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日々の養生に、お身体を整えるという選択を。

II型糖尿病における東洋医学の役割:
代謝機能の安定と全身の調整

東洋医学では、血糖値の変化を単なる数値としてだけではなく、食べたものをエネルギーに変える「消化・代謝」を司る機能のバランスが崩れた状態と捉えます。
お身体の巡りを整えることは、「川の流れを清らかに保つ管理」のように、全身の組織への負担を和らげる働きかけとなります。病院での治療を大切に続けながら、本来備わっているお身体の調整力を支え、健やかな日々を積み重ねていきましょう。

糖尿病の概要とお身体への影響:
血糖値の状態を正しく理解するために

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が続くことにより、全身の血管や神経に少しずつ負担がかかっていく状態を指します。

お身体の中の状態を例えるなら、「川の流れが緩やかになり、沈殿物が川底や岸に溜まりやすくなっている」ような、全身の巡りのバランスが崩れている状態と言えるかもしれません。

現在、日本においては成人の約10人に1人がこの状態にあるとされており、予備軍を含めるとさらに多くの方がお身体の調整機能に課題を感じていらっしゃいます。

特にII型糖尿病は、食生活や運動習慣、日々のストレスなどが重なり、お身体の代謝の仕組みが追いつかなくなることで現れます。これは、現代の生活環境の中で、どなたのお身体にも起こり得る自然な反応の結果とも考えられています。

糖尿病の原因とメカニズム:
インスリンの働きと生活習慣による影響

II型糖尿病の多くは、「インスリンが働きにくい状態」と「それに応えようとする膵臓の疲弊」という二つの側面が関わっています。これは、お身体が日々繰り返される要求に対して、徐々に調整が追いつかなくなっている状態と言えるかもしれません。

インスリンの働きの変化

インスリンは、血液中の糖分を細胞へ届ける役割を担っています。しかし、様々な要因によってその効率が低下することがあります。

  • 仕組みの捉え方:
    糖を細胞に取り込む際、インスリンは「鍵」のような役割をしますが、「鍵穴が少し回りにくくなっている」ことで、エネルギーをうまく受け取れなくなる場合があります。
  • 現れる状況:
    細胞が糖を受け取りにくくなると、血液の中に糖が残りやすくなり、血糖値の変動として現れるようになります。

膵臓の負担と影響

インスリンの効率が下がると、お身体はそれを補おうとして、膵臓からより多くのインスリンを出そうと努めます。

  • 生活の中の要因:
    食習慣や日々の緊張、睡眠の質などが重なることで、膵臓への要求が絶えず高い状態が続き、お身体の地力が少しずつ削られていくことがあります。
  • 長期的な変化:
    高い要求に応え続けるうちに、インスリンを出す働きそのものが緩やかになり、病状の進行に関わることがあります。西洋医学での管理と併せ、この負担をいかに和らげるかが大切です。

糖尿病のサインと合併症の理解:
お身体の状態を見守るための指標

糖尿病は、初期の段階でははっきりとした自覚症状が現れにくいという特徴があります。しかし、お身体の中では少しずつ変化が積み重なっている場合があります。こうした変化に目を向け、今の状態を把握することは、将来的な負担を和らげるための大切な一歩となります。

お身体が発するサイン

血糖値が維持しにくい状態になると、お身体は本来のバランスを取り戻そうとして、いくつかのサインを出すことがあります。

  • 喉の渇きと回数の増加:
    血液中の糖のバランスを調整するために、お身体がより多くの水分を必要とし、結果としてお手洗いの回数や量が増えることがあります。
  • 重だるさや疲れやすさ:
    食事から摂った栄養が、お身体の隅々までエネルギーとしてうまく行き渡らなくなることで、休息をとっても抜けないような疲れを感じる場合があります。
  • 意図しない体重の変化:
    エネルギーをうまく利用できなくなると、お身体は自身の蓄えを削って補おうとするため、食事量は変わらなくても体重が変動することがあります。

留意すべき合併症

長期間、高い血糖状態が続くことは、特に全身の細い血管が集まる場所に負担をかける要因となります。

  1. 目への影響:
    網膜の細かな血管が影響を受けることで、視界の鮮明さや視力に変化が現れる場合があります。定期的な確認が望まれます。
  2. 腎臓への影響:
    お身体の不要なものを濾過する機能に負担がかかり、将来的にその働きを維持することが難しくなる可能性があります。
  3. 手足の感覚への影響:
    末梢の神経に栄養が届きにくくなることで、しびれや痛み、あるいは感覚の鈍さを感じることがあります。

これらの変化は、お身体の大きな血管にも同様に負担をかけ、全身の健やかさに影響を及ぼすことがあります。

糖尿病の西洋医学的治療と、
継続的な管理における大切な視点

西洋医学における治療の柱は、血糖値を適切な範囲に保つことで、お身体の細かな血管や神経への負担を最小限に抑えることにあります。食事や運動といった生活の土台を整えつつ、必要に応じてお薬による調整が行われます。

