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円形脱毛症の概要と西洋医学の課題:「髪の栄養不足」と「心の負担」

円形脱毛症は、ある日突然、境界線が明確な円形や楕円形に髪の毛が抜け落ちる状態です。東洋医学では、「髪は血の余り(腎の精)」と捉え、過度なストレス(肝の気の滞り)や「血(けつ)」の不足が、毛根への栄養供給を阻害している状態と捉えます。外見への影響が大きく、精神的負担が非常に増えやすいのが特徴です。

どんな症状?:栄養の川がせき止められた状態

  • 髪の毛が10円玉大に抜ける(単発〜多発):症状が進行すると、頭部全体や体毛にも及ぶことがあります。
  • 精神的負担の増大:不安や緊張が自律神経(肝)を乱し、さらに血流を悪化させるという悪循環に陥りやすいです。

西洋医学の見解と治療:対症療法という限界

  • 有力視:自己免疫:自己の免疫細胞(T細胞)が、毛根を異物と見なして誤って攻撃することで発症すると考えられています。
  • 治療:副腎皮質ステロイド(外用・注射・内服など、「免疫の誤作動」を強制的に抑制する薬物療法が中心となります。
  • 課題:治療は対症療法中心であるため、根本的な体質(免疫が誤作動しやすい土壌)までは改善されません。そのため、再発リスクや、長期的な副作用(皮膚の萎縮、感染リスク、ステロイドの離脱症状など)の懸念が課題となります。

東洋医学は、この「免疫が誤作動しやすい体質の土台」にアプローチすることで、薬に頼らない穏やかな体質づくりを目指します。

東洋医学の捉え方:脱毛は「血の不足」と「肺」のバリアの弱り

東洋医学では、円形脱毛症は、単なる頭皮の局所的な免疫の誤作動ではなく、髪の成長に必要な「血(けつ)」の栄養不足と、体表のバリア(衛気)の機能不全という全身の体質に原因があると捉えます。

体質をみる:四診法による根本原因の特定

  • 望診・聞診・問診・切診で全身像を把握:四診法を用いて、「血の不足(血虚)」や「気の滞り(肝気鬱結)」など、免疫が誤作動しやすい体質の根本原因を特定します。
  • 「森を見て木をなおす」方針:髪(木)だけを見ず、血を生成する脾胃(消化器)や血を貯蔵する肝(森)の機能を整えることで、根本的なアプローチを行います。

鍵は「肺」のはたらきと「血」の栄養

脱毛には、髪に栄養を与える「血」の生成・巡りとともに、「肺(はい)」の働きが深く関わります。

  • 肺と皮毛の連関:東洋医学で「肺は皮毛を主る(つかさどる)」とされます。肺の機能低下は、皮膚や体毛(髪)の弱りに反映しやすく、免疫の誤作動(自己攻撃)が起きやすい体質になります。
  • ストレス・免疫低下:過度なストレス(肝の負担)や疲労による気血の不足が重なると、毛根への栄養供給がストップし、脱毛を誘発しやすい状態となります。

合わせてみられやすい随伴症状:血と気の乱れのサイン

以下の症状は、血虚や肝の気の滞りが背景にあることを示しています。

  • 生理不順・生理痛・PMS:「肝」は血の貯蔵と婦人科系に深く関わるため、血の不足がそのまま生理の乱れとして現れやすいです。
  • 末端冷え性、肩こり:血の不足や滞り(瘀血)により、末端に栄養や温かさが届かず、全身の気の巡りが悪くなっています。
  • 鼻炎・蓄膿、風邪をひきやすい:「肺」のバリア機能が弱く、皮膚・鼻・喉といった体表が弱い状態にあります。
  • ドライアイ・眼精疲労:「肝は目に開く」とされ、肝の血が消耗しているサインです。

鍼灸の進め方:髪の根っこに「血の栄養」と「気の安定」を届ける

円形脱毛症の鍼灸治療は、「髪は血の余り」という原則に基づき、毛根への栄養供給を再開させること、そして免疫の誤作動を誘発する自律神経の乱れを鎮静化させることを目標とします。

