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眼精疲労(アステノピア)の概要と主症状:目の「過労」と全身への波及

眼精疲労の定義と目の主症状

眼精疲労(アステノピア)は、目の使用により単なる疲れではなく、休息や睡眠をとっても回復しない目の痛みや不快感が持続し、全身に症状が及ぶ状態です。

  • 目の局所症状: しょぼしょぼ、ゴロゴロといった異物感、乾く痛み、充血、涙目、まぶしさ。
  • 視機能の異常: すぐ疲れる、かすむ・ぼやける、ピントが合いづらい。
  • 併発: ドライアイや肩こりの併発が非常に多いです。
  • 背景: 画面作業の増加により、デジタル眼精疲労(VDT症候群)として10代〜60代まで幅広く相談が増えています。

例えるなら、目の「ピント調整機構」が限界を超えてオーバーヒートし、全身に熱と疲労を波及させている状態です。

放置しないための注意:全身症状への波及

眼精疲労を放置すると、目の酷使による**自律神経の乱れ**を通じて、全身に症状が波及します。

  • 頭部・神経症状: 頭痛、吐き気(嘔気)、めまい、首肩のこわばり、顔面痛。
  • 全身・精神症状: 強い倦怠感、気分の落ち込み、不安感。

重くなると日常生活に支障をきたすため、早めのケアが肝心です。目の問題は東洋医学でいう「肝(かん)」と深く関わるため、体質全体から整える方針が有効です。

【治療の鍵】 眼精疲労は生活習慣(画面時間、睡眠、ストレス)と密接です。症状の個人差が大きいため、目の局所治療と体質改善を組み合わせるアプローチが推奨されます。

眼精疲労の原因:一般論と東洋医学が注視する「肝の血の巡り」

一般的に言われる要因(環境と目の酷使)

眼精疲労は、視覚的な負荷と全身のコントロールの乱れという、二つの大きな要因から引き起こされます。

  • 視覚的な負荷: 長時間の画面注視(PC、スマホ)や、近距離での連続作業。また、度の合わない眼鏡/コンタクトの使用や乱視・老眼といった屈折異常。
  • 全身のコントロール不足: 睡眠不足、ストレス、それに伴う自律神経の乱れ、不自然な姿勢(首肩の凝り)による目の周りの血流悪化。

東洋医学の視点:肝の血の不足と消耗

東洋医学では、目の不調の根っこは血の巡りにあると考えます。特に、「肝(かん)」との関係が最も深く、肝の機能の低下が眼精疲労を招きます。

  • 肝の役割: 肝は血を蔵し、目と筋(眼筋)を養うシステムであり、自律神経の調律も担います。
  • 目の疲労のメカニズム: 過度の眼の酷使や睡眠不足は肝の血を消耗させます。肝の働きが弱いと、目へ新鮮な栄養(血)が届きにくくなり、眼筋の疲労が回復せず、疲れやすくなります。
  • 例え: 目の「ピント調整のバッテリー」が、肝の血という「充電源」が不足しているため、すぐに電力切れ(疲労)を起こしてしまう状態です。

目薬の注意点(上手に付き合う):対症療法の役割と長期使用の懸念

目薬は目の乾燥や痛みを一時的に和らげるために非常に有効ですが、根本的な涙の生成機能や眼精疲労の改善にはつながりにくいという側面があります。

特に、防腐剤として使用される塩化ベンザルコニウムなどの成分を含む製品は、長期連用により角膜や結膜に負担をかけ、かえって症状を悪化させる懸念があるため、使用には慎重さが求められます。

目薬を使う際の注意点と東洋医学の役割

  • 長期連用は避け、必要最小限に: 目薬はあくまで対症的な補助として、必要最小限の使用に留め、涙の分泌を自力で促す体質改善に努めましょう。
  • 不快感や悪化を感じる場合は使用を中止: 目薬をさした後にしみたり、不快感が増したり、症状の改善が乏しい場合は、使用を中止し、眼科医と相談の上で方針を見直しましょう。
  • 点眼後の工夫: 点眼後は、薬液が鼻涙管を通って体内に流れるのを防ぐため、軽く目頭(目頭のやや下)を押さえ、薬液の流入を抑えることが推奨されます。
  • 乾きの背景(生活・体質)も同時に整える: 目薬は「外から水を注ぐ」役割、鍼灸は「体内の水源を修復する」役割です。ドライアイの背景にある血(栄養)の不足、自律神経の乱れといった体質も同時に整えることで、目薬に頼らない体を目指します。

