うつ病でお悩みの方へ|札幌で東洋医学専門の鍼灸院をお探しなら東洋中村はり灸院

うつ病の概要:気分と身体のエネルギーが低下する慢性の不調

うつ病(大うつ病性障害)は、単に気分が落ち込むだけでなく、理由が見当たらない強い倦怠感や興味の減退、意欲の低下が長期間(通常2週間以上)続く状態を指します。

東洋医学は、うつ病を脳だけの問題として捉えるのではなく、心身一元論に基づき、全身のめぐり(気・血・水)の滞りや体力の消耗(虚)が心(精神)に現れた体質の現れとして捉えます。

診断の難しさ:
うつ病は人によって併発する不調(不眠、胃腸の不調、頭痛、冷えなど)が異なるため、画一的ではなく、個別の体質(証)に基づいた設計が必要です。 例えるなら、心身の「エネルギー供給ライン」が遮断され、全身の「活動電源」が落ちている状態です。

うつ病の症状(精神・身体):エネルギーの枯渇と全身の機能低下

中核となる精神面(心のバッテリー切れ)

うつ病の中核症状は、喜びや興味を失い、気分が沈み込むことです。これは、心のエネルギー(東洋医学の「心神」)が枯渇している状態です。

  • 抑うつ気分: 気分の落ち込み、憂うつが続く。
  • 意欲・興味の減退: 興味や喜びの低下(アパシー)、意欲低下、集中力の低下。
  • その他のサイン: 自己評価の低下、不安感、涙もろさ。
  • 例え: 心の「バッテリー残量」がゼロになり、あらゆる活動に対してパワーが供給されない状態です。

身体面(付随症状)への波及と東洋医学の視点

東洋医学では、精神症状と身体症状は密接に連動すると捉えます。うつ病では、全身の気・血が滞るか消耗するため、以下のような身体の不調が多岐にわたって現れます。

  • 消化器系: 便秘や食欲不振(胃腸の働き(脾)の低下)。
  • 循環・神経系: 頭痛・肩こり(気の滞り)、冷え、動悸(自律神経の乱れ)。
  • 皮膚・粘膜系: 睡眠の乱れ、鼻炎・喘息、乾燥肌、眼精疲労。

【治療の個性】
AさんとBさんで組み合わせが全く違う——この症状の組み合わせの個性こそが、東洋医学でいう「証(体質)」を特定する手がかりです。東洋医学では、その個別の体質に合わせて治療を設計します。

東洋と西洋の視点:うつ病治療における「部分」と「全身のエネルギー」の対比

うつ病の治療において、西洋医学と東洋医学は異なる視点からアプローチすることで、お互いの弱点を補い合うことができます。

西洋の設計(要約):症状ごとの対処

西洋医学は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)の異常に着目し、薬物でそのバランスを整え、症状の軽減を目指します。

  • アプローチ: 抗うつ薬や抗不安薬などによる薬物療法、精神療法。
  • 課題: 頭痛、不眠、消化器など、症状ごとに担当が分かれて見立てる「縦割り」になりやすく、全身の機能低下という根本原因が見えにくい側面があります。
  • 例え: 「切れた警報(症状)を薬で抑えつける」ことで、当面の安定を図ります。

東洋の設計(要点):全身のエネルギー回復

東洋医学は、うつ症状(心)と全身の疲労(体)を心身一元で捉え、全身の機能を根本から立て直します。

  • 治療の原則: 「森を見て木を治す」——全身の巡り(気・血・水)と五臓の働きを整える。
  • 目標: 気の滞り(ストレス)、血の不足(栄養不足)、体力の消耗(虚)をほどき、回復力を底上げ。
  • 横断的ケア: うつ症状と併発する消化不良、慢性疲労、冷え、生理不順などの全身サインを横断的にケアすることで、心の状態も自然に安定します。

五臓と季節性の関係:季節の変動と「肺」の働きによる心身の揺らぎ

東洋医学では、季節と臓腑の働きは響き合う(五行論)と考えます。この季節の変動に対応できない体質が、うつ症状や全身の不調となって現れます。

特に秋冬にかけて気分が沈みやすい方(季節性うつの傾向)は、「肺(はい)」の働きが弱っている(肺虚)ことが背景にあるケースが多いです。

  • 肺と感情: 東洋医学において肺は、憂い(うれい)や悲しみといった感情と深く関わります。肺の気が不足すると、気分が落ち込みやすくなります。
  • 肺の機能: 肺は皮膚・粘膜のバリア機能、大腸(便通)と連動し、体内の水分の巡りにも関わります。

【治療の相乗効果】
鍼灸で肺の働きをふわっと底上げし、気の巡りをスムーズにすることで、うつ症状だけでなく、便秘、鼻炎、乾燥、冷え、頭痛など、肺が司る全身の症状もセットで軽くなる相乗効果が期待できます。 これは、「一つの大きな水門(肺)」を開けることで、「家全体の水路(全身の巡り)」がきれいになるイメージです。

