突発性難聴の 内耳の血流と神経機能を底上げする
内耳の「壊れたスピーカー」への栄養供給を全身から増強し、回復を後押し。
時間との勝負である突発性難聴に対し、西洋医学と併用で治療効果を最大化します。
自律神経の安定と血流の巡りを底上げし、めまい・耳鳴りの軽減を目指します。
本ページの内容(目次):突発性難聴など難聴の早期回復と内耳の血流改善アプローチ
時間との勝負とされる突発性難聴に対し、内耳の血流と神経機能を底上げし、全身の自律神経の乱れから体質を回復させる東洋医学の道筋を解説します。
難聴の基礎:音の「受信機」と「変換器」の不具合と突発性難聴の緊急性
難聴は、音の聴こえが低下する状態の総称です。聴覚システムには、音の振動を拾う「受信機」(外耳・中耳)の段階と、その振動を脳が理解できる「電気信号に変換する変換器」(内耳・聴神経)の段階があり、このどこかで不具合が生じることで難聴となります。
例えるなら、ラジオの「アンテナ(受信機)の故障」か、「スピーカー(内耳)の故障」か**、によってタイプが異なります。
難聴の分類と突発性難聴の緊急性
- 伝音難聴: 音の振動を内耳に伝える経路(外耳・中耳)に障害があるもの。中耳炎などが原因です。
- 感音難聴: 音の振動を電気信号に変える内耳(蝸牛)や聴神経に障害があるもの。突発性難聴や加齢性難聴はこちらに含まれます。
- 突発性難聴の緊急性: 突発的に片耳の聴力が低下する突発性難聴は、発症から1週間以内の早期対応が回復の肝要とされます。聴力低下は日常生活の支障や強い心理的ストレスに繋がるため、速やかな医科受診が必要です。
難聴の種類とメカニズム:音の「受信」か「変換」か
難聴は、音を伝える「伝達機能」に問題があるか、音を信号に変える「感覚機能」に問題があるかによって、大きく二つに分類されます。
伝音難聴:音の「機械的な伝達」の不具合
外耳道、鼓膜、耳小骨といった音の振動を内耳へ送る機械的な伝達経路に障害がある状態です。
- 原因の例: 中耳炎、耳垢の詰まり、鼓膜の損傷など。
- 症状の例: 飛行機やトンネルに入ったときのように一時的に聞こえづらい、または耳抜きができないといった症状。大きな音を出すと、音が響いてうるさく感じることがあります。
- 例え: ラジオの「アンテナや配線」が故障した状態です。
感音難聴:音の「電気信号への変換」の不具合(鍼灸の適応)
内耳(蝸牛)の有毛細胞や聴神経、脳といった、音を電気信号に変換し、脳へ送る感覚機能に障害がある状態です。
- 原因の例: 突発性難聴、加齢性難聴、騒音性難聴、メニエール病など、内耳の血流障害や神経の損傷が疑われるもの。
- 症状の例: 聞き返しが増える、音が歪んで聞こえる、特に高音が聞き取りにくい、めまいや耳鳴りを伴いやすいといった特徴があります。
- 東洋医学の適応: 内耳の血流と神経機能の回復が鍵となるため、鍼灸の重点的なアプローチが適応となります。
※ 伝音難聴と感音難聴が同時に起こる場合は混合性難聴と呼ばれます。
難聴の主な症状:急な「聞こえづらさ」と耳鳴り・めまいの併発
難聴、特に内耳のトラブルが原因となる感音難聴や突発性難聴の場合、単に聞こえが悪いだけでなく、以下のような複合的な症状が現れることが特徴です。
突発性難聴に見られる主な症状
- 急激な聴力低下: 朝起きたら突然聞こえなくなった、電話で片耳だけ聞こえないなど、片耳の急な聞こえづらさを自覚します。
- 音の歪み・異聴: 音がキンキン響く、人の声が二重に聞こえる(複聴)、あるいは金属音のように歪んで聞こえるといった、不快な感覚を伴うことがあります。
- 耳鳴り・耳閉感: 「キーン」「ジー」「ガサガサ」といった耳鳴りや、耳に水が入ったような耳が詰まった感じ(耳閉感)を併発するケースが多く見られます。
- 平衡感覚の異常: 内耳は聴覚(蝸牛)と平衡感覚(三半規管)を司るため、めまいや吐き気を伴うこともあります。
西洋医学(病院)の治療と限界:原因不明への対処と回復のサポート
難聴、特に突発性難聴においては、西洋医学による超早期の介入が回復の成否を分けるため、非常に重要です。治療は、内耳の炎症を抑え、血流を改善することに焦点を当てます。
主な治療アプローチ(初期対応)
- ステロイド薬(最優先): 内耳の炎症を抑えるために、ステロイド剤が最優先で投与されます。これは内耳の「損傷した組織の緊急鎮火」を担う最も重要な治療です。
- 血流改善薬・ビタミン剤: 内耳への血流を増やし、傷ついた神経の代謝を助ける血流改善薬やビタミン剤(主にB12)が処方されます。
- 抗ウイルス薬・抗生物質: 原因が特定できた場合や、炎症が強い場合に用いられます。
治療が抱える課題(根本原因と慢性期)
- 原因は「不明」とされることが多い: 突発性難聴など、多くの感音難聴は原因が特定できない(不明)とされることが多く、治療が対症的になりやすいという限界があります。