眼精疲労になりやすい体質:「肝」の乱れが引き起こす目の疲労と全身のサイン

東洋医学では、眼精疲労は「血(けつ)を蔵し、筋(すじ)を司る」臓腑である「肝(かん)」の機能が低下し、血の不足や自律神経の乱れが生じることで起こると考えます。

目・筋・アレルギーまわりの関連症状(肝の支配領域)

  • 目の不調: 近視・遠視・乱視、仮性近視、緑内障傾向。肝は目に深く関わるため、肝の機能低下は眼の調整力に影響を与えます。
  • 筋・腱の不調: 肩こり・腰痛、爪の縦線/巻き爪。肝は筋腱や爪を養うため、肝の血が不足するとこれらの不調が現れます。
  • アレルギー・粘膜の不調: 鼻炎・花粉症・喘息などのアレルギー。肝の乱れが、肺や粘膜のバリア機能にも悪影響を与えます。
  • 例え: 目の機能と筋肉は「肝の血という燃料」で動いています。この燃料が不足すると、すぐにエンスト(疲労)を起こします。

体質・嗜好の傾向(肝のバランスの現れ)

「肝」の気の巡りがスムーズでない(肝気鬱結)方や、血が不足している方には、以下のような特徴が見られます。

  • 婦人科のゆらぎ: 生理痛・不順、PMSなど。肝は血を蔵し、生理周期を司るため、その乱れは目の不調と連動します。
  • 情緒・嗜好: イライラしやすい、単刀直入な物言い、感情が上がりやすい、酸味・柑橘を好む。これらは肝の気の偏り(肝気鬱結)のサインです。

東洋医学では全身はすべてつながっていると捉えます。眼精疲労という「目の疲れ」を、「肝の乱れ」という根本原因と結びつけてまとめて整える発想で、再発しにくい体質改善を目指します。

鍼灸(経絡治療)の具体:肝の血と自律神経の安定で目の疲労を根本改善

眼精疲労は目の酷使による「肝の血の消耗」が原因です。経絡治療は、肝の機能を底上げし、目のピント調整に必要な栄養(血)とエネルギー(気)の供給を安定させます。

治療の方針:目の水源(血)と供給路(循環)の再構築

  • 肝を中心に、気・血・水の循環を底上げ: 肝を要に血(栄養)の生成と貯蔵を促し、全身の気(エネルギー)の巡りを改善。これにより、目のピント調整機能に活力を与えます。
  • 全身の反応点から配穴: 目の周囲に限定せず、手足や背中にある五臓の反応点から配穴することで、目の疲れを「体質」から改善します。
  • 自律神経の安定化: 極細ディスポ鍼と温和なお灸で、自律神経の過緊張を解き、目の筋肉の不必要な緊張を緩め、ピントの負担を抑えます。
  • 例え: 目の「ピント調整のバッテリー」を、体の中から「充電」し、長時間の稼働に耐えられるようにします。

期待できること:疲労の軽減と多症状の並走改善

  • 目の症状の軽減: 疲れ・かすみ・まぶしさの頻度と強さが低下します。特に休息で回復しなかった慢性的な疲労からの脱却が期待できます。
  • 多症状の並走改善: 肝の乱れからくる頭痛、頑固な肩こり、生理痛、冷えといった併発症状も、目の治療と同時に軽減に向かいます。
  • 負担を抑えた施術: 極細ディスポ鍼と温和なお灸で、刺激はやさしく、体力の消耗を抑えながら治療を継続できます。

