四十肩・五十肩でお悩みの方へ|札幌で東洋医学専門の鍼灸院をお探しなら東洋中村はり灸院

四十肩・五十肩の概要と主な症状:肩の「凍りつき」と可動域の制限

四十肩・五十肩は、医学的には肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)と呼ばれ、肩関節の周囲に炎症が起こり、強い可動域制限をともなう状態です。通称ですが、年代問わず発症する可能性があります。 例えるなら、肩関節という「ドアの蝶番(ちょうつがい)」が錆びつき、炎症という「熱」を持って動きが凍りついてしまった状態です。

肩関節周囲炎の三つの主要なサイン

  • 痛み(疼痛): 肩を動かすと鋭い痛みが走る。特に*安静時や夜間の痛み(夜間痛)が強く、眠れないことで生活の質を大きく低下させます。
  • 可動域の制限(拘縮): 肩が上がらない(バンザイ動作)、後ろに回らない(服の着脱、エプロン結び)、髪を結う動作が困難になるなど、日常生活の動作(ADL)に大きな支障が出ます。
  • 日常への影響: PC操作、家事、車の運転など、腕を使う動作全般がつらくなります。

多くは片側に現れ、両側発症はまれです。痛みの時期(炎症期)、拘縮の時期(凍結期)、回復の時期(解凍期)という経過をたどり、全体で数ヶ月〜1年以上かかることがあります。

症状の経過:四十肩・五十肩の三つのフェーズと鍼灸の役割

1. 急性期(炎症期)

発症から数週間〜数ヶ月の時期。関節包内の炎症が最も強いため、痛みが激しいのが特徴です。

  • 症状: 痺れるような鋭い痛みが動作で強く響く。安静時や夜間痛が出やすく、眠れないことも。
  • 東洋医学の役割: 炎症の鎮静と痛みの緩和。局所の過剰な熱を取り、周囲の血流を改善することで、夜間痛の軽減をサポートします。

肩の「緊急炎症」

2. 慢性期(凍結期・拘縮期)

急性期の炎症が治まり、関節周囲が硬く凍りついたような状態が続く時期です。

  • 症状: 痛みは鈍痛へと変わり、可動域の制限感が際立ちます。服の着脱、髪結いなど、日常生活の動作が不自由に。
  • 東洋医学の役割: 「肝(筋・腱)」と「血」の巡りを改善し、関節周囲の柔軟性を取り戻すための土台作り。リハビリ効果を高めます。

肩の「凍りつき」

3. 回復期(解凍期)

半年〜1年以上かけて、徐々に関節が動きを取り戻し始める時期です。

  • 症状: 可動域が徐々に改善し、痛みも軽快へ向かいます。ただし、数年にわたり出たり引いたりを繰り返す例も少なくありません。
  • 東洋医学の役割: 再発予防と全身の疲労回復(腎の補強)。肩の根本的な血行を安定させ、揺らぎにくい体質へと導きます。

肩の「解凍」と土台固め

鍼灸治療は、特に夜間痛の緩和(急性期)と可動域の回復支援(慢性期)に、大きな役割を果たすことができます。

一般的な対処の限界:湿布・鎮痛薬と「根っこ」への働きかけの課題

四十肩・五十肩に対する一般的な対処法は、痛みの緩和に重点が置かれます。しかし、痛みの根本原因である関節周囲の血流不良や体質的な回復力の低下に手が届きにくいという限界があります。

西洋医学的な対症療法の役割と課題

  • 一時的な軽減に留まりがち: 湿布、内服の鎮痛薬、炎症を抑える注射(ステロイドなど)は、炎症の火を鎮めるには有効ですが、痛みの根本的な原因(血流不足、筋の硬直)を解消するものではありません。
  • 「根っこ」への働きかけが課題: 腱板損傷など、明確な病変がない場合、画像検査では異常が映らないことも多く、「なぜ回復しないのか」という体質的な根っこ(東洋医学の肝・腎の虚など)への働きかけが課題となります。
  • 炎症の悪循環: 痛むから動かさない→さらに硬くなる(拘縮)→血流が悪化する、という悪循環を、薬だけで断ち切るのは難しいです。

湿布や薬は、「騒ぐ警報を一時的にミュートする」ようなものです。警報が鳴らない安定した体質へと変える必要があります。

【避けるべき対処法】
冷湿布などで冷感を与えたり、強く揉む・叩く行為は、かえって血管を収縮させて巡りを滞らせるため、炎症や拘縮を助長し、逆効果になりやすいので注意しましょう。

