玄米という食材、東洋医学からみた注意点とおいしい炊き方
体によいと聞いて玄米に切り替えたのに、なんだかお腹が張る、消化に時間がかかる気がする——そんな声を耳にすることがあります。
玄米は栄養価が高く、東洋医学でも「生命力を宿す食べもの」として大切にされてきました。ただしその一方で、白米よりも消化に負担がかかりやすい食材でもあります。よい面と注意しておきたい面、両方を知ったうえで、ご自身の体調に合った形で取り入れることが、無理なく続けるコツです。
「玄米菜食」「玄米食」など、玄米を主食にする健康法は広く知られています。一方で、胃腸が弱い方や消化器系の不調を抱えている方にとっては、かえって負担になってしまうケースも見受けられます。ここでは、玄米の栄養的な魅力、注意しておきたい点、そして無理なく取り入れるための炊き方・食べ方の工夫を、東洋医学の考え方も交えてご紹介します。

玄米に期待できる栄養価と東洋医学からみた魅力
玄米は、白米で取り除かれてしまう胚芽やぬか層を残したままのお米です。この部分に、食物繊維・ビタミンB群・ビタミンE・マグネシウムや鉄などのミネラルが多く含まれており、白米に比べて栄養価が高いことはよく知られています。
東洋医学では、玄米を単なる主食としてではなく「命をつなぐ力を持った食べもの」として捉える考え方があります。これは、精米の過程で削り取られてしまう胚芽の部分に、次の世代へ命をつなぐための力が宿っているとみるためです。生きた種そのものの形を残している玄米だからこそ持ちうる力であり、旬のものや、加工の少ない生きた食材を重んじる東洋医学の食養生の発想とも重なります。
気・血・水をつくる土台としての主食
当院がお伝えしている「気・血・水(き・けつ・すい)」の考え方では、食べたものを気や血に変える働きを担っているのが脾(消化器系)です。栄養価の高い玄米は、脾がしっかり働いている状態であれば、気や血をつくるうえで頼りになる主食といえます。日々の主食を見直すことは、体質そのものを整えていくうえでも意味のある一歩です。

玄米が「消化への負担」になりやすい理由
ただし、玄米には注意しておきたい面もあります。ぬか層に包まれた玄米は、白米に比べて消化に時間がかかりやすい食材です。もともと胃腸の働きが落ちている方や、脾(消化器系)の力が弱っている状態の方が無理に食べ続けると、かえって胃もたれやお腹の張り、便通の乱れなどにつながることがあります。
こんな方は特に注意を
- 胃もたれや胸やけが続いている方
- 便秘や下痢を繰り返しやすい方
- 食欲不振が続いている方
- もともと胃腸が弱い、虚弱体質だと感じている方
- 高齢の方や、体調を崩した後で体力が落ちている方
東洋医学では、脾は「湿」に弱く、繊維質の多いものや冷たいものの摂りすぎで働きが落ちやすいと考えられています。脾の力が落ちているときに、消化に負担のかかる玄米を無理に食べ続けると、かえって気や血をつくる力そのものが弱まってしまうこともあります。
浸水の時間も、消化のしやすさを左右する
玄米が消化に負担をかけやすいのは、繊維質の多さだけが理由ではありません。種としての性質を残す玄米には、休眠を保つための成分が備わっており、じゅうぶんに水を吸わせないまま炊いてしまうと、消化への負担がより出やすくなるといわれています。逆にいえば、時間をかけてしっかり浸水させることは、栄養面だけでなく胃腸への優しさという意味でも欠かせない下ごしらえです。

無理なく取り入れるための炊き方・食べ方の工夫
浸水はたっぷりの時間をかけて
玄米をおいしく、消化しやすい状態で炊き上げるには、浸水の時間が何より重要です。気温が高い時期は3時間以上、冬場など気温が低い時期は6時間ほどを目安に、たっぷりの水にじっくり浸けておきましょう。浸水中は水がにごりやすいため、1日に1回は水を替えると衛生的です。手間を省きたい場合は、浸水から発芽までを自動で行ってくれるタイプの炊飯器を活用するのも一つの方法です。
炊き方で変わる、食べやすさ
洗うときは力を入れてこすらず、表面の汚れをさっと落とす程度にとどめてください。玄米ならではの栄養が詰まった胚芽の部分が、こすりすぎることで剥がれ落ちてしまうためです。また、白米と一緒に炊くと硬さにばらつきが出やすいため、炊くときは玄米だけでまとめるのがおすすめです。
炊飯時に粗塩をひとつまみ加えると風味がまろやかになり、黒米やもち麦などの雑穀を少量混ぜれば、玄米特有のパサつきが和らいで食べやすくなります。ご自身の好みに合わせて、少しずつ試してみてください。
玄米の消化に不安がある方は、いきなり主食をすべて置き換えるのではなく、まずは1日1食など量を絞って試し、体調を見ながら少しずつ慣らしていくのがおすすめです。よく噛んでから飲み込むことも、消化の負担を減らすうえで大切なポイントです。
鍼灸でできること
玄米に限らず、体によいとされる食べものも、それを受け止める胃腸の力があってこそ生きてきます。当院の経絡治療では、脈やお腹の状態から脾の働きを確認し、消化を支える力を補うようにはりとお灸で整えていきます。玄米を取り入れてから胃もたれやお腹の張りが気になる方、もともと胃腸が弱いと感じている方は、食事の工夫とあわせてお気軽にご相談ください。

食事の工夫とあわせて、胃腸の状態を整えたい方へ
玄米をはじめとした食事の工夫は、消化を支える脾(胃腸)の働きがあってこそ生きてきます。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。胃もたれ・お腹の張り・食欲不振など、消化にまつわる些細な不調でもお気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

初めての方へ
不安なことや現在の状態について、まずはお気軽にご相談ください。

院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