施術の流れ:体質の根本原因を特定

  • 四診法で体質・随伴症状・生活因子を整理:脈や舌から、血の不足(血虚)、気の滞り(肝気鬱結)、消化機能の弱さ(脾虚)など、脱毛の根本にある全身像を把握します。
  • 経絡治療で五臓のバランスを調整:血の生成に関わる脾胃、血を貯蔵する肝、皮膚・毛髪を司る肺の経絡を中心に鍼灸を行います。免疫が過剰に興奮しやすい体質を穏やかな状態へ導きます。
  • 温熱(灸)で表面の力と循環を底上げ:必要に応じて、お灸で全身の冷えを取り、血流と体表の気の力(衛気)を底上げします。これにより、毛根周囲の気血の巡りを活性化させます。

代表的な選穴例:栄養の生成と巡りを助ける

脱毛の原因となる血虚、気滞、脾虚を改善するためのツボを選びます。

目的東洋医学的なねらい
肺のはたらきを助ける 孔最・太淵 皮毛・表面のバリア機能を補い、免疫の過敏な誤作動を鎮静化させます。
血の巡りの改善 三陰交・合谷 血の不足を補い、全身の血流を改善します。冷え・肩こり・婦人科症状の底上げにも繋がります。
消化吸収の強化 足三里・中脘 体力と栄養(気血)の土台である脾胃の機能を強化し、毛髪の成長に必要な栄養を供給します。
ストレス応答の鎮静 内関・神門 自律神経(心・肝)の過緊張を緩め、心の安定を図り、睡眠の質を改善します。

※局所だけでなく全身を整えることが、回復への鍵です。

日常の養生(食事・睡眠のヒント):髪を育む「血」の生成と「肝」の安定

鍼灸治療の効果を定着させ、脱毛の再発を防ぐには、「血(けつ)の生成と貯蔵」を助ける養生が不可欠です。日常生活で「肝(かん)」と「脾胃(ひい)」を労りましょう。

  • 食事は“和食+温かいもの”を中心に:血の生成(脾胃の働き)は温かい環境で最も活性化します。冷たい飲食や白砂糖は脾胃の火力を奪い、血虚を悪化させるため控えめにし、消化の良い和食で栄養をしっかり吸収しましょう。
  • 睡眠は午前1〜3時(肝の時間)に熟睡:東洋医学で「肝」は血を貯蔵し、体の修復・回復を行う時間帯です。この時間に熟睡できるリズムを作ることで、髪の成長に必要な「血」の回復を最大限に促し、ストレスによる自律神経の乱れ(肝の滞り)を防ぎます。
  • 入浴と頭皮ケア:湯船に浸かって全身の血の巡りを促し、冷えを取りましょう。ただし、頭皮への過度なマッサージや刺激は避けてください。神経が過敏になっている場合、刺激は逆効果になることがあります。
  • 呼吸法・軽いストレッチで自律を整える:ストレスは肝の気の滞りを引き起こし、頭部の血流を悪化させます。呼吸法や軽いストレッチで意識的に力を抜き、自律神経を整え、心の安定(神の安定)を図りましょう。

西洋×東洋の役割分担:協力して「髪を育む土台」を作る

円形脱毛症は、自己免疫という体質の根本が関わるため、西洋医学と東洋医学は互いに補完し合う強力な連携が効果的です。薬で「炎上」を鎮める段階と、体質そのものを「修復」する段階で、役割を分担します。

  • 西洋医学の役割:自己免疫の異常な攻撃に対する抑制(ステロイドなど)や、皮膚科的な評価・合併症の管理に強みがあります。これは、「暴走する免疫を一時的に鎮める」ための緊急処置の役割です。
  • 東洋医学の役割:脱毛の原因となる血(けつ)の不足、気の滞り、免疫が過敏になりやすい体質(肺・肝の弱り)を改善します。髪に栄養が届きやすい、再発しにくい穏やかな土台づくりに強みがあります。
  • 患者さまに最適なバランスを選択:急性期は西洋医学の処置を最優先し、炎症が治まったら鍼灸を本格的に併用することで、副作用のリスクを最小限に抑えつつ、髪が再び生えるための土壌(気血の生成と巡り)を回復させます。

料金について

初回:5,500円(税込)

2回目以降:5,000円(税込)

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など病院で原因不明、治療法がない慢性疾患を中心にはり治療を行っています。