お口の違和感(口臭)と向き合う 内側の「熱」を調えるという視点
もし歯科医院の検査でお口に理由が見つからないのであれば、原因はより内側の「消化を司る部分」にあるかもしれません。
お身体の中に余分な熱がこもると、その影響が上へと昇り、お口の感覚に変化が生じることがあります。
東洋医学では、巡りを調えてこもった熱を和らげることで、お身体のバランスを整えるお手伝いをいたします。

目次
お口の中や消化に関わる不調に対し、東洋医学の視点から巡りを調え、健やかなお身体の状態を目指していくための道筋をお伝えします。

お口の違和感と東洋医学の捉え方:
お身体の内側を映し出す鏡として
お口の中の感覚は、お身体の健康状態や心の緊張と深く関わっています。
目に見える部分のケアはもちろん大切ですが、なかなか変化が感じられない場合は、お身体の奥にある「根っこ」の部分が影響している可能性があると考えられます。
お身体に現れやすい要因
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お口の環境:
汚れの付着や、水分(唾液)が少なくなることによる乾燥。これにより、お口が本来持っている清浄にする力が一時的に弱まることがあります。 -
消化のはたらき:
食べ物の消化がスムーズに行われず、内側に停滞してしまうこと。逆流しやすくなっている状態なども、お口の感覚に関係します。 -
心の緊張とゆらぎ:
緊張やストレスが続くことでお口が乾きやすくなったり、疲れが溜まることでお身体の巡りが不安定になったりすることがあります。
東洋医学的な視点
東洋医学では、お口を「内臓の状態を映し出す窓」のように捉え、巡りの滞りや、余分な熱の蓄積が原因であると考えます。
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内側にこもる「熱」:
食事の乱れや疲れにより、お身体の深部に余分な熱が溜まる状態です。この熱が上へと昇ることで、お口に影響が出ることがあります。 -
巡りの「滞り」:
緊張などでお身体の流れがスムーズでなくなると、本来排出されるべきものが留まりやすくなり、不快な感覚につながる場合があります。 -
蓄えの「淀み」:
お身体を支えるエネルギーや物質がうまく入れ替わらず、古くなってしまう状態です。これにより、お身体全体の清浄さが損なわれやすくなります。

日々の負担を和らげるためのお手入れ:
心地よく過ごすための工夫
お口の状態を清潔に保つことは、今感じている不快な感覚を一時的に和らげる助けとなります。鍼灸でお身体の内側を調えていく間も、こうした丁寧なケアを継続することで、負担が軽くなる場合があります。
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舌の表面を優しく拭う:
舌の表面に付着した白い汚れ(舌苔)を、専用のブラシなどで優しくお手入れします。力を入れすぎると舌を傷め、かえってお口の状態が不安定になることもあるため、なでる程度に留めることが大切です。 -
丁寧な歯磨きと隙間の掃除:
歯と歯の間の汚れは、においのもとになるだけでなく、お身体の健やかさにも関わります。フロスなどを用いて隙間を掃除することで、お口の中の清浄な感覚が保たれやすくなります。 -
お口の中を潤す:
お口の中が乾くと、本来の清浄にする力が十分に発揮されないことがあります。お口を潤すことは、滞りやすい流れに穏やかな水を流すようなもので、不快な感覚の蓄積を抑えることにつながります。

お身体の土台を整える:
消化に関わる機能と巡りの関係
お口の違和感の背景には、消化を司る部分のはたらきが鈍っていることや、内側に余分なものが蓄積している状態が隠れていることがあります。
日々の生活で胃腸を労わり、巡りを助けることで、お口の環境にも変化が出ることがあります。
温熱による巡りのサポート
ご自宅での「お灸」などは、冷えや疲れを感じている胃腸を穏やかに温め、はたらきを整える助けとなります。
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足三里(あしさんり):
膝の下にある、消化器のはたらきを補うとされる場所です。ここを温めることで、全身の巡りを促すことが期待できます。 -
中脘(ちゅうかん):
お腹の中心付近にある、胃の近くの場所です。内側から温めることで、消化の負担を和らげる手助けとなります。 -
心得:
心地よいと感じる程度の温かさが目安です。無理をせず、リラックスできる時間に行うことが大切です。
弱った火を穏やかに熾(おこ)し直すように、温熱を通じてお身体の自ら整う力を支えるイメージでお取り組みください。
食習慣の見直し:
内側に負担を溜めない工夫
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刺激の強いものを控える:
強い辛味やアルコールなどは、内側に余分な熱を溜め込むきっかけになることがあります。感覚が気になるときは、少しお休みしてみるのも一つの方法です。 -
脂質の摂り方を考える:
油分の多い食事は消化に時間がかかり、内側に滞りが生じやすくなります。日々の献立を穏やかなものに寄せることで、内側の清浄さが保たれやすくなります。 -
丁寧な食事のとり方:
よく噛むことや、寝る前の食事を控えることは、胃腸に休息の時間を与えます。これが結果として、お口の健やかさにつながる場合があります。

