花粉症の過敏な体質と粘膜の弱さを根本改善
症状を「煙」、肺の弱さや冷えを「火の元」と捉え、東洋医学で根本を鎮めます。
全身の巡りと粘膜バリア(肺機能)*を底上げし、薬に頼り切らず症状が起こりにくい身体へ。
経絡治療と養生で、再発しない体質づくりを目指します。
本ページの内容(目次):花粉症の過敏な体質と粘膜の弱さを根本改善
くしゃみ・鼻水・目のかゆみが続く花粉症に対し、肺の機能を強化し、粘膜の過敏性を解消する東洋医学の根本的な体質改善の道筋を解説します。
花粉症治療の対比:西洋医学の「緊急対処」と東洋医学の「体質強化」
西洋医学の捉え方と役割(対症療法)
西洋医学は、花粉=アレルゲンに対する免疫の過敏な反応(ヒスタミンの放出)によって、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった症状が起きると捉えます。
- 基本は対症療法: 抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬など、薬の力でアレルギー反応や炎症を抑え、症状を一時的に楽にすることが基本となります。
- 薬は「火災報知器の電源を切る」ことで、過剰なアラーム(症状)を静める役割を果たします。
- 舌下免疫療法など、アレルゲンに体を慣らす治療法もあり、適応が合えば根本改善に近づく方法もあります。
東洋医学の目的とアプローチ(根本改善)
東洋医学は、なぜ体が花粉に過敏に反応してしまうのかという体質の弱さ(虚証)に焦点を当てます。
- 体質を変えて症状が出にくい身体へ: 薬に頼らず、「肺(粘膜バリア)」や「脾(水分代謝)」の機能を強化し、花粉に過敏に反応しない体質へと転換することを目指します。
- 全身の底上げ: 目・鼻といった局所だけでなく、内臓(特に呼吸器系)の働きを底上げし、自律神経の乱れも同時に整えます。
- ゴール: 全身のバランスを整えることで、季節の変わり目の波に揺れにくい強固な土台づくりを目標とします。
薬の可否・減薬は鍼灸師の判断ではなく、必ず処方元の医師とご相談ください。鍼灸は、薬の効果を妨げずに体質改善を側面からサポートします。
花粉症体質の特徴と関連症状:全身のバリア機能の弱さと連動する不定愁訴
花粉症の症状は、鼻や目といった局所の粘膜の弱さだけでなく、全身の機能的な偏りを示すサインです。東洋医学では、以下の併発症状を体質の偏り(肺、脾、肝の不調)と関連付けて捉え、治療の手がかりとします。
東洋医学の要点:呼吸器(肺)と大腸の弱さが背景に
- 呼吸器の弱さが背景に(肺虚): 風邪をひきやすい、喉を痛めやすい、咳が長引きやすい、扁桃炎・気管支炎に傾きやすい。これらはすべて、粘膜・皮膚を司る「肺」のバリア機能が弱いことを示します。
- 大腸の不調(肺との表裏関係): 大腸の不調(便秘・下痢・過敏性腸症候群)を抱えている方が多いです。東洋医学では「肺と大腸は表裏一体」と捉えるため、腸内環境の悪化が鼻の粘膜の過敏性を高めます。
- 冷え・皮膚の不調: 手足の冷え、乾燥肌、アトピー、円形脱毛症。冷えは血流を滞らせ、皮膚・粘膜を過敏にします。
自律神経・ホルモン系の併発しやすい不調
- 自律神経・精神面(肝・心): 睡眠の課題(寝つきが悪い・浅い)、朝とにかく体がだるい、やる気が出ない、軽いうつ症状。ストレスによる自律神経の過緊張(肝の乱れ)が、症状を増悪させます。
- 婦人科・血流(肝・腎): 生理不順・生理痛、子宮内膜症、卵巣嚢腫。血(けつ)の巡りや内分泌系のバランスの乱れが、粘膜の過敏性と共に現れることが多いです。
- 痛み・疲労: 朝の腰痛・肩の痛み(特に冷えや水分の滞りによるもの)、慢性疲労。
東洋医学では全身はすべてつながっていると捉えます。花粉症を「中心のサイン」と捉え、鼻症状と同時にこれらの全身の不定愁訴もまとめて整えていくのが、根本体質改善のアプローチです。
東洋医学の目的と考え方:花粉症の「火の元」を鎮め、粘膜バリアを再建する
東洋医学における花粉症治療の根本的な考え方は、体内のバランスの偏りが、季節の刺激(花粉)に過剰に反応する原因であるという点にあります。
【火と煙のメタファー】
くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった不快な症状は「煙」です。薬で一時的に煙を抑える(対症療法)のではなく、煙の元である「火の元(根本原因)」(肺の弱さ、冷え、水分の滞り)を経絡治療で見極め、そこへ治療を届けます。
東洋医学が目指す体質改善の具体的な目標
- 巡り(気・血・水)を整え、粘膜の過敏を落ち着かせる: 全身の水分代謝(水滞)と血流の滞りを解消し、鼻粘膜のむくみや過敏な反応を根本から落ち着かせます。
- 肺・脾・腎を支えて体の防衛力を底上げ: 肺(粘膜バリア)、脾(水分代謝)、腎(生命力・体力)といった五臓の働きを底上げし、免疫の土台を強化します。
- 「揺らぎに強い体質」の構築: 体質が安定することで、季節の変わり目や気温差、花粉といった外部の刺激に過敏に揺れにくい強固な体質へと導きます。
鍼灸(経絡治療)の具体と期待:粘膜バリアの強化と過敏反応の鎮静
