線維筋痛症によるお身体の痛みと、
東洋医学による神経の調律
全身に広がる強い痛みは、本来お身体を守るはずの神経のセンサーが、休まることなく反応し続けている状態と言えるかもしれません。
東洋医学では、滞っている「巡り」を穏やかに整えることで、過敏になった感覚を和らげるお手伝いをいたします。
「張り詰めた弦を少しずつ緩める」ように、お身体の緊張を解き、日々の負担が軽くなる時間を目指していきましょう。

線維筋痛症と東洋医学:
お身体の痛みを知り、巡りを整えるための目次
原因がはっきりと見えにくい全身の痛みを、東洋医学では「巡りの滞り」という視点から見つめ直していきます。お身体の負担を和らげ、健やかさを取り戻すための一助として、以下の内容をご一読ください。

線維筋痛症(FM)の概要と症状:
お身体の巡りと痛みの閾値に関する東洋医学的視点
線維筋痛症は、全身の広範囲に原因のはっきりしない強い痛みが持続する状態を指します。
東洋医学では、これを「巡り(気・血・水)」の滞りと捉え、本来通じるべき流れが遮られることでお身体に負担が生じていると考えます。
これは、「冷えや緊張によって巡りの管が狭まり、栄養を運ぶ流れが滞ってしまった」ような状態と言えるかもしれません。
概要:慢性的な疲弊と滞り
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広範囲にわたる痛みの出現:
痛みの部位が移り変わることは、お身体の巡りの滞りが一定ではないことを示しています。 -
女性に多く見られる傾向:
東洋医学的に、血(けつ)の巡りや、心身の緊張を司る働きが繊細な方に、こうしたお身体の変化が出やすい場合があります。 -
環境の変化による影響:
気圧や気温の変化といった外部からの刺激に対し、お身体を守る働きが敏感に反応しやすいため、調子が揺らぎやすいのが特徴です。
主な不調の変化
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持続する痛みとこわばり:
お身体が常に痛みに応じようとすることで、体力を消耗し、非常に疲れやすい状態にあります。 -
感覚の過敏化:
神経の働きが極度に高まっており、通常なら気にならない程度の刺激も「痛み」として受け取ってしまうほど、お身体の閾値が敏感になっています。 -
休息と心のバランス:
持続する不快感によって深い休息が妨げられ、それがさらに巡りを滞らせるという、お身体のバランスの乱れが生じやすくなります。 -
変化を見守る目安:
こうした状態が数ヶ月続く場合は、お身体の土台から整えていくことが大切と考えられます。
併せて現れやすいお悩み
全身の巡りが関係しているため、痛み以外にもお身体の各所にサインが出ることがあります。
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「血(けつ)」の滞りのサイン:
冷えや重だるさ、肩周りの強ばり、女性特有の月経時の悩みなどを併せて感じられる場合があります。 -
お身体の働きの連携不足:
お腹の調子や、鼻・喉のデリケートさ、自律神経の乱れなど、全身の連携が調和を欠いている状態が不調として現れることがあります。

線維筋痛症(FM)に対する西洋医学的アプローチと、その特性について
線維筋痛症は、現在の医療において痛みの解明が非常に待たれている状態の一つです。
西洋医学では、痛みのメカニズムを主に神経系や脳の働きから探求しています。
現在の医学的見解
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検査数値と体感の乖離:
血液検査や画像診断では組織の損傷が見つかりにくいため、「機能的な不調」として分類されることが一般的です。 -
情報の伝達に関する視点:
痛みの信号を脳に伝える経路が、通常よりも敏感に反応しやすくなっている(感作)という考え方が主流となっています。 -
役割としての対症療法:
現在の主なアプローチは、生活の質を維持するために、出ている痛みを一時的に緩和することに主眼が置かれています。
治療の特性と向き合い方
西洋医学の治療は、痛みの伝達を和らげる薬剤の処方が中心となります。
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薬剤の活用:
痛みの緩和を目的としたものから、睡眠の質を整えるもの、心の緊張を和らげるものなど、多方面からの薬剤による調整が検討されます。 -
反応の個人差:
一般的な鎮痛薬では変化が感じられにくい場合もあり、お身体に合う方法を見つけるために慎重な試行錯誤が必要とされることがあります。 -
全体的な調整の必要性:
薬剤は特定の症状を抑えることには長けていますが、お身体全体の巡りや、痛みが起きやすくなっている「お身体の土台」を整えることには、別の視点が必要になる場合があります。

