三叉神経痛でお悩みの方へ|札幌で東洋医学専門の鍼灸院をお探しなら東洋中村はり灸院

三叉神経痛の概要と主な症状:「経絡の急な閉塞」による激痛

三叉神経痛は、顔の感覚を脳へ伝える三叉神経(顔面を巡る経絡と深く関わる)のどこかで過敏化や圧迫が起こり、片側に極めて鋭い痛み(電撃痛)が走る状態です。東洋医学では、これは顔面を巡る「経絡(けいらく)が急に詰まり、気血の流れが遮断された状態」、または「内部に溜まった熱や湿といった邪気が経絡を刺激している状態」と捉えます。まるで、高速道路の途中に突然バリケードが置かれ、エネルギーの流れが瞬間的にストップしてしまうような激しい痛みです。日常生活や対人場面に極めて大きな負担となりやすいのが特徴です。

よくある自覚:気の流れの遮断

  • 数秒〜数分の鋭い発作痛が走る/電気が走るように痛む:特徴的な瞬間的な激痛です。気血が詰まり、流れが再開しようとする際に、神経が過敏に反応することで生じると考えられます。
  • 触れる・歯みがき・会話・食事などで誘発されやすい:顔面の経絡が過敏になっているため、ちょっとした刺激が気の滞を引き起こし、痛みを誘発しやすい状態です。
  • 左右どちらか片側のみに出る:麻痺と同様、顔面を巡る片側の経絡が邪気や気血不足によって影響を受けていることを示します。
  • 生活への支障:発作痛への予期不安から、仕事、家事、人前での会話など、QOL(生活の質)が著しく低下します。

三叉神経の特徴と経絡の連動

  • 三叉神経は脳幹から枝分かれし、額(上枝)〜頬(中枝)〜下顎(下枝)へ分布します。
  • 東洋医学では、これらの枝の分布は、顔面を巡る陽明経(額・頬)や少陽経(側頭部)といった主要な経絡と密接に連動しています。痛みもこれらの経絡の流れに沿って現れやすい傾向があります。

原因と「西洋医学/東洋医学」:痛みへのアプローチの違い

三叉神経痛は、痛みという現象に対して、西洋医学と東洋医学で原因の捉え方とアプローチの目標が大きく異なります。

西洋医学(病院)の見方:物理的・電気的な問題

西洋医学は、痛みの原因を神経への物理的な圧迫や神経細胞の異常な興奮と捉え、それを鎮めることを目的とします。

  •   物理的圧迫:血管・腫瘍などが三叉神経を圧迫している場合、画像診断や所見に応じて、圧迫を取り除く外科的対応が検討されます。
  • 原因不明の過敏化:物理的な圧迫所見がない、または圧迫が軽度でも痛みが続くケースでは、神経そのものが過敏になっている(東洋医学の「邪気」による刺激など)と考えられます。
  • 対処:神経の異常な興奮を鎮める抗けいれん薬や鎮痛薬、局所の興奮を遮断する神経ブロックなど、症状コントロールが治療の中心となります。

東洋医学の見方:全身の巡りの滞り

東洋医学は、激しい痛みを「単なる局所の問題」とせず、全身の機能的なバランスに原因を求めます。

  • 不通即痛(ふつうそくつう):東洋医学の基本原理の一つで、「通じざれば則ち痛む」という意味です。気・血・水(エネルギー、栄養、水液)の巡りが何らかの原因で滞ると、痛みが出るという考え方です。
  • 全身の土台整備:顔面の神経だけでなく、全身の巡り(特に肝・腎)、体力(正気)、そして自律神経のバランス(肝の気の調整)を整えることで、神経の過敏性を根本から鎮めます。
  • 局所ではなく全身から:顔面を巡る経絡だけでなく、手足のツボや背中のツボなど、離れた場所から全身の機能に働きかけることで、顔面への気血の流れの滞り(不通)を解消します。

東洋医学の考え方(不通即痛)と鍼灸の要点:神経の詰まりを解消する

三叉神経痛の電撃痛は、顔面の「気の流れ」が瞬間的に、または慢性的に滞っている状態(不通)が引き起こしています。東洋医学の鍼灸治療は、この神経周囲の詰まりを全身から解消し、痛みを感じにくい安定した体質へと導きます。

不通即痛=滞れば痛む:全身の川の流れを回復させる

痛みの根本原因である「不通」を解消するため、体内の主要な構成要素の巡りを改善します。

  • 気・血・水(き・けつ・すい)の巡りを回復:気(神経エネルギー)、血(栄養・潤い)、水(体液・リンパ)の三要素の滞りを解消し、顔面の経絡をスムーズに通します。
  • 顔以外の土台整備:顔面を巡る経絡は、首肩や手足とつながっています。首肩〜側頭部・顎関節の緊張や消化の状態(脾胃の弱り)など、顔以外の部位も同時に整えることで、顔面への負担を根本から減らします。
  • 個別体質への対応:四診法(舌・脈・腹など)で、痛みの原因が冷え(寒邪)、熱、血の滞り(瘀血)のどれに起因するかを詳細に分析し、個別の体質差に合わせた施術計画を立てます。

鍼灸のアプローチ:自己調整力を引き出す

鍼灸は、薬のように痛みを強制的に抑えるのではなく、体が自力で痛みを鎮められるよう調整します。

  • 神経の過敏化を鎮める土台づくり:全身の経絡バランスを整えることで、神経が異常に興奮しやすい状態を沈静化させ、痛みへの過敏な反応を和らげます。
  • 代表ツボ例:合谷(顔面の巡り)や風池(首肩の緊張)など、顔面への気血の通り道を確保するツボと、足三里(体力増強)や太衝(ストレス緩和)など全身の調整ツボを組み合わせます。
  • やさしい刺激設計:激しい痛みがある状態では、強い刺激は逆効果です。痛みや緊張を最小限に抑えたやさしい刺激で、体の自己調整力をそっと引き出します。