主な調整のアプローチ

  • 生活習慣の調整(土台作り):
    栄養のバランスや適度な運動を取り入れることは、お身体のインスリンに対する反応を整えるための最も基本的な歩みとなります。
  • お薬による補助:
    お身体の状態に合わせて、血糖値を安定させるための様々なお薬が検討されます。
    • 働きを助ける: 膵臓に働きかけ、インスリンの分泌を促す場合があります。
    • 感度を整える: 細胞がインスリンをエネルギーとして受け取りやすくする調整を行います。
    • 吸収や排出を整える: 糖が血液に入る速さを緩やかにしたり、尿からの排出を助けたりします。

継続的な管理における留意点

お薬による治療は血糖値を速やかに調整する力がありますが、お身体が本来持っている調整機能そのものの負担を、完全に代行するものではありません。

  • 数値と状態のバランス:
    お薬は血糖値という「温度計の目盛り」を調整する働きに長けていますが、その背景にある「疲れやすさ」や「冷え」といった体質的な偏りについては、別の視点からのケアが役立つ場合があります。
  • お身体の反応への配慮:
    お薬の種類によっては、血糖値が下がりすぎることによる違和感や、消化器への一時的な負担が現れることもあります。これらは主治医の先生と相談しながら進めていく大切なポイントです。
  • 膵臓の地力を支える:
    インスリンを出す働きを促すお薬は、時に膵臓へ継続的な努力を求めることにも繋がります。数値の管理と並行して、お身体の地力をいかに労わっていくかが、長期的な安定の鍵となります。
病院での適切な管理を続けながら、
お身体が持つ本来の巡りを整える視点を取り入れることで、
より無理のない日常に繋がる場合があります。

東洋医学の視点:
消渇(しょうかつ)とお身体の調和

東洋医学では、糖尿病に関わる諸症状を「消渇(しょうかつ)」という概念で捉えます。これは単に数値の問題としてではなく、お身体の「潤い」と「巡り」のバランスが変化している状態と解釈します。

伝統的な捉え方

「消渇」という言葉は、お身体の中の潤いが不足し、渇きが生じる状態を表現しています。これは、日々の積み重ねによって内側に熱がこもりやすくなり、必要な水分や栄養が消耗されている状態を指します。

  • 状態の捉え方:
    お身体の状態を例えるなら、「大地が乾燥し、植物が水分を吸い上げにくくなっている」ような、滋養が行き渡りにくい状態に近いかもしれません。
  • 調和の焦点:
    外からの補いだけでなく、お身体自体が持つ「潤いを保つ力」を支えることで、自然と負担が軽くなる場合があると考えます。

関わりの深い三つの働き

東洋医学では、以下の三つの機能(五臓)のバランスを整えることが、お身体の安定に繋がると考えています。

  • 「腎(じん)」の蓄え:
    生命力の源であり、水分の調節を司ります。ここを労わることで、お身体の地力の消耗が緩やかになることがあります。
  • 「脾(ひ)」の巡り:
    消化吸収を担い、食べたものをエネルギーに変える働きです。ここが整うことで、栄養が効率よく全身へ運ばれやすくなります。
  • 「肝(かん)」の調整:
    気の流れや血流をスムーズに保つ役割です。ストレスなどでここが滞ると、お身体の巡りが乱れ、血糖の状態に影響を及ぼすことがあります。

糖尿病に関する東洋医学的施術の費用と、
継続的な通院の考え方

当院では、お身体が本来持っている調整の力を補うことを目的としています。施術は自由診療(保険外)となりますが、今の状態を丁寧に紐解き、日々の負担が少しでも軽くなるようお手伝いさせていただきます。

初回カウンセリングと施術
5,500円
(税込)

今のお身体の状況を詳しくお聞きし、東洋医学的な観察(脈や舌の状態など)を通じて、これからの調整方針を一緒に考えていきます。

2回目以降の施術
5,000円
(税込)

その時々のお身体の揺らぎに合わせ、巡りを整える施術を行います。合わせて、ご自宅で無理なく続けられる養生の工夫などもお伝えいたします。

通院頻度に関する一つの目安

  • お身体の転換期:
    変化の兆しを安定させるため、週に1〜2回程度を目安に、集中的にお身体の土台を支える時期が必要になる場合があります。
  • 安定に向けた調整期:
    お身体の反応が落ち着いてきたら、週に1回程度の頻度で、本来の働きが持続するようゆっくりと整えていきます。
  • 健やかさを保つ維持期:
    状態が安定してきた後は、2〜3週間に1回、あるいは月に1回程度のペースで、お身体のメンテナンスを行うことが望ましいと考えられます。

