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慢性扁桃炎の概要と症状:繰り返すのどの痛みと全身の疲労

慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん)は、のどの奥にある扁桃腺(リンパ組織)に炎症が残ったり、細菌が潜伏したりすることで、のどの痛み・微熱・だるさなどの症状を繰り返し起こす状態を指します。

季節の変わり目や、過労・ストレスで免疫力が低下した時にぶり返すのが特徴です。放っておくと日常の質(QOL)が落ちやすく、常に「軽い火種」を抱えている状態です。 例えるなら、体の「免疫の砦(とりで)」である扁桃腺が、常に「軽い内戦状態」にあり、抵抗力が落ちるとすぐに全面戦争(発熱・痛み)になってしまうようなものです。

慢性扁桃炎の主なサイン

  • のどの不快感・痛み: のどの違和感や、飲み込むときの痛みが長引く、またはぶり返す。
  • 全身症状(不定愁訴): 微熱(37℃台)、全身の倦怠感、集中しづらさ、関節の痛み。
  • 再燃しやすい状況: 風邪のあとに再燃しやすい、疲労や寝不足で症状がすぐに出る、季節の変わり目に必ず悪化するなど、体力の変動に敏感です。

東洋医学的な視点と注意点

「繰り返す」「長引く」背景には、東洋医学でいう「虚(きょ:体力の消耗)」や「熱(炎症)の停滞」といった体質の弱さや巡りの乱れが潜みがちです。東洋医学はここに働きかけます。

【重要な注意点】 高熱(38℃以上)、扁桃腺の強い腫れ、呼吸が苦しいなど、急な悪化サインがある場合は、急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍など重症化の可能性があるため、速やかに耳鼻咽喉科での評価をご検討ください。

東洋医学の考え方:慢性扁桃炎の「火種」を鎮め、免疫の土台を再建する

東洋医学では、扁桃炎が「なぜ慢性化し、ぶり返すのか」という体質の深部に焦点を当てます。扁桃腺の炎症を局所の問題としてだけでなく、全身の免疫・体力・熱の偏りの結果として捉えます。

【火と煙のメタファー】
のどの痛み・微熱・だるさといった症状は「煙」です。そして、その煙を上げ続ける「火の元(根本原因)」は、体力の消耗(虚)、内臓の弱さ(肺・脾・腎の虚)、そして熱が体内に停滞した状態(鬱熱)にあると見極めます。鍼灸でこの「火の元」を鎮めます。

東洋医学が目指す体質改善の具体的な目標

  • 免疫の砦(肺・腎)を強化する: 肺(呼吸器・粘膜)、脾(消化・栄養)、腎(体力・生体防御力)という体の防衛システムを司る五臓の働きを底上げし、扁桃腺の抵抗力を向上させます。
  • 長引く炎症(鬱熱)の排泄を促す: 体内に停滞した余分な熱や炎症物質の巡りを改善し、のどの違和感や微熱の原因となる「火種」を体外にスムーズに排泄する力を助けます。
  • 体力を補い、再燃を防ぐ: 「切り取る」(扁桃腺摘出)という発想ではなく、身体そのものの治癒力と免疫力を鍼灸で高めることで、季節の変わり目や疲労時に「ぶり返しにくい体質」へと根本から導きます。

慢性扁桃炎に併発しやすい全身症状:免疫の過敏さと自律神経の乱れのサイン

睡眠・精神面(心・肝の不調)

  • 眠りが浅い/寝つきが悪い: 慢性的な炎症や微熱が自律神経を刺激し、心身が緊張した状態が続く。
  • 気分の落ち込み・意欲の低下: 慢性的な疲労(気虚)と炎症によるエネルギー消費が原因。

婦人科系(肝・腎の不調)

  • 生理痛・生理不順: ストレス(肝の乱れ)や冷え、血の滞り(瘀血)が強く影響。
  • 周期で感情が揺れやすい(PMS): ホルモンバランスの乱れと自律神経の過敏さが連動。

整形外科系・全身(腎・血の滞り)

  • 起床時の肩腰のこわばり: 冷えや血流の滞り(瘀血)が原因のことが多い。
  • 腕のしびれ・痛み、手に力が入りにくい: 神経の過敏さや、自律神経の乱れによる血流障害。
  • 同一姿勢・体勢変化での腰痛: 慢性的な炎症による全身の消耗(腎の弱り)と関連。

消化器・皮膚・呼吸(脾・肺の不調)

  • 便秘・下痢など腸の不調: 扁桃は免疫の要。免疫と密接な腸内環境の乱れと連動。
  • 乾燥肌・アトピー・できもの: 扁桃炎と同じく粘膜・皮膚(肺)のバリア機能が低下。
  • 咳が出やすい/鼻炎・蓄膿傾向: 呼吸器全体(肺)の弱さを示す。
  • 寒がり・肺が弱い自覚: 全身のエネルギー不足(気虚・陽虚)が背景にあることが多い。

