自宅で簡単にできる、お灸のツボ5選
何本も鍼を使わなくても、じんわり温めるだけで巡りが整いやすくなるツボがあります。今日から取り入れられる、代表的な5つをご紹介します。
お灸は、もぐさを燃やした温かさで気血の巡りを助ける、古くから伝わるセルフケアです。ツボの位置と特徴を知っておくと、日々の養生に取り入れやすくなります。
今回ご紹介するのは、足三里・三陰交・中脘・大椎・孔最の5つです。いずれも古くから多くの流派で大切にされてきた代表的なツボで、自宅用のお灸でも効果を感じやすいとされています。ツボの探し方から期待される働き、お灸を行う際の注意点まで、順にご紹介します。

巡りと消化を支える万能ツボ3選
東洋医学には361ともいわれるツボがありますが、その中でも特に多くの流派で大切にされ、自宅でのお灸に向いているツボがあります。まずは、体全体の巡りとうるおいを支える、代表的な3つのツボをご紹介します。
足三里(あしさんり)
膝のお皿の下から指4本分ほど下がった位置で、すねの骨のすぐ外側にあるツボです。椅子に座って膝を軽く曲げると探しやすくなります。
胃の経絡上にあり、消化器の働きを支えるツボとして知られています。古くから「養生の要」として重んじられ、日々の元気や体力を支えるツボとしてもよく用いられます。胃腸が弱りやすい方、疲れやすい方の日々のセルフケアに向いています。
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの最も高い位置から、指4本分ほど上がった、すねの骨のすぐ後ろにあるツボです。
脾・腎・肝という3つの陰の経絡が交わる場所であることから、この名がついています。体をうるおし、巡らせる働きに関わるとされ、冷えや月経にともなう不調など、婦人科領域のセルフケアでよく用いられる代表的なツボです。
中脘(ちゅうかん)
おへそから指4本分ほど上がった、体の中心線上にあるツボです。ちょうど胃の真上にあたります。
体の前面の中心を通る任脈という経絡の上にあり、消化器そのものを底上げするツボとして扱われています。表裏の関係にある脾と胃、その両方の働きを支える位置にあることから、足三里とあわせて用いられることも多く、胃もたれや食が細くなっている時のセルフケアに向いています。

外からの不調に備えるツボ2選
続いてご紹介するのは、風邪や季節の変わり目の不調など、外からの影響に備えたい時に用いられる2つのツボです。
大椎(だいつい)
首の後ろ、うなじの下で、首を前に倒した時に大きく飛び出る骨のすぐ下にあるツボです。ご自身では見えにくい位置のため、ご家族などにお願いして探してもらうとよいでしょう。
体の背面の中心を通る督脈という経絡の上にあり、複数の陽の経絡が集まる要所とされています。体の外側を守るバリアのような働きに関わるとされ、風邪をひきやすい方や季節の変わり目に不調が出やすい方のセルフケアとして用いられてきました。のどの調子を崩しやすい方にもよく使われるツボです。
孔最(こうさい)
手のひらを上に向けた状態で、ひじの内側のシワと手首の内側のシワを結んだ線上、手首から指7〜8本分ほどひじ側に上がった、親指側のふちにあるツボです。
肺の経絡の上にあるツボです。東洋医学でいう肺は、鼻やのどだけでなく肌も含めた「外の空気と触れ合う部分」全般を受け持つと考えられており、この働きが落ちていると、天候や気温の変わり目に体調を崩しやすくなるとされています。孔最は、そうした外部の変化への耐性を養いたいときに用いられるツボです。

自宅でお灸をするときの基本と注意点
お灸は、正しく行えばご家庭でも安全に取り入れやすいセルフケアです。ここでは、自宅でお灸を行う際に知っておきたい基本と注意点をまとめます。
お灸の基本のやり方
市販のお灸には台座付きのものが多く、シールをはがして目的のツボに貼り、線香やライターで火をつけるだけで使えます。「熱いと感じたら我慢せずすぐに外す」のが鉄則です。心地よい温かさを感じる程度でも、十分にはたらきかけることができます。
1つのツボにつき1日1〜2回、1回あたり1〜3壮(お灸のもぐさ1つ分を1壮と数えます)を目安に、無理のない範囲で続けてみてください。毎日少しずつ続けることで、巡りが整いやすくなるとされています。
こんなときは控えましょう
- 皮膚に傷、湿疹、強い炎症がある部位
- 発熱している、体調がすぐれないとき
- 飲酒後や入浴直後など、体がほてっているとき
- 妊娠中の方(特に三陰交などは控えるべきとされます)
- 糖尿病などで皮膚の感覚が鈍くなっている方(やけどに気づきにくいため)
ご自身の体質やそのときどきの体調によって、合うツボや刺激の強さは変わってきます。「なんとなく良さそう」で続けるよりも、一度ご自身の状態を確認してもらったうえで、続けやすいセルフケアを一緒に見つけていくことをおすすめします。

ご自身に合ったツボを、一緒に見つけませんか
「どのツボが自分に合っているか」「お灸の強さはどれくらいがよいか」は、実際に脈やお腹の状態を確認するとより分かりやすくなります。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。冷えや疲れやすさなど、些細なことでもお気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

初めての方へ
不安なことや現在の状態について、まずはお気軽にご相談ください。

院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