お身体の調整は、「重い荷物を背負って歩く方を、少しの間お側で支える」ことに似ているかもしれません。最初のうちはしっかりとした支えが必要ですが、ご自身の地力が少しずつ戻るにつれて、少ない手助けでも歩めるようになっていく場合があります。

焦らず、今の歩幅に合わせたペースでお身体と向き合っていきましょう。

鍼灸によるお身体の調律:
内臓機能の働きを整え、
健やかな巡りを目指す視点

鍼灸は、お身体の表面にあるツボを刺激することで、内側の巡りや内臓の働きを間接的に整えることを目的とした施術です。

これは、「流れが悪くなった川の詰まりを丁寧に取り除き、再び水が自然に流れるように整える」ような、お身体の環境を整えるための穏やかなアプローチです。

施術のねらい

  • 五臓の働きの補助:
    特に糖尿病と関わりの深い、食べたものを力に変える働きや、代謝を司る働きに焦点を当てます。これらのバランスを整えることで、お身体の負担が軽くなる場合があります。
  • 巡りの滞りを和らげる:
    お身体の中に溜まりやすい余分な熱や、滞りがちな巡りを促すことで、インスリンに対するお身体の反応が変化しやすくなるよう支えます。
  • 末端の健やかさを支える:
    手足の先などの細かな巡りを促すことは、将来的なお身体の違和感や負担を和らげるための一助となると考えられます。

大切にしていること

  • 刺激の加減:
    お身体への負担を考え、非常に細い鍼や、心地よい温かさが感じられるようなお灸を用います。その日の体調に合わせた、無理のない施術を心がけています。
  • 対話による調整:
    ツボの反応を確かめながら、全身のバランスを診ていきます。局所的なケアだけでなく、心身がリラックスできる状態を目指すことも、巡りを整える上で大切にしています。
  • 日常への繋げ方:
    施術での変化を維持しやすくするため、無理のない範囲での食生活や、お身体を労わるための小さな知恵を共有させていただきます。
【通院に関するお願い】 お身体の状態によっては、病院での治療(インスリンやお薬)と併行して進めることがとても重要です。ご自身の判断で治療内容を変更せず、主治医の先生との連携を大切にしながら、ゆっくりと歩みを進めていきましょう。

日々の養生とお身体の調和:
糖尿病と向き合うための食生活とセルフケア

東洋医学において、日々の生活を整える「養生」は施術と同じくらい大切なものです。特に毎日の食事は、消化に関わる「脾(ひ)」や、生命力を支える「腎(じん)」を労わり、お身体の土台を整える一助となります。

東洋医学的な食養生の視点

食養生の要は、内臓に過度な負担をかけず、お身体が必要とする滋養を穏やかに取り入れることにあります。

  • お食事の基本:
    温かく調理されたものを、よく噛んで腹八分目にいただくことを心がけます。これにより、消化を助ける内臓の働きが維持されやすくなります。
  • 穏やかに控えたいもの:
    お身体を急激に刺激する甘いものや、巡りを滞らせやすい油分の多い食事などは、回数や量を少しずつ調節していくことが望ましいと考えられます。
  • 慈しみたい食材:
    玄米や豆類、季節の野菜など、自然な生命力を持つ食材を意識します。特に、お身体を支える力を助ける「黒い食材(黒豆や胡麻など)」や、消化を助ける「黄色い食材(かぼちゃなど)」を取り入れるのが東洋医学の知恵です。
  • お身体という畑:
    毎日の食事は、「お身体という畑の土を、時間をかけて耕し、肥やしていく」ような、根気強くも確かな積み重ねと言えるかもしれません。

日常の中でできる調整

施術で整え始めた巡りを維持し、お身体への負担を少なく保つために、無理のない範囲で以下のことを意識してみてください。

  • 温める習慣:
    湯船に浸かりお身体の芯を温めることは、巡りを助けるだけでなく、心の緊張を和らげることにも繋がります。特に足元の温めは、末端の健やかさを支えます。
  • 休息の質:
    できるだけ日が変わる前に休むことで、夜の間にお身体の機能が整いやすくなります。質の良い睡眠は、明日のための地力となります。
  • 静かなセルフケア:
    ご自宅で、以下のツボに温かな刺激を加えることで、内臓の働きを穏やかに助けることができます。
    • 孔最(こうさい): 巡りの滞りを和らげる助けとなります。
    • 地機(ちき): 消化に関わる働きの負担を軽くすることがあります。
日々の小さな養生を積み重ねることで、お身体が外部からの変化に対しても、以前より穏やかに応じられるようになる場合があります。焦らず、ご自身を慈しむ時間を持ってみてください。

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院長プロフィール

院長 中村麻人
院長・鍼灸師

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり・腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、病院では原因不明とされる慢性疾患や、治療法が確立されていない症状を中心にはり治療を行っています。