治療のアプローチ:体質を整え、粘膜抵抗力を育てる
- 肺経・大腸経を中心に調整: 肺(粘膜・バリア)と大腸(排泄・免疫)という表裏一体の関係にある経絡を中心に、鼻・目といった粘膜の過敏な反応性を調整し、粘膜のうるおいと抵抗力を育てます。
- 冷え/のぼせの是正(頭寒足熱へ): 脾(水分代謝)と腎(生命力・冷え)を支えることで、冷えと上半身ののぼせ(体内の熱の偏り)を是正。これにより、自律神経の過敏性を落ち着かせ、過剰なアレルギー反応をしずめることを目指します。
- 巡り(気・血・水)の底上げ: 全身の巡りを整え、鼻の粘膜や目の毛細血管周囲の炎症物質をスムーズに排泄する力を高めます。
- 過敏な「火災報知器(アレルギー反応)」の感度を下げ、火災(炎症)が起こりにくい環境を体質から構築します。
施術の特徴と期待される変化
- 極細ディスポーザブル鍼と温和な灸: 極細ディスポ鍼と、熱すぎず心地よい温和なお灸を使用し、体力の消耗を防ぎます。穏やかな刺激で治療を継続できる設計です。
- 個別最適化された刺激量: 患者様の体力・年齢、そして花粉症の症状の軽重に合わせて、接触鍼や温灸など、刺激量を微調整します。
- 鼻炎症状の頻度と強さの低下: 治療を続けることで、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみの頻度と強さが低下し、薬の使用量の軽減や睡眠の質の向上も期待できます。
食養生(食事):花粉症を悪化させる「痰湿」と「冷え」を断つ
花粉症の症状を内側から和らげるには、粘膜の過敏性を高める「炎症」と鼻水を増やす「水分の滞り(痰湿)」を生む食品を避けることが重要です。東洋医学の観点から、胃腸(脾)に優しい食事を心がけましょう。
避けたいものの例:炎症と粘液(痰湿)を生む食品
以下の食品は、体内で炎症を増幅させたり、余分な粘液(痰湿)を産生させたりするため、特に症状の強い時期は控えましょう。
- 白砂糖・甘味の摂りすぎ: 炎症や粘液過多を生む大きな要因です。市販のジュースや菓子、パンなど、隠れた砂糖にも注意が必要です。
- 小麦由来のグルテン、乳製品: これらは体質によって消化器官(脾)に大きな負担をかけ、「湿(水分の滞り)」や「痰湿」を生み、鼻水・鼻づまりを悪化させやすいです。
- 冷たい飲食の習慣: 冷たい飲み物や生もの(サラダ、刺身)は、内臓(脾)を冷やし、水分代謝を低下させます。その結果、余分な水(鼻水)が溜まりやすくなります。
例えるなら、鼻水という「水」の元である「痰湿」を、食べ物で増やさないことが大切です。
おすすめの方向性:内臓を守る「温活」食
- 伝統的な和食が基本: 白米(玄米)、味噌汁、焼き魚、おひたし、納豆、海藻など、温かく、消化に良い伝統的な和食が、胃腸の働きを守り、体質改善を後押しします。
- 甘味の工夫: 甘味を避けられない場合は、精製度の低いてんさい糖・きび糖、またはメープルシロップなどに置き換えましょう。
- 温かい飲食で内臓を守る「温活」: 飲み物や汁物は必ず温かいものを摂り、冷えを原因とする体調の揺らぎを防ぎましょう。
- 腸内環境の意識: 海藻や発酵食品(味噌、納豆)を適度に摂り、腸のバリア機能と肺のバリア機能の連携をサポートします。
鼻炎・花粉症の体質改善専門施術の料金と粘膜バリアを強化する通院ペース
当院の鼻炎(アレルギー性/慢性)に対する経絡治療は、肺の機能を強化し、粘膜の過敏な反応と冷えのぼせを解消することに焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、薬の減量と再発予防という長期的な視点での費用対効果を重視しています。
初回カウンセリング+施術
詳細な問診と東洋医学的診断に基づき、鼻炎の根本原因(肺虚・冷え・水滞など)を特定し、治療計画を立案します。
2回目以降(通常施術)
肺・大腸の経絡を中心に調整し、鼻粘膜の過敏性を鎮静。冷えと水分の滞りを改善します。
効果を最大化する通院ペースの目安(粘膜バリア強化の戦略)
- 導入期(症状が強く、不安定な時期): 週に1~2回の集中治療が必要です。炎症の鎮静と冷えのぼせの是正に焦点を当てます。
- 安定化期(症状の頻度が減り、落ち着いた時期): 週に1回のペースで、肺機能(粘膜バリア)を根本から立て直し、季節の変わり目に揺らがない体質を構築します。
- 維持期・予防期(症状のない季節): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と体質維持を目的としたメンテナンスを行います。
鼻炎の体質改善はダムの防水工事に似ています。初期に集中して壁(粘膜)を強化し、排水システム(水分代謝)を整えることで、大雨(花粉)が来ても水が漏れにくくなります。まずは集中的に通院し、早期に症状の軽減を目指しましょう。
院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、病院で原因不明・治療が難しい慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