東洋医学の基本概念:四十肩・五十肩の根本原因となる「不通則痛」の解消

四十肩・五十肩のような関節周囲の痛みや拘縮に対し、東洋医学は次の三つの基本概念に基づき、全身の機能を回復させます。

  • 不通則痛(ふつうそくつう): 「通りが悪いところには痛みが出る」という原則です。肩関節周囲の気・血・水の巡りが滞り、筋肉や腱に栄養が行き渡らないことが、炎症や凍りつきの原因と考えます。

    例えるなら、関節への「血液という栄養の道路」が渋滞している状態です。

  • 気・血・水のめぐり: 気(エネルギー・自律神経)、血(血液・栄養)、水(体液・潤い)の三つの要素の量と巡りを立て直します。特に血(けつ)を補い、滞り(お血)を解消することが、肩関節の回復に不可欠です。
  • 経絡と経穴(ツボ)の調律: 経絡(内臓と体表をつなぐ通路)と経穴(ツボ)を整えることで、内臓(肝・脾・腎)から筋・皮膚へとつながるエネルギーの流れを改善し、全身を調律します。

鍼灸治療は、これらの概念に基づき、痛み止めではなく「治癒力を底上げする」ことを目指します。

東洋医学から見た原因:四十肩・五十肩を引き起こす「気・血の滞り」

四十肩・五十肩は、肩関節周囲の「通り道(経絡)」が詰まり、栄養(血)が届かなくなったことで、炎症や拘縮が起こると捉えられます。その根本には、全身の気・血・水のバランスの乱れがあります。

  • 気・血の滞り(不通則痛): 冷え、過労、強いストレスなどが原因で、気(エネルギー)や血(血液)の巡りが落ちると、肩関節周囲に滞り(瘀血、気滞)が生じます。この滞りが炎症や鋭い痛み、そして可動域制限へと繋がります(不通則痛)。

    例えるなら、肩関節という「水道管」の内部が血のヘドロで詰まり、炎症という「熱」を持った状態です。

  • 肝・腎・肺の機能低下: 肝(筋・腱・血の調律)、腎(骨・回復力)、肺(呼吸・気の巡り)といった五臓の機能が、加齢や疲労で落ちると、肩関節周囲の組織の修復力が低下し、炎症が治りにくくなります。
  • しこり形成(経絡の硬直): 同一姿勢や自律神経の緊張の蓄積によって、肩甲骨周りや背中の通り道(経絡)が硬くなり、気の流れがせき止められ、痛みが慢性化します。

鍼灸治療は、この「詰まった通り道」と「内臓機能の弱り」の両方に働きかけ、肩の回復力を底上げします。

鍼灸の方針と施術:全身の経絡を調律し、肩の「凍りつき」を解く

鍼灸治療は、四十肩・五十肩の炎症と拘縮(凍りつき)を、全身の気の流れと血流を改善することで多角的にアプローチします。

治療の基本方針:根本原因「不通則痛」の解消

  • 経絡治療×本治法: 経絡治療で全身の気・血・水の通り道をひらき、自然回復力を引き出します。痛む局所への標治法(対症的なアプローチ)は必要最小限に留め、五臓の虚(根っこ)に働きかける本治法を重視します。
  • 巡りの再構築: 肩の詰まった通り道(不通則痛)を解消し、筋肉・腱・関節包に新鮮な血液(栄養)を届けます。
  • 夜間痛の緩和: 炎症による局所の熱と、自律神経の過緊張を和らげることで、夜間痛の軽減をサポートし、質の良い睡眠を確保します。
  • 例え: 肩関節という「錆びついたドア」に、「潤滑油(血)」を体の中から自動供給できるようにします。

施術の具体的な特徴とツボの活用

  • 特効一点ではなく全体設計: 肩のみを狙わず、全身の機能(肝・脾・腎)と自律神経から体質を整えることで、ぶり返しを抑える土台づくりを行います。
  • ツボの具体的な活用例: 肺の力を底上げし肩甲骨周りの巡りを促す「孔最(こうさい)」、自律神経を調える「大椎(だいつい)」、関節の調律をサポートする「陽陵泉(ようりょうせん)」などを、患者様の体質に応じて活用します。
  • 安心・安全な刺激: 細い鍼とやさしい温和なお灸で、痛みや熱感を最小限に抑え、全身の調和を整えます。
  • 期待: 夜間痛の軽減、可動域の改善(リハビリ効果の促進)、そして全身の疲労回復が期待できます。