東洋医学の鍼灸:
全身の巡りを調え、内側にこもった熱を和らげる
お身体全体を観察し、背景を汲み取る
お口の違和感を一つのサインとして捉え、消化に関わる機能(胃腸)の状態や、全身の巡りの偏りを丁寧に見極めていきます。
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全体像の把握:
脈やお腹の弾力、お身体の各所に現れる反応を伺いながら、今のバランスを確認します。他に抱えておられる小さなお悩みも含め、お身体全体の調和を目指します。 -
背景への働きかけ:
お口の感覚に影響を与えている「火の元」のような熱や、滞っている流れを穏やかに調整します。 -
視点:
滞った水路を清掃し、自然な流れを取り戻すことで、全体の清浄さを保つような、本来お身体が持っている整える力を支えるアプローチです。
刺激の質と期待される変化
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穏やかな刺激:
非常に細い鍼や柔らかな温感のお灸を用います。リラックスした状態で施術を受けていただくことで、自律神経の安定を助け、潤い(唾液)が保たれやすい環境へと導きます。 -
体質的な変化のきざし:
全身の巡りが調うにつれ、内側に熱がこもりにくくなり、お口の中がすっきりと感じられる時間が増えていく場合があります。 -
安定した状態の維持:
汚れが付きやすかったり乾燥しやすかったりといった傾向に対し、内側から継続的に働きかけることで、不快な感覚が再燃しにくい状態を共に探っていきます。
変化の現れ方には、お一人おひとりの体質や生活環境による違いがあります。無理のない範囲で、対話を大切にしながら進めてまいります。

日々の整え方と食養生:
内側の環境を穏やかに保つために
健やかなお身体を支える4つの習慣
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休息の質と呼吸に目を向ける:
唾液は、お口の環境を守る大切な役割を担っています。十分な睡眠や、深く穏やかな呼吸を心がけることで、自律神経のバランスが調い、お口の渇きが和らぐことがあります。 -
冷えを防ぎ、巡りを助ける:
お腹や足元を冷やさないように工夫し、湯船にゆっくり浸かることは、全身の流れを促す助けとなります。巡りが滞ると、内側に余分なものが留まりやすくなるため、意識的に調えることが大切です。 -
胃腸を労わる過ごし方:
食べた後すぐに横になるのを控え、消化の時間を確保することで、胃の負担を軽減します。胃が無理を重ねると、内側に余分な熱がこもるきっかけになる場合があります。 -
食事の内容と間隔を整える:
甘いものや油分の多い食事、頻繁な間食は、消化を司る部分に熱や淀みを溜めやすくします。胃腸がしっかりと休まる時間を作ることで、内側から清浄さが保たれやすくなります。

施術の費用と、お身体を調えるための期間について
お口の不快感に対し、東洋医学の視点からお身体のバランスを整えてまいります。当院の施術は自由診療(保険外)となります。長期的な視点でお身体の巡りを助け、負担を和らげることを目的としています。
今のお悩みや生活習慣について詳しく伺い、お身体の反応を確認しながら、これからの調整の道筋を立ててまいります。
日々の変化に合わせ、滞りやすい流れや内側にこもった熱を穏やかに調整し、お身体が本来持っている潤う力を支えます。
通院頻度の目安について
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調整のはじめ(不快な感覚が強いとき):
まずは週に1〜2回程度、集中的にお身体の巡りを促すことで、内側の熱が和らぎやすくなります。 -
安定への過程(少しずつ変化を感じるとき):
週に1回程度のペースを維持しながら、お身体の土台を整え、不快な感覚が戻りにくい状態を目指します。 -
維持と見守り(健やかさが保たれているとき):
お身体の状態が安定してきたら、2〜4週間に1回程度、その時々の季節や体調に合わせたメンテナンスとしての調整をお勧めすることがあります。
お身体の調整は、ゆっくりと土壌を耕すようなものです。はじめは少し頻度を高くすることで、内側の環境が整いやすくなり、結果として日々の負担が軽くなる場合があります。
ご自身の無理のない範囲で、お身体の声を聴きながら進めてまいりましょう。

ご予約・ご相談
院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。
においの悩みの背景にある「気滞・お血・胃熱」を見極め、体質からやさしく整えます。
