【札幌】線維筋痛症の鍼灸治療|東洋医学専門 東洋中村はり灸院

検査で異常なし/それでも全身が痛い方へ

原因不明の線維筋痛症を東洋医学で紐解く|
全身の激痛に立ち向かう「不通即痛」の理論

全身を襲う激しい痛みやこわばり、強い倦怠感。 線維筋痛症は日常生活を困難にするほど深刻な症状を引き起こす一方で、 西洋医学の検査(画像・数値)では「はっきりした異常が見つかりにくい」ことが少なくありません。

東洋医学では、このタイプの痛みを「原因不明」で片づけません。 体の中で巡り(気・血・水)が通らない状態が起きているサインとして捉え、 その“詰まり方”を体質から分解していきます。 キーワードは、痛みの大原則「不通即痛(ふつうそくつう)」です。

  • 西洋医学の限界:検査で原因が特定しにくい/対症の負のループ
  • 東洋医学の結論:通らないところがあるから痛む(不通即痛)
  • :巡りを司る「肝」と、瘀血(おけつ)体質の見立て

1. 西洋医学における線維筋痛症の限界

西洋医学は、画像や検査値で確認できる「形の異常」を捉えることが得意です。 しかし線維筋痛症では、CT・MRIなど精密検査を重ねても 痛みの原因が特定されないケースが多く、「異常なし」と言われやすい特徴があります。

対症療法の負のループ

  • 抗うつ薬・抗てんかん薬・睡眠薬などで「痛みの信号」を抑える
  • その場は楽でも、根本原因(体の条件)が残ると戻りやすい
  • 痛み→不眠→倦怠感→さらに痛み…と循環しやすい

身体が分断されやすい

  • 痛み=整形外科/不眠=心療内科など、科で分かれる
  • 全身症状を「一つの流れ」で捉えにくい
  • “個体としての偏り”より、部分最適になりやすい
重要ポイント:線維筋痛症は「痛い場所が多い」だけでなく、 体の中で何かが噛み合っていない“全身の問題”として出やすい。 東洋医学は、この「全体の噛み合わなさ」を主戦場にします。

2. 東洋医学が考える痛みの正体「不通即痛」

東洋医学には、痛みの発生を説明する大原則があります。 不通即痛(ふつうそくつう)—「通らなければ痛む」という考え方です。

健康:気(エネルギー)・血(血液)・水(体液)が滞りなく巡る。
痛み:巡りが阻害される(不通)→体が警告として痛みを出す(即痛)。

線維筋痛症の激痛は、単に「痛みの信号が過敏」になっているだけではなく、 東洋医学では深部での循環不全(巡りの破綻)が起きているサインと捉えます。 だからこそ「どこが、何が、どう通っていないのか」を体質から特定し、通る状態に戻す必要があります。

気が滞ると起きやすい

  • 張るような痛み・移動する痛み
  • ストレスで悪化
  • 胸や喉が詰まる感じ

血が滞ると起きやすい

  • 刺すような痛み・固定した痛み
  • 冷えやすい/末端が冷たい
  • 瘀血(おけつ)体質の傾向

水が滞ると起きやすい

  • 重だるい痛み・むくみ
  • 天気で悪化
  • めまい・頭重

3. 鍵を握るのは「肝(かん)」の機能低下

五臓六腑の考え方では、気血の巡りを司る中心が肝(かん)です。 肝の働きが落ちると、全身に“流れのムラ”が生まれ、痛みが出やすくなります。

肝の「疎泄(そせつ)作用」

  • 気血を全身にくまなく行き渡らせる
  • 緊張をほどき、伸びやかさを保つ
  • ストレス耐性・自律神経の調整と関わる

ストレスが続くとどうなるか

  • 肝の働きが低下し、巡りが滞る
  • 筋肉がこわばり、痛みが増幅しやすい
  • 睡眠の質が落ち、回復が追いつかなくなる
瘀血(おけつ)体質
線維筋痛症の方は、血の巡りが滞った「瘀血」の傾向を伴うことが多いと東洋医学では捉えます。 つまり痛み=結果であり、背景には「肝の疎泄の乱れ」+「瘀血」+「気血水の不通」がある。 背景が整うほど、痛みの波は小さくなる方向を狙いやすくなります。

4. 東洋医学的な鍼灸アプローチ:「森を見て木を治す」

線維筋痛症は、痛みだけでなく全身の不調を伴いやすい疾患です。 東洋医学では、これらを別々の病気として切り分けず、 「一つの体質的な問題」としてまとめて見立て、整えていきます。

併発しやすい症状(例)

  • 頭痛・めまい
  • 不眠・眠りが浅い
  • 便秘・胃腸の乱れ
  • 冷え性

東洋医学の整理

  • 痛み=不通(巡りの詰まり)のサイン
  • 肝の疎泄低下+瘀血が背景になりやすい
  • 回復が勝つ条件を揃える

鍼灸で狙うこと

  • 気血水の巡りを通す
  • こわばりをほどく
  • 睡眠と回復を立て直す
  • 痛みの波を小さくする
伝統的な「四診法」×「経絡治療」
四診法(望・聞・問・切)で体の微細な偏りを拾い、 経絡(ツボ)を使って五臓のバランスを整えます。

例として、瘀血に関わるツボとして三陰交陽陵泉などが知られますが、 実際は「その人の不通の型」に合わせて取穴(ツボ選び)を組み立てます。

5. 根本的な体質改善を目指して:出口のない痛みから抜ける道筋

線維筋痛症は「一生治らない」と言われることもありますが、 東洋医学では、痛みを“結果”として捉え、原因側(不通の条件)を整えることで 体が回復に向かいやすい状態を作っていきます。

人工的な薬で症状を抑え込むことが必要な局面もあります。 ただ、根本的には自分自身の回復力が働ける条件を揃えない限り、 痛みの波は小さくなりにくい—これが東洋医学の現実的な見方です。 鍼灸は、体に負担をかけにくい保存療法として、心身を労りながら体質そのものを変えることを目指します。

結論①:痛みは「不通(巡りの詰まり)」の警告として整理できる
結論②:肝の疎泄低下+瘀血など、背景を整えるほど波が小さくなりやすい
結論③:経絡治療と四診で全身を整え、回復が勝つ条件を作る
※強い症状や急な悪化がある場合は医療機関の受診を優先してください。本記事は一般的な東洋医学の考え方を解説したもので、診断に代わるものではありません。

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院長プロフィール

院長 中村麻人
院長・鍼灸師

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛、顔面神経麻痺、潰瘍性大腸炎、線維筋痛症、耳管開放症など、病院で原因不明・治療法がない慢性疾患を中心に経絡治療を行っています。