東洋医学による線維筋痛症の捉え方:
全身の「巡りの滞り」とお身体の緊張状態
東洋医学では、全身に広がる痛みを、お身体のエネルギーや栄養の通り道である「経絡(けいらく)」の巡りが滞っているサインとして受け止めます。
環境の変化や心身の負担によってこの巡りが遮られると、お身体は繊細な反応を示すようになると考えられます。
痛みの指標:「不通即痛(ふつうそくつう)」
東洋医学には、巡りと痛みの関係を示す言葉があります。
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滞りが負担を生む:
気(エネルギー)や血(栄養)の巡りが途絶えたり、滞ったりする場所に、お身体は「痛み」という反応を現すことがあります。 -
お身体の切実な訴え:
全身を巡るような痛みは、「各所への栄養供給が十分ではなく、巡りの調整が追いついていない」というお身体からのメッセージとして捉えることができます。
背景にあるお身体の状態:調節機能と巡りの質
巡りが滞る背景には、お身体の調節を司る働きや、蓄えられている栄養の質が関わっている場合があります。
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調節を司る働きの低下:
東洋医学において巡りをスムーズに保つ役割を担う機能が、蓄積した疲労などによって十分に働けなくなると、全身に「渋滞」のような状態が起きやすくなります。 -
栄養の滞り(瘀血:おけつ):
流れの悪くなった栄養が一部に留まることで、さらに全体の巡りを妨げてしまうことがあります。線維筋痛症においては、こうした「滞り」と「栄養不足」が重なっている状態が見受けられます。 -
過緊張の連鎖:
心身の緊張状態が長く続くことで、お身体の管が狭まったような状態になり、それがさらなる巡りの妨げや敏感な反応へと繋がっていく場合があります。

線維筋痛症に対する鍼灸(経絡治療):
お身体の巡りを整え、過敏さを和らげるためのアプローチ
鍼灸による施術は、巡りが滞ることで生じているお身体の負担(不通則痛)を穏やかに整えていくことを目的としています。
全身のバランスを丁寧に見つめ直すことで、痛みの感覚を過剰に受け取りやすくなっている状態が、少しずつ落ち着いていく場合があります。
全身を整える「本治法(ほんじほう)」
(土台から過敏さを和らげる)
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巡りのリズムを整える:
気(エネルギー)や血(栄養)の滞りを穏やかに促し、お身体の各所に必要な栄養が届きやすい状態を目指します。 -
調節機能を司る働きの調和:
お身体の調節を担う機能や、休息を司る働きを整えることで、痛みの連鎖が起きにくい土台づくりを検討します。 -
個別の状態に合わせたツボの選択:
血流を促すツボや、自律神経の安定に関わるツボなど、その時々のお身体の反応に合わせて繊細に選択いたします。
お身体に負担の少ない施術の考え方
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刺激の質への配慮:
線維筋痛症の方は感覚が非常に繊細になっていることが多いため、お身体が緊張しない程度の、優しく穏やかな刺激を心がけています。 -
自然な調整力の維持:
お身体が本来持っている「自ら整おうとする力」を妨げないよう、過度な刺激を避け、無理のない範囲で進めていきます。 -
西洋医学との歩み寄り:
病院での治療や薬剤の服用を継続しながら、お身体の土台を鍼灸で支えていく併用も、負担を軽くするための一つの選択肢となり得ます。 -
多角的な不調への対応:
冷えや睡眠の質の変化、お腹の調子といった、痛みの背景にあるお悩みも併せて整えていくことで、全体的なお身体の負担が和らぐ場合があります。

線維筋痛症への施術料金とお身体を整えるための通院の目安について
当院の施術は、自由診療として承っております。お身体全体のバランスを丁寧に見つめ直し、痛みに過敏に反応しやすくなっている体質の土台を整えていくことを目指します。
一度の施術ですべてが変化するわけではありませんが、継続することでお身体の巡りが調和し、負担が和らいでいく過程を見守っていきます。
現在のお悩みを詳しく伺い、東洋医学的な視点からお身体の巡りの状態を確認します。その方の体質に合わせた、無理のない施術計画を検討するための大切な第一歩です。
初回の計画に基づき、お身体の状態に合わせた調整を重ねていきます。その日の巡りの具合や痛みの波に寄り添いながら、安定した状態へと導くためのお手伝いをいたします。
お身体の調和を促すための通院の目安
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導入期(お身体の波が大きく不安定な時期):
巡りの滞りが強く出ている間は、週に1〜2回ほどの頻度で調整を重ねることで、お身体の緊張が緩むきっかけを掴みやすくなる場合があります。 -
安定化期(少しずつ落ち着きが見え始めた時期):
週に1回程度のペースで、お身体の土台を整える働きを支えていきます。痛みの閾値が急激に変化しないよう、安定した状態を定着させることを目指します。 -
維持期(穏やかな状態を保ちたい時期):
日常生活への影響が和らいできた後は、お身体のメンテナンスとして2〜4週間に1回程度の調整を行い、巡りが滞りにくい状態を保てるよう努めます。
線維筋痛症に向き合うことは、少しずつ複雑に絡まってしまった糸を、優しく指先で解きほぐしていくような過程に似ているかもしれません。
お身体の声を聴きながら、焦らず、しかし着実な一歩を共に進めていければと考えております。

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院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛、顔面神経麻痺、潰瘍性大腸炎、線維筋痛症、耳管開放症など、病院で原因不明・治療法がない慢性疾患を中心に経絡治療を行っています。