【治療期間】 効果実感には個人差があります。鍼灸は、季節や作業量(PCの使用時間)といった日常の変動も加味して治療設計を調整し、無理なく積み上げます。

鍼灸治療の土台:四診法による眼精疲労の「肝」と「血」の状態評価

眼精疲労の根本治療では、**目の疲れを回復させる「血(けつ)」**が足りているか、**自律神経(肝)**が乱れていないかを、以下の**四診法(ししんほう)**で細かく見極めます。

東洋医学独自の診断法(四診法)

  • 望診(ぼうしん): 視覚で全身状態を観ます。顔色、姿勢、そして特に舌(色、形、苔)を観察し、血の不足(血虚)や肝の熱の有無を推測します。
  • 聞診(ぶんしん): 聴覚・嗅覚による情報収集。声の力、息遣い、体臭などから、体力の消耗度や内臓の熱を把握します。
  • 問診(もんしん): 詳細な聞き取り。画面作業量、睡眠の質、食事内容、女性周期のゆらぎなどを聞き取り、目の疲労と生活の関連性を明らかにします。
  • 切診(せっしん): 触覚による診断。脈診(脈の強さ、速さ)、腹診(お腹の張りや硬さ)、経絡の反応で、肝・脾・腎のどの機能が弱っているかを特定します。

【診断の役割】 この四診によって、目の疲れという部分的な症状ではなく、その背後にある全身の「体質の物語」を読み解き、目の疲れを回復させるためのオーダーメイドのツボを選定します。

主な経穴とセルフケア:目の疲労を回復させる「肝の血」を巡らせるツボ活用法

鍼灸施術で用いることがある経穴(全身調整の要)

眼精疲労の治療は、目の周囲だけでなく、頭部と手足にある肝経・胆経のツボを組み合わせ、全身の気の巡りを整えます。

  • 百会(ひゃくえ): 頭頂部。全身の気の巡りを整え、頭痛や目の熱を鎮静させます。
  • 目窓(もくそう): 頭部側頭部。目の奥の疲労や、眼筋の緊張を緩めるツボです。
  • 風池(ふうち): うなじの生え際。頭部への血流をスムーズにし、肩こりと目の疲労を同時に緩和します。
  • 外関(がいかん)・臨泣(りんきゅう): 腕・足にあるツボ。全身の気血の滞りを解消し、目の不調と関連の深い肝経・胆経の調律に活用されます。

治療は、疲弊した肝臓に「休息」を与え、目の血流を「静かに」増やすことを目指します。

セルフケア:血流と自律神経の緊張を解く

  • 三陰交(さんいんこう)の押圧: 足の内くるぶし上4横指。血と婦人科系の働きに深く関わるツボです。肝の血を養い、全身の冷えを改善するため、やさしく押圧します。
  • こめかみ〜側頭部のマッサージ: こめかみ周辺のツボ(頷厭・懸顱・懸釐)を円を描くようにマッサージします。これは肝・胆経の滞りを解き、眼精疲労と頭痛の緩和に有効です。
  • 目を温める・深呼吸・姿勢リセット: 温かいタオルで目を温め、深い腹式呼吸を行います。これは自律神経の過緊張を解き、ピント調節筋の疲労をリセットする最も重要なセルフケアです。
  • 半身浴・足湯: 下半身を温めることで、全身の気血の巡りを底上げし、目の疲れを「体質」から軽減します。

【注意】 ツボ押しは、「心地よさ」を最優先してください。押しすぎや極端な刺激は、かえって自律神経を緊張させてしまいます。

経過の目安:目の疲労が再発しにくい体質になるまでの期間

眼精疲労の治療は、目の血(栄養)を司る肝の機能を回復させるため、体質改善の取り組みが不可欠です。症状の軽減と再発予防を目指すための期間の目安は以下の通りです。

治療のペースと体質改善の目安

  • 早期の体感: 全身の自律神経の緊張や首肩の血流が原因の疲労は、比較的早く、早い方で1〜3回の施術で「目の奥の重さが軽くなった」「頭痛の頻度が減った」といった変化を感じるケースがあります。
  • 根本改善の目安期間: 肝の血の質を改善し、目の疲労が再発しにくい体質を構築するには、約4か月(16回前後)を目安に継続的な治療を推奨しています。
  • 継続的な調整: 治療期間中は、作業量(PC時間)や季節要因(乾燥など)といった日常の負荷の波も加味して、鍼灸の頻度を微調整します。

