味噌汁を飲む時間帯、東洋医学に学ぶ健康法
同じ一杯の味噌汁でも、飲む時間帯によって体への働きかけ方が変わってきます。
味噌は発酵食品として古くから親しまれ、「みその医者殺し」と言われるほど体によいとされてきました。東洋医学には、一日のなかで気血が巡る臓腑が移り変わるという考え方があります。この視点から見ると、味噌汁を飲むタイミングにも、それぞれ理にかなった役割があることが見えてきます。
「味噌汁は朝に飲むとよい」——そんな話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実際、発酵食品としての味噌の働きと、東洋医学が考える五臓のリズムを重ねてみると、その理由が見えてきます。ここでは、発酵食品としての味噌の働き、朝・昼に飲むメリット、そしてその一杯が夜の安らぎへどうつながっていくのかを、順を追ってご紹介します。

発酵食品としての味噌、東洋医学から見た働き
味噌は、大豆を麹菌によって発酵させてつくる食品です。日本には古くから「みその医者殺し」という言葉があり、それだけ体によい食材として親しまれてきました。発酵の過程で大豆のたんぱく質がある程度分解され、消化・吸収しやすい形に変わっていることも、味噌が体にやさしいとされる理由のひとつです。
東洋医学から見た「気」をつくる食材
東洋医学では、体は「気・血・水(き・けつ・すい)」という3つの要素で支えられていると考えます。なかでも気は、食べたものを脾胃(消化・吸収に関わる働き)で受け止め、そこからつくり出されるとされるものです。発酵によって消化にやさしくなった味噌は、脾胃に負担をかけにくく、気をつくる土台を助けてくれる食材と言えます。
汁物として摂ることの意味
味噌汁は、具材からビタミンやミネラルを、汁からは水分と温かさを一度に摂れる料理です。東洋医学では、冷えは気や血の巡りを妨げる要因のひとつと考えられており、温かい汁物で体を内側から温めることは、巡りを支える養生のひとつとされています。具だくさんにすれば、季節の野菜や海藻など、旬のものを無理なく取り入れやすいのも味噌汁のよいところです。

朝に味噌汁を飲むメリット――脾胃を目覚めさせる
朝は、眠っている間に下がった体温がまだ十分に戻っておらず、内臓の働きもゆっくりと目覚め始めている時間帯です。ここで温かい味噌汁を口にすると、体の内側からじんわりと温まり、脾胃の働きを促すきっかけになります。
子午流注(しごりゅうちゅう)から見た朝の時間
東洋医学には、一日のなかで気血がめぐる臓腑が時刻によって移り変わっていくという「子午流注」という考え方があります。朝の時間帯は、消化・吸収に関わる胃や脾の働きが盛んになりやすい時間とされており、この時間に温かいものを取り入れることは、その日一日の気をつくる土台を整えることにつながると考えられています。
一日のはじまりを整える一杯
忙しい朝でも、味噌汁を一杯添えるだけで体の目覚め方は変わってきます。ご飯や具だくさんの汁と組み合わせれば、無理なく一日のエネルギー源を確保することにもつながります。

朝・昼の一杯が導く、夜の安らぎ
実は、朝や昼にとったひと口の味噌汁が、時間差を置いて夜の眠りの支度にまでつながっているといわれています。鍵を握るのが、味噌の原料である大豆に含まれる必須アミノ酸・トリプトファンです。日中の活動のなかでこのトリプトファンをもとに神経伝達物質のセロトニンがつくられ、心を落ち着ける方向に働きます。そして夜になると、今度はそのセロトニンを材料にメラトニンという睡眠を促すホルモンがつくられていくとされています。
東洋医学から見た夜、五臓が休息へ向かう時間
東洋医学では、夜は「陰」の時間とされ、日中に働いていた気が体の内側に収まり、五臓がそれぞれ休息へと向かっていく時間帯と考えられています。なかでも心(しん)は精神活動と深く関わる臓とされ、夜に心が落ち着いていることが、質のよい眠りにつながると考えられています。朝や昼にとった一杯の味噌汁は、こうした夜の落ち着きを内側から後押しする土台になります。
「食事・運動・睡眠」という土台
食事・運動・睡眠は、体を整えるうえで欠かせない三つの柱とされています。なかでも睡眠の質を底上げできると、日々の疲れの回復力そのものが変わってきます。味噌汁はその小さなきっかけのひとつとして、無理なく続けやすい習慣です。

食養生とあわせて、体質から整えたい方へ
味噌汁を飲む時間帯のように、日々の小さな積み重ねは体づくりの土台になります。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。冷えやすさ・疲れやすさ・眠りの浅さなど、些細なことでもお気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態や日々の食事についてもお話をうかがいながら、脈やお腹の状態をあわせて確認していきます。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

初めての方へ
不安なことや現在の状態について、まずはお気軽にご相談ください。

院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
