不妊症の根本的な体質改善
不妊の背景にある「冷え」「瘀血(おけつ)」、そして「腎・肝・脾」の機能低下に挑む。
月経のリズム、冷え、血の巡りを整え、着床環境を最適化する。
東洋医学の鍼灸で、生命力の満ちた「妊娠しやすい身体」を土台から育てます。

本ページの内容(目次)
「妊娠しやすい身体」の土台づくりに焦点を当て、腎・肝・脾を整える東洋医学の診断と治療のすべてを解説します。

東洋医学における不妊の基礎:「妊娠しやすい身体」の土台づくり
東洋医学は、不妊の原因を「病気」と捉えるのではなく、「五臓六腑の連携と気血(エネルギーと栄養)の巡り」という体質的なバランスが乱れている状態と捉えます。
歴史と基本理念:妊娠は自然な働き
- 古来より不孕・絶子として記載され、婦人科領域の重要なテーマでした。
- 『黄帝内経』:「月事以時下、故有子」(月経が整えば、おのずと子どもを授かる)という考えが基本です。子宮という「畑」が肥え、血(栄養)が豊かであれば、自然に命が宿るという理念です。
- 妊娠は、薬や技術に頼る前に、まず健康な体の自然な働き(正気)が整っている結果と捉えます。
体質改善の要点:五臓の役割
- 月経の状態の調整が要:周期、量、痛み、基礎体温など、月経のリズムは体質を映す鏡です。このリズムの正常化が、体質改善の第一歩です。
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腎・肝・脾の働きを整える:
- 腎(じん):生殖・ホルモン・着床の土台(精)
- 肝(かん):血の貯蔵と自律神経・ストレス(気の巡り)
- 脾(ひ):気血(体力・栄養)の生成
- 根本からのアプローチ:薬に頼らず、妊娠しやすい、生命力の満ちた身体づくりへ導くことが鍼灸の役割です。

当院の不妊専門鍼灸:「腎・肝・脾」を整える3つの柱
東洋医学による不妊治療は、子宮という「畑」を豊かにする体質改善が目的です。特に妊娠の土台となる「腎・肝・脾」の機能を強化し、気血水の巡りを最適化します。
① 冷え症の徹底改善(温経散寒)
冷えは瘀血を生み、着床を妨げる最大の敵です。
- 下腹部・腰・臀部・足の深部冷え(寒邪)を温かいお灸などで解消します。
- 気血の滞りを整え、基礎体温の質(低温期と高温期のメリハリ)を「腎」の力で底上げします。
② 内臓の血流改善(活血化瘀)
子宮・卵巣の血流が悪いと、質の良い卵子が育ちません。
- 子宮・卵巣の血液循環(活血)を高め、厚く柔らかな子宮内膜(着床環境)を整備します。
- 鍼灸で自律神経(肝)と内臓機能のバランスを最適化し、血の貯蔵と配分をスムーズにします。
③ 全身の「生命力」の底上げ(補腎固本)
妊娠・出産に耐えうる総合的な体力を築きます。
- 全身の不調も同時にケア:頭痛・肩こり・不眠・冷えなど、妊娠を妨げる「病気の種」を全て摘み取ります。
- 生命力(腎気)を高め、授かる土台づくりをします。これは、「腎の精」という根本的なエネルギーを満たすことです。

不妊体質のタイプ(証)と症状:あなたの「妊娠しづらい体質」を知る
不妊の原因は一つではありません。東洋医学では、五臓(腎・肝・脾)や気血水の偏りを細かく分類し、一人ひとりの「証(あかし)」に合わせて根本から体質を整えます。
腎虚(じんきょ):生殖力の源不足
腎(生殖・ホルモン)が司る生命力(腎気)や潤い(腎陰)が不足している状態です。
- 特徴:生命力の源が不足し、生殖力や着床の土台が低下しています。
- 症状:重い腰痛、足の冷え、低体温、むくみ、髪の細さ、耳鳴りなど。
肝虚・肝鬱(かんきょ/かんうつ):ストレスと巡りの乱れ
肝(自律神経・血の貯蔵)の働きが乱れ、気や血の巡りが滞る状態です。
- 特徴:ストレスにより自律神経が緊張し、血の疎泄(巡らせる働き)が低下します。
- 症状:強い生理痛、PMS、偏頭痛、情緒不安定、睡眠障害、眼精疲労など。
脾虚(ひきょ):栄養生成能力の低下
脾胃(消化吸収)の機能が弱く、妊娠に必要な「血」が十分に作れない状態です。
- 特徴:飲食物から十分な血と気(エネルギー)が作れない「エネルギー工場」の機能不全。
- 症状:慢性的なだるさ、胃弱、下痢傾向、足のむくみ、冷えなど。
血虚(けっきょ):子宮の畑が枯れている
血(けつ:栄養)が不足し、子宮・卵巣の栄養が不足している状態です。
- 特徴:「子宮という畑」に水(血)が足りず、内膜が薄くなりやすいなど、栄養不足に。
- 症状:生理不順、立ちくらみ、めまい、のぼせ、貧血、腰の冷え。
気虚(ききょ):受胎力が弱い
気(き:生命エネルギー)が不足し、体を温めたり、維持したりする力が弱い状態です。
- 特徴:エネルギー不足で受胎力(免疫力・活動力)が低下。
- 症状:低体温、寒がり、疲れやすい、息切れ、風邪をひきやすい。
瘀血・痰湿・寒邪:着床を阻む病邪
「病的な物質」が体内に停滞し、妊娠を物理的に阻んでいる状態です。
- 特徴:瘀血(古血)、痰湿(余分な水分・肥満傾向)、寒邪(深部冷え)で骨盤内の血流が悪く、着床環境が不利になります。
- 症状:強い冷え、肥満傾向、月経異常、排卵・着床障害など。

