妊活中の過ごし方、東洋医学からみた体づくりのヒント
冷えやすい、生理周期が安定しない、なんだか疲れが抜けない——妊活を始めてから、ご自身の体の変化に敏感になった方は多いのではないでしょうか。
東洋医学では、妊娠・出産に関わる力は「腎」に蓄えられていると考え、そこに脾・肝の働きが重なり合って、赤ちゃんを迎える土台がつくられるとみています。ここでは、東洋医学の視点から見た妊活中の体づくりと、日々の過ごし方のヒントをご紹介します。
妊活は、期間が読めないからこそ、気持ちが張り詰めやすいものです。病院での不妊治療や検査を受けていらっしゃる方も多く、その頑張りに東洋医学からできることを重ねていく——それが当院の妊活へのスタンスです。妊娠・出産という結果をお約束するものではありませんが、体質そのものを整えることで、ご自身の力を発揮しやすい状態に近づいていくお手伝いができればと考えています。通院中の産婦人科がある方は、必ずその指導のもとで、鍼灸を並行してお役立てください。

妊活と「腎・脾・肝」の関係
東洋医学では、体は「肝・心・脾・肺・腎」という5つの臓(五臓)が支え合って働いていると考えます。妊活においては、なかでも腎・脾・肝の3つが深く関わっているとみています。
腎——生殖の力を蓄える臓
腎には、両親から受け継いだ生命エネルギーが蓄えられており、体の成長や生殖に関わる働き全般の土台になっていると考えられています。この腎の力が満ちていれば、月経周期も安定しやすく、体全体を下支えする力も保たれやすくなります。反対に、無理な生活が続いて腎の力をすり減らしてしまうと、周期の乱れや冷え、腰やひざの重だるさといった形で表に出てきやすくなります。
脾——栄養を巡らせ、子宮を整える臓
脾は消化器系の働きを担い、食べたものから気や血をつくり出す臓です。脾の働きが弱いと、せっかく摂った栄養がうまく巡らず、子宮への栄養も届きにくくなります。胃もたれしやすい、食が細い、疲れやすいといった方は、脾の力が落ちているサインかもしれません。
肝——巡りと自律神経に関わる臓
肝は血を蓄え、全身の巡りをスムーズに保つ働きを担うとされ、自律神経の安定とも深く関わっています。妊活中は先の見えない不安やストレスを抱えやすく、この肝の働きが乱れやすい時期でもあります。イライラしやすい、生理前に胸が張る、ため息が増える——こうした変化も、肝の巡りが滞っているサインのひとつです。

妊活中に整えておきたい日々の過ごし方
妊活は、特別なことをたくさん頑張るよりも、当たり前の生活リズムを整えることの積み重ねが土台になります。ここでは、腎・脾・肝を労わる過ごし方をご紹介します。
体、特にお腹まわりと足元を冷やさない
子宮や卵巣は骨盤の中にあり、周囲の血流の良し悪しが働きに影響しやすい場所です。腹巻きや靴下で物理的に冷やさないようにすることに加え、冷たい飲み物や生野菜ばかりに偏らず、常温以上のものを意識して摂ることも巡りの助けになります。特に足首から先は心臓から遠く冷えが溜まりやすいので、湯船にしっかり浸かる習慣も大切です。
食事は「脾」を労わる腹八分目を意識する
脾は食べすぎ・冷たいもの・生ものが苦手とされる臓です。よく噛んでゆっくり食べる、腹八分目を意識する、温かい汁物を一品添える——これだけでも脾への負担は変わってきます。栄養を効率よく気や血に変えるためには、量よりも「消化しやすいかどうか」を意識することがポイントです。
肝を労わる——質のよい睡眠とストレスとの付き合い方
肝は夜、眠っている間に血を蓄え直すとされています。就寝時間が遅くなりがちな方、スマートフォンを見ながら眠りにつく方は、まず就寝のリズムを整えることから始めてみてください。また、妊活中はどうしても検査結果や周期に一喜一憂しやすいものです。すべてを完璧にコントロールしようとせず、気分転換の時間を意識的につくることも、巡りを保つうえで大切な養生のひとつです。
これらはあくまで日々の土台づくりであり、体質や検査結果によって整え方は一人ひとり異なります。通院先の産婦人科がある方は、その指導のもとで、無理のない範囲から取り入れてみてください。

鍼灸でできる体づくりのサポート
当院の経絡治療では、脈やお腹の状態を確認しながら、腎・脾・肝のうちどこの働きが弱っているか、どこが滞っているかを見極め、関係するツボに髪の毛ほどの細さの鍼や、じんわりとしたお灸で働きかけていきます。妊活中の方には、骨盤まわりの血流や自律神経の安定を意識しながら、その方の体質に合わせて組み立てていくのが特徴です。
妊活は、病院での検査や治療と並行して取り組まれている方がほとんどです。当院はあくまで東洋医学の立場から、体質そのものを整えるお手伝いをするものであり、通院先の産婦人科での指導や治療方針を妨げるものではありません。
妊娠中・出産後の不調にも
妊活中だけでなく、妊娠中の不調や産後の体調についても、東洋医学の視点からできることがあります。詳しくは「妊娠中の不調」のページもあわせてご覧ください。
周期の乱れや冷え、原因のはっきりしない疲れが続いている方は、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。

妊活中の体づくり、まずはご相談ください
腎・脾・肝の状態は、脈やお腹から実際に確認するとより分かりやすくなります。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。冷えや周期の乱れ、原因のはっきりしない疲れなど、些細なことでもお気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。通院先の産婦人科がある方は、その指導のもとで並行してお役立てください。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

初めての方へ
不安なことや現在の状態について、まずはお気軽にご相談ください。

院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
