動悸・不整脈の 自律神経の過緊張と「気」の滞りを解消
心臓の「叩き手」(自律神経)の震えが原因の動悸を、内側から穏やかに鎮静。
五臓の連携と「気」の巡りを整え、胸のザワつきや不規則な鼓動を解消します。
経絡治療とやさしい養生で、自然な安定リズムを回復させましょう。

本ページの内容(目次):動悸・不整脈の自律神経の過緊張と「気」の滞りを解消する体質改善
病院で原因不明とされる動悸や不整脈に対し、自律神経の過緊張や全身の「気」の滞りを解消し、心臓のリズムを内側から回復させる東洋医学の道筋を解説します。

西洋医学と東洋医学の役割分担:命を守る「緊急対処」と体質を整える「根本修復」
動悸・不整脈治療において、安全性を確保するための西洋医学の役割と、自律神経・体質を根本から調整する東洋医学の役割を明確に分けることが、最も効果的なアプローチとなります。
西洋医学の役割:命に関わる不整脈は病院管理下に
心臓の拍動が生命維持に直結する以上、重篤な不整脈は最優先で病院の管理下に入ることが絶対条件です。
- 最優先で医科へ: 心室細動、心房細動など、命に関わる重篤な不整脈は、速やかに専門医の診断を受け、投薬、カテーテルアブレーションなどの適応を判断してもらう必要があります。
- 役割の例え: 西洋医学は、心臓という「生命維持装置の緊急修理と監視」を担当します。薬や手術により、不整脈を制御し、命の危機を防ぎます。
東洋医学の役割:原因不明・改善しない動悸に体質改善
東洋医学は、心臓そのものではなく、心臓に負担をかけている全身のバランスを整える役割を担います。
- 体質改善の適応: 検査では異常なし(本態性)、薬で症状の変化が乏しいケース、または自律神経の乱れが原因とされる動悸・動悸感に焦点を当てます。
- 役割の例え: 東洋医学は、生命維持装置(心臓)の「作動環境」を整えることを担当します。自律神経の過緊張や血流の滞りを解消し、心臓への負担を間接的に減らします。

東洋医学の根本原因:動悸・不整脈を引き起こす「気(自律神経)」の滞り
東洋医学では、動悸や不整脈の原因を心臓そのものの問題だけでなく、心臓の動きをコントロールしている自律神経の乱れ、すなわち「気」の巡りにあると考えます。
要となる体質:気滞(気の滞り)
気がスムーズに全身を巡らなくなると、動悸や不整脈の主要因となります。
- 気の巡りの停滞: ストレスや過度な緊張により、全身を動かすエネルギーである「気」の巡りが滞ります(気滞)。特に自律神経を司る「肝(かん)」の機能が乱れることで生じやすいです。
- 胸部の違和感・動悸に: 気が胸部で停滞すると、胸部の圧迫感や違和感、そして心臓の動きをコントロールできなくなり、動悸や不規則な拍動となって現れます。
心臓が「太鼓」だとしたら、自律神経は「叩き手」です。気滞は、叩き手が極度に緊張して手が震えている状態であり、リズムが乱れます。
併発しやすい動悸の体質タイプ分類
気滞が長期化したり、他の原因と合わさったりすることで、動悸・不整脈は以下のタイプに分類されます。
- 心血不足(しんけつふそく): 慢性的な出血、過労、思い過ぎ(ストレス)などによる「心(しん)」の栄養不足。血が足りないため、心臓が落ち着かず、不眠、集中力の低下、不安感を伴います。
- 陰虚火旺(いんきょかおう): 体の冷却水(陰液)が不足し、相対的に熱(火)がこもった状態。ほてり、手のひらの発汗、目の充血、睡眠障害(寝汗)と共に、動悸が起こりやすいです。
- 瘀血(おけつ): 古く汚れた血(瘀血)が血管内に滞り、血流を阻害している状態。胸痛を伴いやすく、冷えで悪化し、舌が暗紫色になる傾向があります。