鍼灸の効果と適応:妊娠しやすい「子宮の畑」を作る
鍼灸は、「薬に頼らず妊娠する力(妊孕力)」を内側から引き出すことに特化しています。子宮・卵巣といった局所だけでなく、五臓六腑の連携を整え、着床環境を最適化することを目指します。
鍼灸が有効な理由:妊娠の土台づくり
- 妊孕力(妊娠する力)を内側から整える:腎(ホルモン)、肝(自律神経)、脾(栄養)の働きを底上げし、子宮という「畑」に十分な血と温かさを供給します。
- ホルモン・血流を最適化:経絡から臓腑へ働きかけ、自律神経・ホルモンのバランスを調整し、骨盤内や子宮・卵巣の血流を最適化します。
- 基礎体温リズムの安定:リラックス効果でストレスを軽減し、冷えを改善。低温期と高温期のメリハリをつけ、基礎体温のリズムを安定させます。
- 肝の機能を助け、巡り改善:ストレスで滞りがちな肝の機能を助け、血流をスムーズにすることで、妊娠を阻む瘀血(おけつ)や冷えを改善します。
こういう方に適応します(不妊体質例)
西洋医学の治療と並行して、以下のような体質を持つ方に鍼灸は有効です。
- 原因不明の不妊/流産を繰り返す:西洋医学的な異常が見つからない機能的な弱り(腎虚、血虚など)に根本からアプローチします。
- 着床しにくい:人工授精・体外受精(ART)を行う際に、子宮内膜の環境(血流・厚さ)の改善を鍼灸でサポートします。
- 体温の乱れ:低温期が36.0℃未満、高温期が36.5℃未満など、冷え(腎陽虚)や黄体機能の弱さが疑われる場合。
- 全身の不調:頭痛・肩こり・腰痛・不眠・喘息体質など併発症状が多い場合、全身の気の巡りの乱れが不妊の背景にあるため、鍼灸でまとめて改善が期待できます。

食事・生活習慣とセルフケア:「妊娠の土台」を日常から育む
鍼灸治療に加え、日々の食事と生活習慣は「腎・肝・脾」の五臓を強化し、子宮という「畑」を温め、血の栄養を満たすために不可欠です。
食養生の考え方:「血」を養い、「湿熱」を避ける
妊娠に必要な「血」と「精(生命力)」を効率よく生み出す食事が重要です。
- 控えるべきもの:白砂糖、南国果物、加工食品、人工甘味料、清涼飲料は、脾胃を冷やし、「湿(余分な水分)」や「熱」を生み出し、瘀血(おけつ)を助長するため控えます。
- 勧めるもの:生命力の高い食(旬の食材、玄米、小魚、種子、海藻、番茶など)を重視します。これらは腎の精を補い、脾胃の働きを助けます。
栄養価だけでなく、食材の「温性・寒性」や“生命力”を意識します。
毎日のセルフケア:冷えとストレスの徹底排除
冷え(寒邪)とストレス(肝の滞り)は、着床を妨げる最大の敵です。
- 入浴で深部を保温:シャワーで済ませず、湯船で体の深部まで保温し、子宮周囲の血流(瘀血)を改善します。
- 就寝(肝の休息):0時までに入眠し、肝が働く1〜3時に熟睡できるリズムを作り、血の貯蔵とストレス解消を最大限に促します。
- 冷え対策:腹部、腰、足元を常に保温し、寒邪の侵入を防ぎます。
- 電磁波対策:枕元にスマートフォンを置かないなど、睡眠中の自律神経への刺激を減らしましょう。
- ストレス軽減:呼吸法、ストレッチ、ヨガで肝の気の滞りを解消し、リラックス(副交感神経優位)を促します。
体質改善には3〜6ヶ月ほどを目安に、焦らずコツコツ継続することが大切です。

料金について
初回:5,500円(税込)
2回目以降:5,000円(税込)


院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛、顔面神経麻痺、潰瘍性大腸炎、線維筋痛症、耳管開放症など、病院で原因不明・治療法がない慢性疾患を中心に経絡治療を行っています。
