ごま塩・ヤンノーで安眠、睡眠の質を高める食養生
寝つきの悪さも、夜中に何度も目が覚めてしまうのも、東洋医学では「腎」の弱りとして考えます。今日から始められる食養生をご紹介します。
「ヤンノー」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、小豆を炒って粉末にしたものを指します。黒ごまと天然の塩でつくる「ごま塩」とあわせていただくことで、東洋医学が古くから腎を養う食べ物として大切にしてきた組み合わせになります。
眠りは、体を動かすエネルギーが夜のあいだ内側にしっかりと納まっていることで、自然に深くなっていくと東洋医学では考えます。そのエネルギーを蓄え、内側に納める働きを担っているのが「腎」です。忙しい毎日や不摂生が続くと、この腎の力は少しずつ消耗していきます。
ここでは、腎と眠りの関係、ヤンノーとごま塩に期待される働き、そしてご自宅でのつくり方を順にご紹介します。不眠そのものについてより詳しく知りたい方は、不眠症のページもあわせてご覧ください。

眠りを支える「腎」の力
東洋医学では、体を働かせるエネルギーが夜のあいだ内側にしっかりと納まっていると、自然に深く眠れると考えます。反対に、そのエネルギーが外に向かったまま戻ってこないと、頭は冴えたままになり、体も休まらず、眠りに入りにくくなります。このエネルギーを内側に納め、蓄えておく働きを担っているのが「腎」です。
腎の弱りが眠りに影響するしくみ
腎には、生まれ持った生命力そのものを蓄える、驚きや恐れといった感情を受け止める、体の水分をきれいに保つ、といった働きがあるとされています。この腎が弱ると気持ちが落ち着きにくくなり、些細な物音でも目が覚めやすくなります。また、水分の調整がうまくいかず、夜中にお手洗いで目が覚めることが増えるのも、腎の弱りのサインのひとつとされています。
- 布団に入っても気持ちが落ち着かず、なかなか寝つけない
- ちょっとした物音や気配で、すぐに目が覚めてしまう
- 夜中に何度もお手洗いで起きてしまう
- 朝になっても疲れが抜けきらず、だるさが残る
血の巡りとの関係
眠りには、腎だけでなく血の状態も深くかかわっているといわれています。血が十分に満ちて全身をめぐっていると心身が落ち着いて深く眠りに入れますが、血が不足したり巡りが滞ったりすると、体は休んでいるあいだも脳に栄養を届けようとして、かえって目を覚まさせてしまうことがあります。

腎を養う「ヤンノー」と「ごま塩」
「ヤンノー」とは、小豆を炒って細かく粉末にしたものです。小豆は古くから腎の働きを支える食べ物とされ、利尿作用やむくみの解消、体液のバランスを整える働きがあるといわれています。このヤンノーを、黒ごまと天然の塩でつくる「ごま塩」とあわせていただくのが、ごま塩入りヤンノーです。
なぜ「黒」「塩味」「豆」が腎によいのか
東洋医学には、自然界のものを5つの性質に分けて考える「五行」という考え方があります。この五行では、腎に属する色は黒、味は鹹(塩辛い)味とされ、豆類もまた腎と結びつきの深い食材とされています。黒ごま・天然の塩・小豆という組み合わせは、まさにこの3つの性質を兼ね備えているといえます。
ごま塩に期待される働き
- 血の巡りを助けるとされる(ごまの抗酸化成分)
- 腎の働きを支えるとされる(黒ごま・天然の塩)
- 鉄分を補える(ごま大さじ1杯に約1mgの非ヘム鉄)
- 滋養強壮を支えるとされる
ごまに含まれる抗酸化成分は血の巡りを助けるとされ、カルシウムと塩分のミネラルは心身の落ち着きを支えるといわれています。多めに作り置きしておき、ご飯にかけるなど日々の食卓に少しずつ取り入れていくとよいでしょう。

ごま塩とヤンノーのつくり方
ごま塩の材料とつくり方
- 黒ごま 大さじ8杯くらい(少し山盛りを意識)
- 塩 大さじ2杯(すりきりで計量)
- フライパンで黒ごまを、香りが立ってぱちぱちと音がしてくるまで乾煎りし、いったん器に取り出しておく
- 同じフライパンで塩だけを、さらっとした手触りになるまで弱火でじっくり乾煎りする
- 煎り上がった塩をすり鉢に移して細かくすりつぶし、①のごまを加えて油が出すぎないよう加減しながらすり合わせる
- 粒がほぼ見えなくなり、全体がしっとりまとまったら出来上がり
ごま塩入りヤンノーの材料とつくり方
- ヤンノー(炒った小豆の粉末) 大さじ1〜3杯
- ごま塩 大さじ1杯
- 水 400ml
- 塩 少々(味つけ用)
- 小鍋にヤンノーと水を入れて火にかけ、水分が半分程度になるまでじっくり煮詰める
- 火を止めて塩をひとつまみ加え、味をなじませる程度に軽く調える
- 湯のみに移して湯気が落ち着くのを待ち、ごま塩を加えてよく溶き混ぜたら、温かさが残るうちに就寝前の時間にゆっくりといただく
余ったごま塩は、ご飯にかけるなどして日々の食卓に取り入れると、腎を養う習慣として続けやすくなります。ヤンノーが手に入りにくい場合は、ごま塩だけを三年番茶に混ぜて飲む方法もあります。食養生は、毎日の積み重ねが力になるものです。焦らず、無理のない範囲で続けてみてください。

眠りにまつわる体質のご相談も、お気軽に
食養生は、日々の積み重ねで体を内側から支える大切な習慣です。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。眠りの浅さ・寝つきの悪さ・体の冷えなど、些細なことでもお気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

初めての方へ
不安なことや現在の状態について、まずはお気軽にご相談ください。

院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