身体はすべてつながっている——東洋医学は「森(全身の体質)」のバランスが崩れた結果が「木(扁桃)の炎症」であると捉えます。症状をバラバラにせず、全体を整えて「木」を静めるのが、根本改善のアプローチです。

鍼灸(経絡治療)の具体と期待:免疫の砦を再建し、炎症の悪循環を断つ

治療のアプローチ:炎症を鎮め、再発を防ぐ体質へ

  • 肺経・大腸経を中心とした調整: 扁桃はリンパ組織であり、呼吸器(肺)と消化器(大腸)の免疫と深く関わります。これら関連する経絡を中心に、咽頭〜扁桃周囲の血流とリンパの反応を穏やかに整えます。
  • 脾・腎の回復とバランス調整: 脾(うるおい・水分代謝)、腎(防衛力・生体防御力)を支え、全身の冷えや体力の消耗(虚)を改善します。これにより、粘膜の抵抗力と免疫の働きを回復させます。
  • 自律神経の整調: 頸肩の循環を促し、自律神経を整えることで、のどの違和感・つかえ感や微熱といった慢性的な不調を軽減し、睡眠の質や回復力を底上げします。
  • 「免疫の砦」の壁を補強し、「火種(炎症)」が消えやすい「水はけの良い土台」を体質から作り直します。

施術の特徴と期待される変化

  • 極細ディスポ鍼と温和なお灸: 極細ディスポ鍼と、熱すぎず心地よい温和なお灸を使用します。特に炎症部位に直接強い刺激は与えず、体力の消耗を防ぎながら治療します。
  • 「再燃のしにくさ」を目指す: 年齢・体力・体質に合わせて刺激量を微調整することで、「症状が出た時の強さ」と「症状が出る頻度」の低下を狙い、根本的な改善を目指します。
  • 全身症状の同時改善: のどの痛みとともに、倦怠感、睡眠の質の向上、生理痛など、全身の不定愁訴が自然と落ち着くことが期待できます。
【治療の鍵】 ※ 個人差はありますが、全身の体質が整うほど、症状は自然と落ち着きやすくなります。急性期の強い症状がある場合は、病院治療を優先し、鍼灸は体質改善の土台づくりとして並行して行うことが最善です。

選択肢の考え方:手術の前に「体を整える」という根本の選択

慢性扁桃炎の治療の選択肢には、抗生物質によるコントロール、そして症状が重い場合の扁桃腺の摘出手術(外科的判断)があります。しかし、東洋医学の鍼灸は、「免疫の砦」を切り取る前に、体質そのものを根本から強くすることで再発ループを断ち切ることを目指します。

例えるなら、病巣を「切り取る/抑える」という外科的・対症的な判断の前に、「なぜその病巣が炎症を繰り返すのか」という全身の構造的欠陥を、鍼灸で内側から修復するという選択肢が有効に働くケースは少なくありません。

鍼灸治療が適応となるケース

  • 年に数回、扁桃炎を繰り返す(ぶり返しの体質がある)
  • 扁桃炎に伴う全身のだるさ、微熱、倦怠感が薬で改善しにくい
  • 冷え、生理不順など、他の自律神経や免疫系の不調を併発している
【重要な連携】 お薬の調整や外科的治療の判断は、必ず耳鼻咽喉科の主治医とご相談ください。鍼灸は、医科の治療を邪魔することなく併用可です。情報共有を密に行うことで、より安全に根本改善の道筋を進めます。

慢性扁桃炎の体質改善専門施術の料金と免疫の土台を再建する通院ペース

当院の慢性扁桃炎に対する経絡治療は、炎症を繰り返す体質の根本原因(虚、熱の停滞など)を解消し、免疫の砦を再建することに焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、再発予防と全身の疲労回復という長期的な視点での費用対効果を重視しています。

初回カウンセリング+施術

5,500円
(税込)

詳細な問診と東洋医学的診断に基づき、扁桃炎を繰り返す根本原因(肺・脾・腎の虚など)を特定し、治療計画を立案します。

2回目以降(通常施術)

5,000円
(税込)

肺・脾・腎を中心に調整し、粘膜の抵抗力と全身の疲労を回復。微熱やだるさといった全身症状の軽減を図ります。

効果を最大化する通院ペースの目安(免疫と疲労回復の戦略)

  • 導入期(症状が頻繁で不安定な時期): 週に1~2回の集中治療が必要です。炎症の火種を鎮め、全身の消耗を止めることに焦点を当てます。
  • 安定化期(ぶり返しが減り、体力が回復した時期): 週に1回のペースで、免疫の土台を根本から立て直し、季節の変わり目に揺らがない体質を構築します。
  • 維持期(症状が安定した時期): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と全身の体力維持を目的としたメンテナンスを行います。

慢性扁桃炎の体質改善は免疫の砦の再建に似ています。初期に集中して基礎(体力)と壁(粘膜)を補強することで、外敵(細菌・ウイルス)の侵入を許さない強い城を築きます。まずは集中的に通院し、早期の再発予防を目指しましょう。

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因が複雑な慢性疾患を中心にはり治療を行っています。