ツボは押した方がいいの?指圧という考え方を東洋医学から見る
肩や首がこると、つい指でぐっと押したくなるものです。しかし東洋医学の視点では、その「ぐっと」が体に合っていないことがあります。
指圧は、ツボや筋肉に指で圧を加えて刺激するセルフケアとして広く親しまれています。ただし押す強さを誤ると、揉み返しや内出血につながることもあり、東洋医学の考え方では必ずしも「押せば良くなる」とは限らないとされています。
ここでは、指圧という考え方がどのようなものか、強く押しすぎることで起こり得ること、そして当院の鍼灸師が行う刺激との違いについてご紹介します。

指圧とは、圧で気血を巡らせようとするセルフケア
指圧は、指や手のひらでツボや筋肉に圧を加え、こりや張りをやわらげようとするセルフケアの方法です。「痛気持ちいい」という感覚を目安に、ぐっと押し込む方も多く、肩や首、目の周りなど、こりを感じやすい場所でよく行われています。
東洋医学の視点から見ると、圧を加えて刺激することは、その場に滞った気血を発散させる働きに近いと考えられます。気血の巡りが悪く、その場に詰まってしまっている状態であれば、圧を加えて散らすことが体に合っている場合もあります。
指圧が合いやすいタイプ
- 張りや熱っぽさが強く、パンパンに詰まった感じがある
- 体力があり、疲れそのものはあまり感じていない
- 一時的にこりを感じている程度で、慢性化していない
こうしたタイプであれば、指圧によって滞りを発散させることが、体に合っている場合があります。ただし実際には、こうしたタイプに当てはまらない方も少なくありません。

強く押しすぎることで起こり得ること
多くの慢性的な不調は、気血水のどれかが「不足している」ことが背景にあります。過労や睡眠不足、加齢などで力そのものが落ちている状態に、さらに圧を加えて発散させてしまうと、足りないものをより不足させることになりかねません。
揉み返し・内出血のリスク
指圧で強く押しすