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慢性蕁麻疹の症状と西洋医学の課題:「風」と「内熱」のいたずら

蕁麻疹は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴う状態です。東洋医学では、これは「風邪(ふうじゃ)」や体内の「内熱(ないねつ)」が皮膚表面の経絡を刺激し、気血の巡りを異常に乱しているために起こると捉えます。特に慢性蕁麻疹は、体質の根本的な乱れが原因で、症状が引いては現れる波を繰り返すのが特徴です。

蕁麻疹の主な症状:気の異常な動き

  • 突然現れて数時間〜1日で引く膨疹(ミミズ腫れ)と強いかゆみ:「風邪」の速く、変化しやすい特徴を反映した症状です。かゆみも「風」の病と関連が深いです。
  • 誘発されやすいタイプ:こすれ(機械的刺激)、圧迫、温冷、日光、汗、食物など、外部の刺激(外邪)や自律神経の乱れで皮膚が過敏に反応しやすくなっています。

西洋医学のアプローチ:対症療法の限界

  • 症状コントロールが中心:多くは、かゆみの原因物質であるヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬などで症状をコントロールする対症療法が中心です。
  • 原因不明と再燃のリスク:「突発性」(原因不明)が多数を占めるため、薬をやめると自律神経や体質が原因で再燃しやすいという課題が残ります。
  • 長期服用での副作用リスク:薬の長期服用は、眠気・倦怠感など自律神経や全身の気(エネルギー)を消耗する副作用のリスクがあり、体質の根本改善には繋がりません。

東洋医学の鍼灸は、この「自律神経の過敏さ」と「内熱」という根本原因にアプローチします。

東洋医学の捉え方:慢性蕁麻疹は「内熱」が皮膚に噴き出す「風」の病

蕁麻疹は、体内に溜まった熱(内熱)や湿(しつ)が、風(ふう)という病邪に乗って皮膚を巡り、異常な発赤とかゆみを引き起こしている状態です。この内熱を冷まし、排泄ルートを確保することが、根本治療の鍵です。

肝・腎の負担:毒素の処理能力の低下

  • 解毒・排泄の要:肝(かん)は解毒と気の巡り、腎(じん)は水液ろ過・代謝の要です。ストレスや過労でこれらの働きが落ちると、体内の負荷(熱毒)が処理しきれず、皮膚へ表出しやすくなります。
  • 「皮膚は内臓のゴミ捨て場」:便・尿・汗といった正規の排泄ルートが滞ると、毒素が皮膚から出ようとする結果、蕁麻疹の症状として現れるという古典的な視点です。

肺と皮膚:気のバリアの緩み

  • 肺は肌をつかさどる:「肺(はい)」は皮膚の締まり(衛気:気のバリア)や潤いに関与します。肺が弱ると、皮膚というバリア機能が低下し、外部刺激(温冷差、摩擦)に対する反応の出方(かゆみの閾値)に影響します。
  • 自律神経の乱れ:呼吸(肺)と自律神経(肝)は密接に関わります。乱れはかゆみという感覚を過敏にし、症状を増悪させます。

巡り(気・血・水):邪気の停滞

  • 不通即痛:蕁麻疹のかゆみや発赤・腫脹は、経絡に風熱や湿熱が滞り、気・血の巡りが乱れている状態です。巡りが滞ると、痛みやかゆみといった異常な感覚を生じます。
  • 瘀血/水滞の是正:瘀血(血の滞り)や水滞(水分の停滞)は、炎症を慢性化させる「病の残りカス」です。これを鍼灸で排泄し、蕁麻疹の出現の“波”を小さくします。

鍼灸による体質改善(経絡治療):内側の「熱と風」を鎮める

慢性蕁麻疹の根本治療は、皮膚を過敏にしている体内の「内熱」や「風邪」を取り除き、自律神経のバランス(肝の気の巡り)を安定させることです。鍼灸治療は、内服薬で抑えきれない体質の部分に深くアプローチします。

施術の考え方:波の立たない穏やかな体質へ

  • 四診法で体質と誘因を丁寧に把握:脈・舌・腹部などを通して、内熱が肝から来ているのか、湿熱が脾胃から来ているのかなど、波(蕁麻疹)が立つ根本原因を詳細に特定します。
  • 経絡治療で五臓の働きを底上げ:肝(自律神経)の滞りを解消し、腎(排泄)と肺(皮膚バリア)の働きを底上げすることで、体内の毒素を皮膚ではなく正規ルートで排泄させ、かゆみの閾値を安定させます。
  • やさしい刺激と衛生管理:使い捨ての細い鍼と国産もぐさを用い、皮膚を刺激しすぎないやさしい刺激を心がけます。体全体がリラックスする(副交感神経優位になる)ことで、自律神経の過剰な反応を鎮めます。

