薬に頼らず花粉症を根本改善。
東洋医学の鍼灸・漢方・食事療法を徹底解説
春や秋になるたびに、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、そして目のかゆみ。 多くの方が病院薬や市販薬でしのぎますが、薬は基本的に「今ある症状」を抑える対症療法です。
東洋医学では、花粉症を「花粉が悪い」だけで終わらせません。 なぜ反応してしまう体質なのかを分解し、 鍼灸・漢方・食養生・生活習慣で、花粉症になりにくい体を目指します。
- 違い:病院薬(対症)と東洋医学(体質)
- 原因:「肺」の弱り+全身の乱れ(冷え・睡眠・腸)
- 改善:鍼灸×漢方×食事×断食(必要に応じて)

1. 病院治療(対症)と東洋医学(体質)の違い
病院で処方される花粉症薬は、鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどを一時的に和らげる目的で使われます。 急に症状が強い時期に助けになる一方で、「花粉症になりやすい体質そのもの」には触れにくいのが現状です。
東洋医学から見た懸念点
- 症状を「閉じ込める」負担:鼻水・くしゃみは外に出す反応でもある
- 長期使用:体調によっては胃腸・肝腎に負担感が出ることがある
- 局所中心:鼻と目だけを見て、全身の条件(冷え・睡眠・腸)を見落としやすい
東洋医学の狙い
- 「なぜ反応するのか」を体質から分解する
- 呼吸器・腸・皮膚・自律神経のつながりを整える
- 花粉が飛んでも「反応しにくい体」を目指す

2. 東洋医学が考える花粉症の原因:鍵は「肺」の弱り
東洋医学では花粉症を、単なるアレルギー反応としてだけでなく、 内臓(とくに肺)の機能低下と、全身の乱れが重なって起きる状態として捉えます。
五行・臓腑の考え方では、肺―大腸―皮膚―鼻は深く連動しています。 だから花粉症の方は、鼻と目だけでなく「腸」「皮膚」「冷え」「睡眠」などにもサインが出やすくなります。
「肺」が弱りやすいサイン
- 風邪をひきやすい
- 喉を痛めやすい・咳が残る
- 季節の変わり目に弱い
- 息が浅い
一緒に出やすい不調
- 便秘・下痢(大腸の乱れ)
- 乾燥肌・かゆみ(皮膚)
- 末端冷え性
- 眠りが浅い
女性に多い併発
- 生理痛・生理不順
- PMS・子宮内膜症の傾向
- むくみ・だるさ
- ストレスで悪化

3. 鍼灸で整える:気・血・水の循環と「反応しにくい体」
東洋医学の鍼灸は、花粉症の“症状”だけでなく、 症状が出る背景(肺の弱り、腸の乱れ、冷え、緊張)に働きかけます。 体の中の気・血・水の巡りが整うほど、防衛反応が過剰になりにくくなります。
花粉症で使われる代表的なツボ(例)
- 上星(じょうせい):額の髪の生え際付近。鼻の通りを狙う。お灸が合うことも。
- 上印堂(かみいんどう):眉間。鼻・目の不快感や緊張に。
- ※実際は体質により、肺・大腸・冷え・自律神経のツボを組み合わせます。
「刺激が怖い」方へ
- 鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みは最小限を目指す
- お灸は心地よい温かさ(熱さで我慢するものではない)
- 緊張がほどけ、眠ってしまう方もいる

4. 漢方の活用:体質に合わせて「反応」を整える
東洋医学では、花粉症を「一律の薬」で抑え込むより、 体質に合わせて反応の出方を整えるという考え方をします。 漢方は、症状の型や体の傾きに合わせて選ぶことが重要です。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
- 花粉症で用いられることがある代表的な処方の一つ
- 「冷え」や「体力の傾き」など、体質が合うと反応が出やすい
- ただし合う・合わないがあるため、自己判断で固定しないのが基本

5. 食事療法(食養生)と断食:花粉症体質を作らない土台
花粉症の体質改善で、最も差が出やすいのが食事です。 体は食べたもので作られるため、食生活の方向性が変わると、反応の出方も変わりやすくなります。
避けたい食品(“毎日”になっていないか)
- 小麦(グルテン):パン・麺・菓子パンが主食化していないか
- 乳製品:牛乳・ヨーグルト・チーズが習慣になっていないか
- 白砂糖:甘い飲み物・お菓子が日課になっていないか
- ※ゼロを目標にするより「毎日を外す」方が継続しやすい
推奨:日本食(和食)を土台に
- 白米・味噌汁・漬物・焼き魚・納豆など
- 温かい調理で胃腸の負担を減らす
- 甘味は、てんさい糖・きび糖などへ置き換えを検討
断食(ファスティング):内臓を休ませて“反応”を変える
- 朝食断食(16時間):夕食→翌日の昼食まで間隔を空け、内臓を休ませる
- 葛断食:葛・水・塩(岩塩/あら塩)を使い、体の浄化を促す考え方
- 体力・体質により向き不向きがあるため、無理はしない

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院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、病院で原因不明・治療が難しい慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