- 慢性期への対応の難しさ: 発症から一定期間(通常1ヶ月以内)が経過し、聴力が回復しなかった場合、西洋医学では「これ以上の改善は難しい」とされることが多く、治療手段が乏しくなるという課題があります。
東洋医学の考え方と施術(経絡治療):内耳の血流・神経機能を体質から回復させる
難聴、特に感音難聴や突発性難聴は、内耳の血流障害や神経の炎症・疲弊が原因とされます。東洋医学は、この内耳の環境悪化を全身の体質的な偏りと捉え、根本から回復を促します。
東洋医学の原則:「病気」よりも「病人」をみる
西洋医学が病名(難聴)と局所(耳)に焦点を当てるのに対し、東洋医学は「難聴を発症した人」の全身状態を診ます。
- 全身の体質評価: 耳の不調だけでなく、全身の巡り(気・血・水)、冷え、ストレス耐性、肝・腎の機能などを総合的に評価し、難聴を引き起こした体質的な土台を特定します。
- 自然回復力の引き出し: 気血の巡りを整え、内耳への酸素・栄養供給を増やすことで、傷ついた神経細胞や蝸牛(かぎゅう)の組織が持つ自然回復力を最大限に引き出します。
- 例え: 内耳の「壊れたスピーカー」そのものを修理することはできませんが、「スピーカーに流れる電力(血流・神経エネルギー)を増強する」ことで、聴力回復をサポートします。
施術の要点:経絡治療と体質別アプローチ
経絡治療は、難聴の根本原因となる体質の偏り(ストレスによる肝の乱れ、疲労による腎の消耗など)に合わせたオーダーメイドの施術です。
- 体質に合うツボを選定: 四診法で体質(証)を把握し、全身の361穴から、特に聴覚に関わるツボと全身のバランスを司るツボを選定します。
- 内耳周囲の環境調整: 血流・自律神経のバランスを調整することで、内耳のリンパ液の過剰な滞り(むくみ)や炎症を抑え、耳周囲の環境を根本から整えます。
- 安心設計の施術: 当院の鍼・灸は痛み・熱さを最小限に設計しています。突発性難聴やメニエール病など、急性期から医科との併用で安全に施術を進めることが可能です。
難聴によく併発する不調:自律神経と血流の乱れからくる全身症状
東洋医学では、難聴を単なる「耳の病気」ではなく、全身のバランスの乱れが耳に現れたものと捉えます。内耳の機能が低下している患者様には、自律神経の不調や血流の滞りが原因となり、以下のような全身の不調が併発しているケースが多く見られます。
難聴と共通の根本原因を持つ全身症状の例
- 不眠・眠りが浅い(自律神経の過緊張)
- 高血圧・低血圧(血流のコントロール不良)
- 手足の冷え(末梢の血流障害)
- 頭重感・首肩の強いこり(耳周囲の緊張)
- 鼻炎・花粉症(アレルギー・免疫系の過剰反応)
- 逆流性食道炎(自律神経系の胃腸への影響)
- 慢性胃炎・胃酸過多(ストレス・緊張)
- 手掌多汗(自律神経の乱れ)
- 朝に弱い・朝のだるさ(全身の疲労・機能低下)
- 呼吸器の弱さ・息苦しさ(気の滞り)
【東洋医学の利点】
全身の体質を一つにつないで整える経絡治療は、耳の症状の改善とともに、これらの自律神経・血流系の不調の軽減も同時に期待できることが最大の強みです。
例えるなら、「蛇口(耳)を直す」だけでなく、「家全体の水道管(全身の血流と神経)を掃除し、水圧(機能)を安定させる」のが東洋医学のアプローチです。
難聴(突発性難聴など)専門施術の料金と効果を最大化する通院ペース
当院の難聴に対する経絡治療は、内耳の血流改善と自律神経の安定に焦点を当てています。感音難聴は早期の集中治療が回復の鍵となるため、計画的な通院が重要です。自由診療(保険外)となりますが、聴力回復という長期的な視点での費用対効果を重視しています。
初回カウンセリング+施術
詳細な問診と東洋医学的診断に基づき、内耳の血流障害の程度と体質(肝・腎の疲弊)を判断し、治療計画を立案します。
2回目以降(通常施術)
その日の症状に合わせ、内耳と耳周りの環境改善、自律神経の鎮静を目的とした経絡治療を行います。
効果を最大化する通院ペースの目安(早期回復の戦略)
- 急性期(発症直後〜2週間): 週に3回程度**の超集中治療が必要です。内耳の回復可能期間は短く、血流改善と炎症抑制を最大化します。
- 回復期(発症1ヶ月以内): 週に2回のペースで、内耳の神経機能の修復と体質的な疲労の回復に焦点を当てます。
- 慢性期・維持期(発症2ヶ月以上): 週に1回、あるいは2週に1回のペースで、残された機能の底上げと耳鳴り・めまいといった随伴症状の軽減を目指します。
難聴治療、特に急性期は時限爆弾に似ています。時間との勝負であり、鍼灸は集中して行うことで、西洋医学の治療効果を強力にバックアップします。まずは早期に治療計画を開始しましょう。
院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、肩こり、腰痛をはじめ、生理痛・顔面神経麻痺・潰瘍性大腸炎・耳管開放症など病院で原因不明、治療法がない慢性疾患を中心にはり治療を行っています。