ツボ例(体質により選穴は変化):熱と痒みにアプローチ

  • 裏内庭(足第2指の付け根裏):蕁麻疹の強いそう痒(かゆみ)や発赤を鎮静させるサポートをします。東洋医学でいう「熱」を冷ます作用があります。
  • 肝・腎・肺の経上の要穴:それぞれの臓腑の過不足(熱、湿、虚など)に応じて、気の流れを整えるツボを選びます。(例:太衝、三陰交、尺沢など)

通院の目安:体質の土台づくり

症状が引いては出るという「波」を安定させるには、ある程度の期間が必要です。

  • 慢性例:まず3ヶ月を目安に体質の土台づくり(個人差あり)。皮膚の細胞サイクルや内臓機能の回復には時間がかかります。
  • 波が落ち着けば間隔を徐々に延長:症状の波が小さくなり、ぶり返しが減ってくれば、体質が安定したサインです。通院間隔を徐々に空けて、セルフケアでの維持を目指します。

セルフケア/生活と食事:体内に「熱と湿」を溜めない工夫

蕁麻疹の波を小さくし、薬に頼らない体質を作るには、体内の「内熱」を上げすぎず、「排泄(解毒)」をスムーズにすることが重要です。

食事のポイント:「湿熱」の発生源を断つ

脾胃(消化器)に負担をかけ、体内で熱や湿(邪気)を生み出す食品を控えましょう。

  • 熱源・湿源を断つ:白砂糖・菓子・加工品・脂っこいもの・アルコールは、内熱や湿の大きな発生源です。これらを控えることが、かゆみの軽減に直結します。
  • 脾胃を労わる:温かい和食中心で、よく噛み、腹八分目を意識することで、消化吸収(脾胃の働き)を助けます。
  • 排泄ルートの確保:便・尿・汗の排泄リズムを整えることは、「皮膚は内臓のゴミ捨て場」という視点から非常に重要です。体内の滞りを溜めないようにしましょう。

肌ケアと生活:過敏な皮膚と自律神経を安定

  • 肌への刺激を最小限に:入浴は短時間で、やさしく洗うことを徹底し、皮膚のバリアを守ります。乾燥もかゆみを誘発するため、上がったらすぐ保湿をしましょう。
  • 誘因をメモして対策:汗、こすれ、温冷差など、何で症状が出るかをメモし、衣類素材や室温調整で外部からの刺激(外邪)を避ける工夫をしましょう。
  • 自律神経の安定:深い呼吸、軽い運動、十分な睡眠は、肝の気の滞りを解消し、自律神経の過敏さを鎮めます。これにより、ストレスでかゆみが増す悪循環を断ち切ります。

薬との併用について:対症療法と根本改善の「二本柱」

慢性蕁麻疹の治療において、西洋医学の薬は「急な波を抑える堤防」の役割を果たし、東洋医学の鍼灸は「体質の河川を根本から整える」役割を果たします。この二つを組み合わせることで、最も安全で効率的な改善を目指します。

  • 急性期の役割分担:急性の強いそう痒(かゆみ)・膨疹(ミミズ腫れ)が出た際は、必ず医師の薬で安全にコントロールし、症状の悪化を防ぎましょう。自己判断による薬の中止は危険です。
  • 薬の減量を目指す連携:鍼灸で「内熱の除去」と「自律神経の安定」を進めることで、体質が安定します。その上で、医師と相談の上で、徐々に薬量の見直し(減量)を検討することが、薬に頼らない状態への道筋となります。
  • 最終目標:薬の力を借りなくても、ご自身の体の調整力(正気)で、かゆみや発疹の波が立たない穏やかな体質を築くことです。

料金について

初回:5,500円(税込)

2回目以降:5,000円(税込)

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」東洋医学の視点で、慢性蕁麻疹・アトピーなどの皮膚症状から、頭痛・消化器症状・婦人科疾患まで、原因不明といわれる慢性症状を中心にはり治療を行っています。