四十肩・五十肩が治らないのはなぜ?
原因と東洋医学による根本改善法を解説
「腕が上がらなくて服を着るのがつらい」 「夜になると肩がズキズキ痛んで眠れない」 「病院では湿布と痛み止めだけで、なかなか変わらない」。 四十肩・五十肩は、日常生活の何気ない動作を大きく制限するつらい症状です。
西洋医学では、肩関節周囲炎として局所の炎症を中心に考えることが多いですが、 東洋医学では肩だけを悪者にはしません。 肩に痛みや動かしにくさが出る背景には、 気・血・水の巡りの滞りや、 肺をはじめとした全身の機能低下が関わっていると考えます。
そのため、痛みだけを一時的に抑えるのではなく、 身体全体の流れと体質を整えて、 肩が動きやすい状態を取り戻していくことが根本改善につながります。

1. 四十肩・五十肩とは?その正体と主な症状
四十肩・五十肩は、正式には肩関節周囲炎と呼ばれ、 肩関節の周囲に炎症や強い緊張が起こることで、 痛みと可動域制限が出る状態を指します。
可動域の制限
腕が上がらない、バンザイができない、 後ろに手が回らないなど、肩の動きが大きく制限されます。
夜間痛
安静にしていても肩がうずいたり、 寝返りのたびに痛みで目が覚めたりすることがあります。
日常生活への支障
着替え、洗髪、料理、洗濯物を干す、パソコン作業など、 何気ない動作がつらくなりやすい症状です。
症状は急性期・慢性期・回復期と変化していきますが、 放置すると肩の動きが戻りにくくなることもあります。

2. 西洋医学で「原因不明」とされやすい理由
整形外科でレントゲンやMRIを撮っても、 骨に大きな異常が見つからない場合、 「年齢のせい」「加齢性ですね」と説明されることが少なくありません。
病院で行われやすい処置
消炎鎮痛剤、湿布、ブロック注射、筋弛緩剤などで 痛みを一時的に和らげる対症療法が中心になります。
もちろん急性の強い痛みを抑える意義はありますが、 痛みの根本原因まで整えているわけではないため、 長引いてしまうケースも少なくありません。
つまり、肩に症状があっても、 本当に見なければならないのは肩の中だけではない可能性がある、ということです。

3. 東洋医学が考える四十肩・五十肩の真の原因
東洋医学では、四十肩・五十肩を 「肩だけの炎症」ではなく、 全身の気・血・水の巡りの乱れとして捉えます。
「通りが悪いと痛みが出る」という意味です。
気・血・水の流れが肩周辺で滞ることで、 激痛や動かしにくさ、夜間痛が起こると考えます。
東洋医学的には、肩に症状が出る方には 肺の機能低下が見られることが多いとされます。 肺の働きが弱ると全身の巡りが悪くなり、 肩まわりの炎症やこわばりが起こりやすくなるのです。

4. 鍼灸施術による根本改善のアプローチ
東洋医学に基づく鍼灸では、 肩だけを見て終わるのではなく、 全身の巡りを整えながら自己治癒力を引き出すことを重視します。
経絡治療で巡りを整える
気・血・水の通り道である経絡とツボに刺激を入れ、 肩まわりの滞りをゆるめていきます。
肺機能へのアプローチ
大椎や孔最など、肺の働きに関わるツボを用いながら、 全身の巡りを整えて肩の改善を後押しします。
肝の疎泄作用を調整する
血液を全身に行き渡らせる肝の働きを整え、 肩周辺の滞りやしこり感をやわらげていきます。
痛みの少ない施術
やさしい鍼と心地よいお灸を用いるため、 強い刺激が苦手な方でも受けやすい施術です。

5. 「森を見て木を治す」包括的ケア
東洋医学の大きな特徴は、 肩の痛みだけでなく、同時に抱えている他の不調もまとめて見ていくことです。 体はすべてつながっているため、 肩がよくなる過程で他の不調も一緒に軽くなることが少なくありません。
末端の冷えが強い方は、巡りの悪さが肩痛にも影響していることがあります。
肺の弱りが背景にある場合、肩痛と一緒に呼吸器系の不調も見られやすくなります。
便秘、下痢、胸やけ、不眠なども、全身のバランスを整える中で改善が期待できます。

6. 改善はどれくらいで実感できるのか
四十肩・五十肩は、適切な見立てと施術ができると、 思っている以上にスムーズに改善へ向かうことがあります。
施術の目安
多くの方は、3〜5回程度の施術で 「夜の痛みが少し楽になった」 「腕が前より上がるようになってきた」 といった変化を実感し始めます。
早い段階での対応が大切
痛みを我慢し続けるほど、肩の動きは固まりやすくなります。 長引かせないためには、無理に使い続ける前に、 全身から整える施術を始めることが大切です。

7. まとめ。諦める前に東洋医学の選択肢を
四十肩・五十肩は、ただ年齢のせいにして終わらせてよい症状ではありません。 適切に体を整えていけば、 驚くほどスムーズに痛みや可動域が改善していくことがあります。
薬に頼りすぎたくない方、 長引く肩の痛みでやりたいことを諦めている方にこそ、 東洋医学の鍼灸は大きな助けになります。 肩だけでなく体全体を整え、 本来の自由な動きと日常を取り戻していきましょう。

費用と通院の考え方:
お身体の状態に合わせた計画的な歩み
肩の不自由さに向き合う際、当院ではお身体全体の巡りを調えることで、不快感が長引かないような環境作りを大切にしています。
今のお身体の状態を詳しく伺い、巡りの滞りや土台の揺らぎを確認した上で、今後の進め方を一緒に考えてまいります。
前回の後の変化に合わせ、お身体の巡りを繰り返し調えていきます。負担が少しずつ軽くなるよう、丁寧に進めてまいります。
通院の目安
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負担が重い時期:
お身体の緊張が強く、夜間の休息が取りにくい時期は、週に2回ほどの間隔で巡りを集中的に整えることが、負担を和らげる一助となる場合があります。 -
強張りが続く時期:
動きの不自由さが主な時期は、週に1回ほどのペースでお身体の柔軟性を支え、無理のない範囲で日常の動作がしやすくなるよう促します。 -
落ち着きが見え始めた時期:
状態が安定してきたら、2〜3週間に1回ほどの間隔で、お身体全体のバランスを保つための調整を行っていきます。
例えるなら、「一度止まってしまった水車の動きを、ゆっくりと、しかし着実に回し始めていく」ような過程が必要です。
無理のない範囲で継続することが、お身体の変化を定着させることにつながります。ご自身の生活環境に合わせた計画を検討していきましょう。

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院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因不明・治療法が限られる慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