鍼灸が選ばれる理由:薬に依存せず痛みを根本から鎮める

三叉神経痛の治療において、西洋医学の薬(抗けいれん薬など)は神経の興奮を抑えるのに有効ですが、体質そのもの(神経が過敏な土壌)は残りがちです。鍼灸は、この「痛みの起きやすい体質」を変えるための、根本的な選択肢となります。

  • 根本視点:「不通即痛」の解消:痛む顔の局所にとらわれず、全身の気・血の巡り、自律神経のバランス、そして体力(正気)を底上げします。川の流れを良くし、バリケードが起こらないようにするアプローチです。
  • オーダーメイド治療:痛みは同じでも、原因が冷え、熱、血の滞りなど、体質によって異なります。四診法(舌・脈・腹など)で患者様の体質差を見極め、選穴や鍼の手法を都度調整する、個別の施術計画で効果を最大化します。
  • やさしい刺激と安心感:三叉神経痛で過敏になっている神経や身体に対し、負担や痛みを最小限に抑えた穏やかな施術を行います。体がリラックスすることで、自律神経の過剰な興奮が鎮まりやすくなります。
  • 副作用に配慮したアプローチ:薬のように外部から強制的に抑え込むのではなく、からだ本来の調整力(自然治癒力)を内側から引き出します。これにより、薬の長期服用が難しい方でも安心して治療を継続できます。

鍼灸の有効性を見きわめるヒント:「気の巡り」の関与を見抜く

三叉神経痛に対する鍼灸治療が特に効果を発揮するのは、「気の巡りや自律神経の乱れ」が痛みに深く関わっている場合です。以下の特徴から、鍼灸の適応があるかどうかを判断できます。

痛みが日によって変動する/季節・気圧・時間帯で変わるなら、それは「気の巡りの乱れ」が関与している明確なサインです。まるで天候(気候や体調)によって川の流れが変わるように、機能的な要因が強い痛みには鍼灸の適応が見込めます。鍼灸で全身の巡りを整えることで、痛みの過敏な反応を和らげることが可能です。

一方、画像検査(MRIなど)で明らかな血管や腫瘍による器質的な圧迫が示されるケースでは、神経への物理的な負荷が主原因です。この場合は、医療機関での評価と治療(外科的処置など)を最優先とし、鍼灸は術後の回復力向上や、全身の体力底上げのために併用を検討しましょう。

日常でできるセルフケア:痛みの誘発を防ぎ、巡りを整える

三叉神経痛の発作は、「冷え」「緊張」「刺激」が引き金となります。鍼灸治療の効果を持続させ、顔面の経絡が詰まりにくい、穏やかな体質を維持するための養生が重要です。

  • 保温対策で「寒邪」の侵入を防ぐ:首・側頭部・顎周りを冷やすと、気血の巡りが滞り(不通)、痛みが誘発されやすくなります。スカーフなどでしっかり保温し、就寝前の湯船入浴で全身の巡りを促しましょう。
  • 噛みしめ対策で緊張を解く:ストレスによる無意識の食いしばりは、顔面周囲の筋肉と神経に強い圧力をかけます。日中の噛みしめに気づき、就寝前のリラックス習慣で自律神経の過緊張を和らげることが重要です。
  • 外部刺激の整理:顔面の神経は過敏になっています。長時間の画面作業(目の酷使)を区切り、強い寒風や急な温度変化にさらされることを避けるなど、誘発要因を減らしましょう。
  • やさしい食事で「気血」を養う:体力を消耗し、冷えを生む冷たい飲食や糖分は控えめにしましょう。温かい和食中心の食事で、神経の回復に必要な「気血」を効率よく生成します。
  • 深い呼吸で自律神経を整える:呼吸が浅いと、気の巡り(肝)が乱れ、神経が興奮しやすくなります。肩が上がらない深い腹式呼吸を意識的に行うことで、自律神経を整え、発作への不安を軽減します。

西洋医学との併用について:「即効性」と「根本改善」の両輪

三叉神経痛の治療において、西洋医学と東洋医学は「痛みの性質」に合わせて、役割を分担することが可能です。即効的な症状コントロールと体質からの根本的な改善を組み合わせることで、最も早く安定した状態を目指します。

  • 医療機関での評価と「二本柱」の並走:必ず専門の医療機関で器質的な圧迫の有無を評価した上で、西洋医学の治療方針を尊重し、鍼灸と生活養生を並走(併用)させます。
  • 西洋医学の役割:薬(抗けいれん薬など)や神経ブロックは、痛みの発作という「緊急事態」を迅速に沈静化する役割を担います。
  • 東洋医学の役割:鍼灸は、薬では届きにくい全身の気血の巡り、自律神経の過敏さといった「痛みが起きやすい体質」を根本から改善します。
  • 再発しにくい土台づくり:鍼灸と養生により、睡眠、保温(冷えの除去)、消化(気血の生成)といった体力の土台を強化することで、神経が過敏に反応しづらい、再発しにくい体質づくりを重視します。

料金について

初回:5,500円(税込)

2回目以降:5,000円(税込)

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など病院で原因不明、治療法がない慢性疾患を中心にはり治療を行っています。