鍼灸(経絡治療)の進め方:心臓に負担をかける「滞り」を解消し、リズムを取り戻す
動悸・不整脈の鍼灸治療は、西洋医学的な検査結果を尊重しつつ、東洋医学独自の診断法で体質の根本原因に深くアプローチすることで、自律神経の過緊張を緩め、心臓の安定的な拍動をサポートします。
施術の特徴:根本を正す「本治法」と安全な刺激
- *経絡治療の真髄: 全身のツボをつなぐ経絡に刺激を与え、気(自律神経)、血(血液)、水(水分)の巡りを整えます。心臓に負担をかけている「気の滞り(気滞)」を解消し、全身の調和を取り戻します。
- 根本と対症の組み合わせ: 動悸や胸のつかえといった症状の緩和(標治法)を図りつつ、それ以上に根本原因を改善する(本治法)に注力します。これにより、再発しにくい体質へと導きます。
- 極めて穏やかな刺激: 心臓に負担をかけないよう、痛くない極細の使い捨て鍼、そして熱すぎない上質なもぐさを使用します。リラックス効果を高め、自律神経を速やかに安定させます。
治療のねらいは、心臓という「太鼓の叩き手(自律神経)」の緊張を解き、叩くリズムを本来の穏やかなものに戻すことです。
東洋医学の評価(四診法)と西洋医学との連携
動悸の原因が「心血不足」「気滞」「陰虚火旺」のいずれであるかを特定するため、東洋医学独自の評価法を用います。
- 四診法による体質と原因の精査: 望診(舌の状態)、聞診(声や匂い)、問診(詳細な症状・生活習慣)、切診(脈やお腹の状態)を組み合わせ、西洋医学の検査では見えない体質の偏りを特定します。
- 医科検査結果の尊重: 心電図、エコー、ホルター心電図など医科検査の結果を尊重し、鍼灸が安全に実施できる状況であることを確認した上で治療計画を立て、併用を進めます。
- 併発症状も含めた根本原因の特定: 肩こり、冷え、睡眠、便通、生理不順といった併発症状を、動悸と同じ体質の偏りのサインとして捉え、治療のヒントとします。

ツボとセルフケア:乱れた心臓のリズムを自宅で調える自律神経ケア
鍼灸施術の効果を持続させ、動悸の予防や発作時の緩和に役立つのが、日々のセルフケアです。特に自律神経を安定させるツボの刺激と、体質に合った食事・生活習慣の見直しが重要です。
動悸の緩和に役立つおすすめのツボ
動悸や胸の不安を感じた時、以下のツボを中指や親指でやさしく、深呼吸しながら3〜5分ほど押すか、お灸で温めてください。
- だん中(だんちゅう):両乳首を結んだ線の中央。心の不安・動悸に。胸の「気」の滞り(気滞)を解消します。
- 内関(ないかん):手首の内側、シワから指3本分上。ストレス、胸のつかえ、吐き気に。心臓を包む経絡を調え、自律神経を安定させます。
- 少衝(しょうしょう):小指の爪の生え際、薬指側。動悸の発作時に。心臓を直接守るツボの一つで、刺激することで拍動の乱れを緩和します。
- 大椎(だいつい):首の付け根の大きな骨(第7頚椎)のすぐ下。冷え由来の不調や自律神経の切り替えに。ドライヤーや温灸で温めるのが効果的です。
- 陰陵泉(いんりょうせん):膝の内側、骨のきわ。内熱(ほてり)やむくみに。体内の余分な水分(湿)を排出する働きを助けます。
ツボ押しは、心臓の叩き手(自律神経)に「深呼吸してね」と優しく声をかける行為です。
体質別セルフケアのヒント(東洋医学の分類)
動悸の根本原因(気滞・心血不足・陰虚火旺・瘀血)に応じて、セルフケアのポイントも異なります。
- 心血不足:頑張り過ぎ・考え過ぎを控える。くるみ、なつめ、黒きくらげ、小松菜など、血を補う食材を意識して摂る。
- 陰虚火旺:夜更かしを避け、夜11時までには就寝する。揚げ物、香辛料、脂物を控えて、体内の過剰な熱を生まないようにする。
- 瘀血:15分の散歩やストレッチで血流を促す。日光浴や半身浴で全身を温め、冷えによる血の滞りを解消する。
- 気滞:深い腹式呼吸・胸を開く体操で「気」の巡りを物理的に促す。香りの強すぎる柔軟剤など、五臓を刺激するものを控える。

