体と心の呼吸法、
緊張をほぐす東洋医学の知恵
緊張が続くと、呼吸は浅くなります。呼吸を整えることは、心を整えることでもあります。
忙しさやストレスで気づけば呼吸が浅くなっている——そんな方に、東洋医学が大切にしてきた呼吸の整え方をご紹介します。
ここでは、東洋医学が呼吸をどう捉えているか、緊張をほぐす呼吸法、当院での呼吸へのアプローチをご紹介します。

呼吸は「気」を取り込む入り口
東洋医学では、呼吸は「肺」の働きの中心であり、自然界の気(天空の気)を取り込む入り口とされています。この呼吸が浅くなると、気を十分に取り込めなくなり、全身に気を巡らせる力そのものが弱まってしまいます。
緊張やストレスが続くと、無意識のうちに肩に力が入り、呼吸が浅く速くなりがちです。反対に、深くゆっくりとした呼吸は、気を巡らせるだけでなく、高ぶった気持ちを落ち着かせる働きもあるとされています。

緊張をほぐす呼吸法
東洋医学の養生法のひとつに、「吐くこと」を意識した呼吸法があります。緊張しているとき、人は無意識に息を吸い込んだまま止めていることが多く、まず十分に吐き切ることで、自然と深い呼吸が入りやすくなります。
吐くことを意識した呼吸法
- 背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜く
- 口からゆっくりと、お腹をへこませながら息を吐き切る
- 吐き切ったら、鼻から自然に息を吸う
- 吐く時間を吸う時間より長くすることを意識し、数回繰り返す
就寝前や、緊張する場面の前に取り入れると、気持ちが落ち着きやすくなります。難しく考えず、「吐くことを意識する」だけでも十分です。

深い呼吸は、肺だけの仕事ではありません
呼吸というと肺の役割だと思われがちですが、東洋医学では吐く息は肺、吸う息は腎が受け持つと考えます。息を深く引き込む力は腎が支えている、という見方です。
吸う息が浅いとき——腎
吸っても浅いところで止まってしまう、深く吸い込んだ感じがしない。こうした状態は、腎の力が落ちているサインとみることがあります。腎は生まれ持った生命力を蓄えている臓ですから、加齢や慢性的な疲労とともに、息が浅くなりやすくなります。
お腹の下(下腹部)に息を落とし込むように吐き切る呼吸が養生としてすすめられるのは、腎の力が宿るとされるこの場所を意識するためです。
ため息が増えるとき——肝
回数の問題ではなく、ため息ばかり出るという場合は、肝の巡りが滞っているサインとみます。気が胸のあたりで詰まり、それを逃がそうとして体が自然にため息をつく——東洋医学ではこう考えます。ため息を我慢する必要はありません。詰まりを逃がそうとしている体の働きだからです。
息切れしやすいとき——気の不足
階段や坂道で息が上がりやすい、話していると声が続かない。これは呼吸そのものより、気そのものが足りていない状態(気虚)と重なることが多く、疲れやすさや食後のもたれと一緒に現れます。

鍼灸と呼吸の関係
当院の経絡治療では、脈やお腹の状態から肺の働きを確認し、呼吸が浅くなっている方には、肺の経絡上のツボや気を補うツボを用います。施術中に自然と呼吸が深くなり、うとうとされる方も少なくありません。
呼吸そのものは、いつでもどこでも整えられる、いちばん手軽な養生です。緊張しやすい、呼吸が浅いと感じる方は、日々の生活に取り入れてみてください。

呼吸が浅いと感じたら、お気軽にご相談ください
呼吸の浅さは、肺の働きや気の巡りのサインであることがあります。東洋中村はり灸院は、脈やお腹の状態からその背景にある体質を確認する、札幌の鍼灸専門院です。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

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院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