体質から整う嬉しい相乗効果:全身の巡り回復がもたらす多角的な改善

四十肩・五十肩の治療で、肝(血・筋)、脾(栄養)、腎(回復力)といった五臓の機能が整い、気・血の巡りが立ち上がると、肩以外の体質の偏りから生じていた不快な症状も同時に軽くなることが期待できます。

肩こり治療で同時に整う全身の不調(五臓のつながり)

  • 頭部・神経系: 眠りの浅さ、眼精疲労・ドライアイ、頭痛(緊張型)など、肝の機能回復による自律神経の安定。
  • 呼吸器・皮膚系: 鼻の不調(鼻炎・花粉)、喉の違和感・咳の長引き、乾燥肌、汗のかきやすさ。肺の機能回復による粘膜・バリア機能の強化。
  • 循環・体温: 末端の冷え、血流の滞り。血の巡りが改善されることで、体温調整がスムーズになります。
  • 消化器・婦人科系: 消化の不調、女性の周期トラブル(生理痛・周期の乱れ、PMSなど)。肝と脾の調和によるホルモン・消化機能の安定。

東洋医学の治療は、肩という「部分」の故障を直すだけでなく、全身の「コンディション」を底上げすることで、日々の疲れや不調を根本から予防します。

効果の目安:夜間痛の緩和と可動域の回復を前倒しする

四十肩・五十肩の鍼灸治療は、肩関節周囲の炎症(急性期)や拘縮(慢性期)に対し、全身の巡りを底上げすることで、自然な回復期間を短縮することを目指します。

  • 早期の体感: 多くの方が3〜5回前後の施術で、痛みの頻度や強さ、または動きの軽さに何らかの変化を実感されることがあります。特に夜間痛は、比較的早い段階で軽減される例もあります。
  • 治療の設計: 単に時間経過を待つだけでなく、鍼灸で全身の巡り(気・血)と回復力(肝・腎)を立て直すことで、夜間痛・可動域の改善を前倒ししていく設計です。
  • 可動域の改善: 痛みが緩和し、関節周囲の柔軟性(肝の働き)が戻ることで、リハビリの効果も高まり、肩が上がりやすくなるなど、可動域の回復がスムーズになることが期待されます。
  • 例え: 肩関節の「凍りつき」に対し、鍼灸は「全身の温かい血液という解凍液」を送り込み、「錆びついた関節を内側からスムーズに動かす」ことを助けます。

※ 個人差はありますが、発症早期や痛みが激しい時期ほど、鍼灸の鎮痛・鎮静効果が立ち上がりやすい傾向があります。

四十肩・五十肩専門施術の料金と可動域回復を目指す通院ペース

当院の四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)に対する経絡治療は、**炎症(熱)の鎮静**と**関節周囲の巡り(血)の再構築**に焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、**夜間痛の軽減**と**可動域の早期回復**という長期的な視点での費用対効果を重視しています。

初回カウンセリング+施術

5,500円
(税込)

詳細な問診と四診法に基づき、病気の進行フェーズ(急性期、慢性期)と根本原因(肝の乱れ、血の滞りなど)を特定し、治療計画を立案します。

2回目以降(通常施術)

5,000円
(税込)

肝・脾・腎を中心に調整し、肩関節周囲の巡りを底上げ。炎症の鎮静と拘縮(凍りつき)の解除を促します。

効果を最大化する通院ペースの目安(フェーズ別戦略)

  • 急性期(痛みが強い時期): 週に2回の集中治療が必要です。夜間痛の緩和と炎症の鎮静に焦点を当てます。
  • 慢性期(拘縮・可動域制限が目立つ時期): 週に1回のペースで、肝(筋・腱)と血の巡りを根本から立て直し、関節の柔軟性回復(リハビリ効果の促進)を目指します。
  • 回復期(症状が安定した時期): 症状が安定したら、2〜3週間に1回のペースで、再発予防と全身の体力維持を目的としたメンテナンスを行います。

四十肩の治療は凍りついたヒンジ(関節)の修理に似ています。初期に集中して熱(炎症)を冷まし、その後は潤滑油(血)を供給し続けることで、スムーズな可動域を回復させます。まずはフェーズに合わせて集中的に通院しましょう。

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など、原因不明・治療法が限られる慢性疾患を中心にはり治療を行っています。