【治療の基準】 赤血球の入れ替わり周期(約120日=約4ヶ月)を目安に、血液の質、ひいては肝の血(目の栄養)の質を改善します。この期間で、目薬に頼る頻度や頭痛薬の使用量の低下を目指し、無理なく積み上げます。

体質改善は、目の「疲れやすさ」という体質そのものを変えるための確実な投資です。

日常のヒント:目の「ピント調整力」を守り、肝の血を養う養生法

鍼灸治療で回復した目の状態を維持するために、日常生活で眼筋と自律神経に負担をかけない工夫が不可欠です。東洋医学でいう肝の血(目の栄養源)を守りましょう。

  • 20-20-20 ルール(眼筋のリセット): 20分の画面作業ごとに、20秒間、6m(20フィート)先の遠くを眺めましょう。これは、眼筋の過緊張を解き、疲労をリセットするための基本です。
  • 意識的なまばたき(涙膜の安定): 40分に一度、ゆっくりと10回のまばたきを意識して行いましょう。これにより、涙液(涙の質と量)を安定させ、目の表面の乾燥を防ぎます。
  • 画面の配置と距離の確保: 画面と目は40cm以上離し、目線よりやや下に画面を配置します。これにより、目の乾燥を防ぎ、首肩への負担も軽減されます。
  • 環境の調整: 強い空調の直風を避け、湿度40〜60%を目安に加湿しましょう。乾燥はドライアイを悪化させる最大の要因です。
  • 夜更かし・甘味・冷飲を控える: 夜更かしは肝の血の消耗に直結し、冷たい飲食や甘味は血流を滞らせます。目の回復を妨げる最大の敵です。
  • 半身浴・足湯(巡りの底上げ): 下半身を温めることで、全身の気・血の巡りを底上げし、眼の緊張と疲労を根本から解消するベースを作ります。

東洋医学の目的は、目の機能が「自律的に」回復できる体を作ることです。日々の負担を減らすことが、最高の治療となります。

眼精疲労専門施術の料金と目の疲労が再発しにくい体質改善ペース

当院の眼精疲労に対する経絡治療は、肝の血(目の栄養)の回復と自律神経の過緊張の解消に焦点を当てています。自由診療(保険外)となりますが、頭痛薬の減量と再発しにくい目の安定という長期的な視点での費用対効果を重視しています。

初回カウンセリング+施術

5,500円
(税込)

詳細な問診と東洋医学的診断に基づき、目の疲労の原因(肝血虚、気滞など)を特定し、治療計画を立案します。

2回目以降(通常施術)

5,000円
(税込)

肝・脾・腎を中心に調整し、目の血流と眼筋の緊張を緩和。全身の疲労を根本から回復させます。

効果を最大化する通院ペースの目安(肝の血回復の戦略)

  • 導入期(疲労が強く、頭痛も伴う時期): 週に1~2回の集中治療が必要です。肝の血を補い、自律神経の過緊張を早期に鎮静させることに焦点を当てます。
  • 安定化期(症状の頻度が減り、目の奥の重さが軽減した時期): 週に1回のペースで、血の質を改善し、目のピント調整力が回復する体質を構築します。
  • 維持期(再発予防): 症状が安定したら、2〜3週間に1回、あるいは月に1回のペースで、再発予防と全身の疲労回復を目的としたメンテナンスを行います。

眼精疲労の体質改善は目の「バッテリー交換」に似ています。初期に集中して新しい血液という充電源を満たし、後は効率よく使用し、定期的に充電(メンテナンス)することで、目の疲労が再発しなくなります。まずは集中的に通院し、早期の症状軽減を目指しましょう。

院長プロフィール

東洋中村はり灸院 院長 中村麻人の写真

中村 麻人(なかむら あさと)

札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。

「森を見て木を治す」全身の視点で、目の疲れと体の滞りを同時に整えます。