東洋医学専門の
鍼灸とは
病院で「異常なし」と言われた、その不調に。
脈やお腹に触れて全身の状態を確かめ、弱っている五臓六腑のはたらきを高めていきます。日本伝統鍼灸「経絡治療」を一筋に行っている院です。肩や腰の痛みだけでなく、胃腸・耳鼻・婦人科・自律神経のご相談もいただきます。

なぜ、良くなってもまた戻ってくるのか
薬を飲んでいる間は落ち着くのに、やめるとまた同じ症状が出てくる。検査を受けても「異常なし」と言われる。何軒か回るうちに、薬が増える。もうこういう体質なのだと思うようになる。そうした経過をたどってこられた方が、当院にはよく来られます。
はっきりした異常が見つからないと、どうすればいいのか分からなくなってしまいます。東洋医学は、こういうときに別の見方をします。蛍光灯でいえば、蛍光灯そのものは壊れていないのに、電気が来ていない状態です。
体にとっての電気にあたるものを、東洋医学では昔から「気(き)」と呼んできました。
では、その気はどこでつくられるのか。つくり、蓄え、巡らせているのが「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」です。飲食物から気をつくるのが脾と胃、呼吸から取り込むのが肺、生まれ持った力を蓄えているのが腎。担っている役割が、それぞれ違います。
ですから、どの臓腑が弱っているかで、出てくる症状も変わってきます。たとえば腎が弱ると、腰、耳鳴り、冷え、夜間尿、白髪。西洋医学から見ればばらばらの症状ですが、東洋医学では腎というひとつのまとまりとしてつながっています。
ばらばらに見える不調をひとまとめに捉え直し、その根にある臓腑から立て直していく。これが、東洋医学が「戻ってこない体」に向かうときの道すじです。
では、なぜ検査では、この「気」が見えないのでしょうか。

西洋医学との、見方のちがい
形のないものを、みる。
東洋医学は昔から、形のあるもの(形而下)と、形にならないもの(形而上)を分けて考えてきました。
もっとも、きれいに二分できるわけではありません。西洋医学も「自律神経の乱れ」のような形のないはたらきを扱いますし、東洋医学も脈やお腹という手で触れられるものを頼りにします。違うのはどちらを出発点に置くかで、優劣ではありません。
| 西洋医学 | 東洋医学(はり灸) | |
|---|---|---|
| 見るまとまり | 症状・臓器ごとに科が分かれる頭痛→脳神経外科、胃の不調→消化器科… | 体をひとつのつながりとして捉える |
| 向かう先 | 症状を抑える対処が中心になりやすい | 症状の出ない体づくりを目指す |
| 得意な場面 | 急性・外科・救急救命が得意 | 慢性的な不調・体質からくる症状が得意 |
| 関わる時期 | 病気になってから対応する | 病名がつく前の段階から対応する東洋医学ではこれを「未病(みびょう)」と呼びます |
「鍼灸」はひとつではありません
鍼灸院はどこも同じに見えると思います。ただ、選ぶときの分かれ目は2つあります。
まず「鍼灸だけの院」かどうか
ひとつめの分かれ目は、鍼灸だけで組み立てているか、マッサージや整体と組み合わせているかです。同じ「鍼灸院」の看板でも、鍼灸に加えて整体・カイロ・マッサージを行う院と、鍼とお灸しか使わない院があります。鍼灸だけで組み立てている院は、多くはありません。
当院は開業以来、鍼とお灸だけです。マッサージや整体は行っていません。
次に「どの考え方に立っているか」
ふたつめの分かれ目が、考え方の系統です。何のために鍼を使うのかが、系統によって変わってきます。
1現代医学にもとづく鍼灸
筋肉や神経のはたらきを手がかりに、つらい場所へ直接アプローチする方法です。凝り固まった筋肉をゆるめ、その場で関節の動く範囲を広げていきます。スポーツの現場で、動きやすさやパフォーマンスを引き出すために使われるのもこの鍼灸です。
2中医学(現代中国の伝統医学)
中国で近代に体系化された東洋医学です。中国では医師が鍼灸を行い、漢方薬と組み合わせて用いるのが一般的です。日本の鍼より太く長い鍼を深く刺し、「響き」と呼ばれるずんとした手ごたえを重視します。この響きや、多少の痛みも効果のうちと捉える考え方があるのが、日本の鍼灸との大きな違いです。
3日本伝統鍼灸(経絡治療)当院の専門
症状が出ている場所だけを見ず、体そのものを立て直していくことを目的とする、日本で独自に育った鍼灸です。脈やお腹に触れて五臓六腑のどこが弱っているかを見立て、まず手足のツボでその働きを高めてから、つらい場所へ向かいます。
用いる鍼は髪の毛ほどの細さ(0.12〜0.18mm)で、刺す深さは1〜5mmにとどまります。深く刺して強く響かせる必要がないのは、狙っているのが筋肉のこりではなく、経絡を流れる気だからです。
美容鍼やスポーツ鍼灸のように目的で呼び分けるものもありますが、土台にある考え方は、この3つのいずれかです。
日本の鍼が細く浅くなったのは、江戸時代に杉山和一が管鍼法(かんしんほう)を生み出して以降の流れです。

