肝とは、気血の巡りをスムーズにする働き
イライラしやすい、目が疲れる、爪がもろい——五臓の「肝」の乱れは、こんなサインで現れます。
肝は、五臓のなかでも気血の巡りを調整する、いわば体の交通整理役です。ストレスの影響を受けやすく、現代人にとって特に乱れやすい臓の一つとされています。
ここでは、肝がどんな働きを担っているのか、乱れるとどんなサインが出るのか、当院での整え方をご紹介します。

肝は「気血の巡りを調整する働き」
肝は、気血をスムーズに巡らせ、全身の働きを滞りなく動かすための調整役です。自律神経のバランスや、筋肉・腱の動き、目の働きとも深く関わっているとされています。
もうひとつ、肝には血を蓄えておくという大切な働きがあります。体を動かしているときは必要な場所へ血を送り出し、横になって休んでいるときは血を肝に納めておく——このように、その時々の必要に応じて血の量を加減しています。目の疲れや爪のもろさ、足のつりといったサインが肝と結びつけて語られるのは、蓄えた血が不足すると、これらの場所まで血が行き渡らなくなるためです。夜更かしが肝の負担になるといわれるのも、この働きによります。
肝は五行では「木」に分類され、季節でいうと春と対応する臓です。天に向かって伸びていく木のように、気をのびやかに巡らせる働きを持つとされ、その巡りが妨げられると、ストレスとして症状に現れやすくなります。
怒りや苛立ちといった感情とも結びついており、感情の波が大きいときほど、肝への負担も大きくなりやすいとされています。

肝が乱れると出やすいサイン
- イライラしやすい、怒りっぽくなる
- 目が疲れやすい、かすむ、涙目になりやすい
- まぶたがピクピクする
- 爪がもろい、デコボコする
- 足がつりやすい、筋肉がひきつる
- みぞおちの脇あたりが張った感じがする
- 生理不順や生理痛がある
- 春先に体調を崩しやすい

肝と、ほかの臓とのつながり
五臓は、それぞれが単独で働いているわけではありません。互いに養い合い、行きすぎを抑え合ってバランスを保っています。肝に関わるつながりは、主に次の4つです。
肝を養うもの・肝が養うもの
腎(水)が肝を養います。腎が弱ると肝も力を失いやすく、目の疲れやイライラとして出ることがあります。
肝は心(火)を養います。肝の巡りが滞ると、心にも影響し、寝つきの悪さや動悸につながることがあります。
肝が抑えるもの・肝を抑えるもの
肝は脾(土)を抑えています。ストレスで肝が高ぶると、脾=胃腸が押さえ込まれます。緊張すると食欲が落ちる、お腹を下すというのは、この関係で説明されます。
肺(金)は肝を抑えます。呼吸が浅く肺の力が落ちると、肝の高ぶりを抑えきれなくなることがあります。
表裏をなす腑
肝と表裏をなす腑は胆です。決断力や、脂っこいものが苦手といった消化の傾向とも関わります。
一見かけ離れた場所に症状が出るのは、このつながりがあるためです。当院では、症状の出ている場所だけでなく、どの臓が起点になっているかを脈やお腹から確かめていきます。

鍼灸で肝を整えるということ
当院の経絡治療では、脈やお腹の状態から肝の働きが弱っているのか、逆に高ぶりすぎているのかを見立てたうえで、肝の経絡上のツボや、肝を支える腎のツボなどを使い分けます。イライラや目の疲れ、生理不順などのご相談でも、肝の状態を確認することが多くあります。
日々の過ごし方としては、夜更かしを避けてしっかり眠ること、怒りやストレスを溜め込みすぎないことが、肝を助ける基本になります。伸びをする、深呼吸をするなど、体をほぐす習慣も、肝の巡りを助けてくれます。
イライラや目の疲れ、春先の不調が気になる方は、お気軽にご相談ください。

イライラや目の疲れが気になる方は、まずご相談ください
肝の状態は、脈やお腹を確認するとより分かりやすくなります。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。お気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

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院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長。鍼灸師・医薬品登録販売者(国家資格)。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。大切にしているのは、コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点です。肩こり・腰痛はもちろん、生理痛や自律神経の乱れ、原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
