者様の体力や年齢、症状に応じて最適な刺激量で穏やかに調整します。
  • 刺激は最小限に: 特に体力の落ちた方や炎症が強い方には、接触鍼や温灸など、極力刺激を抑えた施術を行い、体の治癒力を妨げません。
  • 医科の治療(抗生物質、点鼻薬など)と併用可。自己判断での服薬中止はせず、安全第一で進めます。

治療で期待される変化(QOLの向上)

個人差はありますが、治療を継続し体調全体が整うにつれて、以下のような変化が期待できます。

  • 痰・異物感の軽減: のどにへばりつく痰の粘性が低下し、排出が容易になります。
  • 咳の頻度・強さの低下: 落ちてくる鼻水によるのどの刺激が減り、慢性的な咳の頻度が減ります。
  • 胃腸症状の改善: 痰を飲み込むことによる吐き気や胃もたれが軽減し、食欲が増進します。

自宅でできるおすすめのセルフケア:痰の産生を抑え、冷えのぼせを解消する

体質改善の土台:内臓機能向上と冷え解消

後鼻漏の根本原因である「痰湿」(粘液過多)と「冷えのぼせ」を解消するため、生活の基本である「食」と「温活」を見直します。

  • 半身浴/温活の習慣化: 40〜42℃に10〜15分浸かり、二の腕や背中にうっすら汗をかく程度の温和な発汗を促します。肘下・膝下もしっかり湯に入れると、五臓の経絡が温まり、全身の巡りが促進されます。
  • 食養生(痰湿の予防): 白砂糖や甘い物、脂っこい物は、痰湿(ねばつく粘液)を生み出す最大の原因となるため控えます。冷たい飲食物や南国の果物(体を冷やす性質がある)も控えめにし、胃腸(脾)の火を守ります。
  • 水分補給の工夫: 脱水は症状を悪化させるため、運動や入浴時はこまめに常温または温かい飲み物で補水します。ただし、一気に大量に飲むと水滞(水分の滞り)となるため、少しずつ摂りましょう。
  • 生活の工夫: 床への直座り・直寝は下半身を冷やし、冷えのぼせを助長します。下半身を冷やさないよう、温かい服装を心がけましょう。
  • 体質を「水はけの良い土壌」に変えるためには、内臓を冷やさない「温かい水」だけを与え、「泥(痰湿)を生む肥料」を断つことが必要です。

症状緩和を助けるその他の局所ケア

  • 鼻うがい(洗浄): 落ちてくる鼻水を物理的に洗い流すために、生理食塩水を使った鼻うがいが有効です。ただし、鼻すすりは耳に負担をかけるため厳禁です。
  • ツボ押し・マッサージ: 鼻の通りを良くするツボ(迎香(げいこう)、鼻通(びつう)など)を優しく刺激します。また、眉間のマッサージ(時計回り・反時計回りに軽圧で各10回)は、頭部の緊張を解き、鼻の奥の巡りを促します。
  • ストレス対策: 十分な睡眠確保、軽い運動、没頭できる時間づくりは、自律神経の過緊張を解き、鼻水の過剰分泌を抑えるのに繋がります。

セルフケアは鍼灸治療の強力な補助となりますが、自己判断での治療中断は避けてください。改善が乏しい・不安がある場合は、早めに専門家にご相談ください。

後鼻漏専門施術の料金と痰湿・冷えのぼせを解消する通院ペース

当院の後鼻漏に対する経絡治療は、胃腸(脾)と肺の機能を立て直し、痰湿(ねばつく粘液)の産生を抑えることに焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、不快感からの解放という長期的な視点での費用対効果を重視しています。

初回カウンセリング+施術

5,500円
(税込)

詳細な問診と東洋医学的診断に基づき、後鼻漏の原因となる「痰湿」や「冷えのぼせ」のタイプを特定し、治療計画を立案します。

2回目以降(通常施術)

5,000円
(税込)

水分代謝と胃腸の働きを調整し、粘液の異常な産生を抑える経絡治療を行います。

効果を最大化する通院ペースの目安(痰湿排出と体質改善の戦略)

  • 導入期(痰・咳の不快感が強い時期): 週に1~2回の集中治療が必要です。痰湿の排出を優先し、胃腸と肺の機能回復に焦点を当てます。
  • 安定化期(症状が落ち着いてきた時期): 週に1回のペースで、脾(胃腸)の火力を高め、痰を生みやすい体質を根本から改善します。
  • 維持期(不快感が軽減した時期): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と冷えのぼせのメンテナンスを目的としたケアを行います。

後鼻漏の体質改善は排水管の掃除に似ています。初期に集中して詰まり(痰湿)を取り除き、その後は詰まりにくい構造(冷えを防ぐ体質)を維持することが、根本解決につながります。まずは集中的に通院し、早期に不快な症状から解放されましょう。

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など病院で原因不明、治療法がない慢性疾患を中心にはり治療を行っています。