鍼灸治療の土台:四診と経絡治療による心身のエネルギー回復

うつ病の鍼灸治療は、気分だけでなく、身体のエネルギー(気・血)の消耗という根本原因に焦点を当てます。この治療の設計図となるのが、東洋医学独自の診断法である「四診法(ししんほう)」です。

四診(ししん)で「心のバッテリー残量」を見立てる

五臓のどこに偏りがあるか(肝気鬱結、心血不足、脾虚など)を、以下の四つの方法で総合的に見極めます。

  • 望診: 顔色、特に舌(色、形、苔)を観察し、血の不足や熱の停滞を判断します。
  • 聞診: 声の力、息遣い、体のにおいなどの情報から、体力の消耗度を把握します。
  • 問診: 生活、体質、併発症状(不眠、消化、生理など)を詳細に聞き取り、病の背景にある心身の物語を整理します。
  • 切診: 脈や腹の反応を診て、全身の気・血の滞りの有無を決定します。

この総合評価が、「心のバッテリーが、なぜ、どれくらい消耗しているか」を教えてくれます。

経絡治療のねらい:滞りをほどき、回復力を底上げ

  • 気・血・水の滞りをほどく: 肝(自律神経)の気の滞りや、血(栄養)の巡りの悪さをほどき、心の張りつめと身体の重さを内側から解消します。
  • 呼吸・消化・睡眠の土台を回復: 肺(呼吸)、脾(消化)、心(睡眠)といった五臓の土台を回復させ、エネルギーの生成と利用効率を高めます。
  • 穏やかな刺激設計: 細い鍼とやさしい灸を使用し、体力の消耗を避け、リラックス(副交感神経優位)を促します。
  • 期待: 意欲低下やだるさといった身体症状の軽減を通じて、心のエネルギー(心神)の回復をサポートします。
  • 薬物療法と併用が可能です。鍼灸は薬の効果を邪魔せず、全身の回復力を高めることに専念します。

生活・セルフケア:心身のエネルギーを回復に集中させる養生法

うつ病の回復には、鍼灸治療でエネルギー(気血)を補いながら、日々の生活でエネルギーの消耗と滞りを避けることが不可欠です。

回復力を底上げする5つの習慣

  • 規則正しい睡眠リズムの確立: 同じ時刻に寝起きすることで体内時計を安定させ、自律神経が休息モードにスムーズに切り替わる土台を作ります。
  • 脳の興奮を鎮める環境づくり: 夜は照明を落とし、入眠前のスマホ・PCは控えめにします。ブルーライトや強い刺激は、心(精神)の熱を上げ、入眠を妨げます。
  • 呼吸と入浴で自律神経を調える: 長めの呼気(息を長く吐く)や、ぬるめの湯(38〜40℃)での入浴は、副交感神経を優位にし、心身の張りつめをほどきます。
  • 食を整え、消化器(脾)を休ませる: 食べ過ぎを避け、消化にやさしい献立(温かいもの、味の薄いもの)にすることで、消化に回るエネルギーを節約し、回復に集中させます。
  • 軽い運動と巡りのリズムづくり: 散歩やストレッチなど、無理のない範囲での軽い運動は、気・血の巡りを促し、心身のリズムづくりに貢献します。

【回復の鍵】 うつ病の治療は、小さな積み重ねが大切です。無理のない「できる一つ」から始め、その成功体験を記録していくことが、体質の土台と心のエネルギーを回復させていきます。

東洋医学の目的は、「バッテリー切れ(消耗)」を解消し、「過活動(熱・滞り)」を鎮静させることで、自力で安定した状態へと戻すことです。

うつ病の心身改善専門施術の料金と心身のエネルギーを回復させる通院ペース

当院のうつ病に対する経絡治療は、心身のエネルギー(気・血)の消耗と気の滞りを根本から回復させることに焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、身体症状(倦怠感など)の軽減と回復力の底上げという長期的な視点での費用対効果を重視しています。

初回カウンセリング+施術

5,500円
(税込)

詳細な問診と四診法に基づき、心身の消耗度と体質の偏り(心血不足、気滞など)を特定し、治療計画を立案します。

2回目以降(通常施術)

5,000円
(税込)

脾(気血生成)と肝(気の巡り)を中心に調整し、全身のエネルギーと自律神経の安定を図ります。

効果を最大化する通院ペースの目安(エネルギー回復の戦略)

  • 導入期(意欲低下・倦怠感が強い時期): 週に1~2回の集中治療が必要です。気の滞りをほどき、エネルギー供給を優先することに焦点を当てます。
  • 安定化期(倦怠感が軽減し、意欲が回復してきた時期): 週に1回のペースで、脾・腎の機能を根本から立て直し、心のエネルギー(心神)の回復を促します。
  • 維持期(安定した状態が続く時期): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と体力の維持を目的としたメンテナンスを行います。

うつ病の治療は心の畑を耕すことに似ています。初期に集中して土壌(脾腎)に栄養を与え、水(血)を巡らせることで、心という「作物」が再び育つ土台を築きます。まずは集中的に通院し、心身のエネルギー回復を目指しましょう。

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因不明・治療法が限られる慢性疾患を中心にはり治療を行っています。