なぜ、経絡治療を行う院は少ないのか
日本の鍼灸院で広く行われているのは、1の現代医学にもとづく鍼灸です。鍼灸だけで組み立てていて、なおかつ経絡治療を専門にしている院は、多くありません。
理由は、学ぶ道すじにあります。国家資格の科目に東洋医学は含まれていますが、共通12科目のうち3科目で、しかも座学が中心です。脈やお腹に触れて、どの臓が弱っているかを見立てられるようになるには、学校を出たあとに実技を積み重ねるほかありません。そのため受け継ぐ人が限られています。
手間のかかる道ではあります。それでも、強い刺激を加えずに、その方がもともと持っている力を底上げしていける方法だと考えて、当院はこれを専門にしています。
このことは、受ける側にも関わってきます。以前に鍼灸を受けて合わなかったという方も、同じものをもう一度受けることになるとは限りません。系統が変われば、鍼の太さも、刺す深さも、狙っている場所も変わります。「鍼は痛かった」「その場は楽になったが戻った」というご経験がある方は、どの系統の鍼灸だったかを思い出してみてください。

腰痛なのに、手のツボを使うことがあります
体のなかには「経絡(けいらく)」という道すじがあると考えます。主なものは12本あり、それぞれが内臓と結びつきながら手足の先まで伸びています。その道の上にある要所がツボです。
腰が痛いのに手のツボを使う、婦人科のお悩みに足のお灸を使う。そういうことが起きるのは、体がこの道でつながっているからです。つらい場所と、原因のある場所は、必ずしも同じではありません。

当院の施術
していることを一言でいえば、弱っている五臓六腑のはたらきを高めて、問題の起きている経絡に気を流すことです。順に4つに分けてご説明します。
1脈とお腹から「証」を立てます
お顔や声の様子を見ながらお話を伺い、そのうえで脈とお腹に触れます。なかでも重んじるのが脈です。手首に指を当てると、五臓のどこに力が足りていないかが現れます。ここから、その方の体でいまいちばん補うべき場所を見立てます。これを「証を立てる」といいます。
同じ「肩こり」でも、証が変われば使うツボも変わります。東洋医学の鍼灸に「この症状にはこのツボ」という決まった処方がないのは、このためです。
2補うのか、取り除くのかを決めます
鍼灸の手技は、足りないものを補う「補法」と、余っているものを取り除く「瀉法」に分かれます。ほぐす、冷やす、痛みを抑える。世の中の手当ての多くは取り除く側ですが、東洋医学には「足りないものを補う」という考え方があります。
この見方でいくと、揉む・押すという刺激も取り除く側です。当院がマッサージや整体を行っていないのは、これが理由です。長く不調を抱えてこられた体は消耗していることが多く、補うことが必要な方がほとんどだからです(揉んだ翌日に疲れるのはなぜか)。
3手足から整えて、それからつらい場所へ
いきなり痛むところへ鍼を打つことはありません。まず手足の要穴に数本、ごく浅く鍼をして五臓六腑のはたらきを高め(本治法)、そのうえでつらい場所へ向かいます(標治法)。
4鍼とお灸を使い分けます
鍼もお灸も、ツボを通じて五臓六腑のはたらきを高めるという点では同じで、どちらも補うことも取り除くこともします。その日の証によって選びます。
鍼は先ほどの細さで、刺す深さもごくわずかです。それでも、まったく何も感じないわけではありません。ツボや体調によっては、ちくりと感じることもあります。お灸の熱さも我慢していただくものではありませんので、感じ方はその都度お伝えください。


自分の不調に鍼灸が合うのか、迷われている方へ
「こんな状態でも相談していいのだろうか」と迷われたら、まずはLINEでお聞かせください。症状の内容を伺ったうえでお答えします。無理におすすめすることはありません。
ご予約の空き状況は、予約ページからご確認いただけます。
こんな不調に対応しています
体全体のつながりから組み立てるため、対応できる範囲は「痛み」だけにとどまりません。
- 長く続く痛み(肩こり、腰痛、頭痛)
- 女性特有の不調(生理痛、不妊、更年期)
- 自律神経の乱れ(めまい、不眠)
- 胃腸や耳鼻の不調
- 検査で「異常なし」と言われた症状

東洋医学が苦手なこともあります
得意なことがあるように、苦手なこともあります。先にお伝えしておきます。
- 外科・救急救命は西洋医学の領域です。骨折、手術が必要なケース、意識を失うような急な症状。こうした場面では、ためらわず病院を受診してください。
- 血液検査・画像検査は行っていません。レントゲン・MRI・血液検査などは当院では行えません。必要と考えられる場合は、医療機関へのご相談をお伝えしています。
- 一度で終わる施術ではありません。足りない力を補って立て直していく方法のため、変化には時間がかかります。長く積み重なった不調ほど、その傾向があります。
変化のペースには個人差があります。通院の目安や初回の流れは、初めての方へにまとめています。

「これはもう体質だから」と、あきらめてしまう前に。
くり返す不調には理由があります。その理由を体全体から探して、足りないところを補っていくのが東洋医学の鍼灸です。どんな状態からのご相談でも構いません。まずはお話をお聞かせください。
LINEで相談する院長プロフィール
中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。
大切にしているのは、コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点です。肩こり・腰痛はもちろん、生理痛や自律神経の乱れ、原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
鍼灸師国家資格取得後、経絡治療を専門に研鑽しています。