鍼灸院の選び方:動悸・不整脈の体質改善で専門院を見極めるポイント
動悸・不整脈の治療は、自律神経と心臓の連動というデリケートな部分にアプローチするため、単なるリラクゼーションではない、専門的な東洋医学の技術が不可欠です。安全かつ効果的に体質改善を進めるため、以下の点を確認しましょう。
- 東洋医学専門(経絡治療)を主軸にしているか: 慰安目的の施術ではなく、五臓六腑や気血水の巡りを整える東洋医学専門の診断と治療(経絡治療)を中核にしているかを重視しましょう。動悸の原因となる「気滞」や「心血不足」を正確に判断する技術が不可欠です。
- 内科系・自律神経の体質改善に実績があるか: 肩こりや腰痛といった運動器系だけでなく、内科系(消化器・呼吸器)や自律神経の乱れによる不調の改善実績が豊富にあるかを確認しましょう。動悸は自律神経と内臓の乱れのサインだからです。
- 施術の刺激は穏やかで安全か: 動悸を持つ方は心臓に負担をかけないよう、極めて穏やかな刺激(痛くない鍼、熱すぎない灸)での施術を行っているかを確認しましょう。強すぎる刺激は、かえって自律神経を緊張させて症状を悪化させる可能性があります。
- 医科との連携・併用を前提に安全に運用できるか: 重篤な不整脈の可能性を常に考慮し、「病院治療との併用が前提である」ことを理解し、服薬状況や医科検査の結果を尊重して安全に治療を進められる院を選びましょう。
動悸は体内の「精密機械の不調」であり、「慰安目的の電気屋さん」ではなく「内臓機能専門の技術者」に委ねることが重要です。

動悸・不整脈の体質改善専門施術の料金と自律神経を調える通院ペース
当院の動悸・不整脈に対する経絡治療は、自律神経の過緊張と全身の滞り(気滞)を解消し、心臓に負担をかけない体質を構築することに焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、不調の根本解決という長期的な視点での費用対効果を重視しています。
初回カウンセリング+施術
詳細な問診と東洋医学的診断(四診法)に基づき、動悸のタイプ(気滞・心血不足など)を特定し、自律神経安定のための治療計画を立案します。
2回目以降(通常施術)
その日の心臓のリズムと自律神経の状態に合わせて施術を調整し、気の滞りと心臓への負担を解消します。
効果を最大化する通院ペースの目安(自律神経調整の戦略)
- 導入期(症状が頻繁で不安定な時期): 週に1~2回の集中治療が必要です。過緊張した自律神経を早期に安定させ、動悸の発作を抑えることに焦点を当てます。
- 安定化期(症状の頻度が減ってきた時期): 週に1回のペースで、心・肝・脾・腎の連携を根本から立て直し、動悸を起こさない体質を構築します。
- 維持期(症状が安定した時期): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と体質の維持を目的としたメンテナンスを行います。
自律神経の調整は車のハンドルを切り直す作業に似ています。初期は細かく(集中して)調整が必要ですが、一度まっすぐな道(安定)に乗れば、後は少しの修正(予防的通院)で運転できます。まずは集中的に通院し、心臓のリズムを取り戻しましょう。


院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など病院で原因不明、治療法がない慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
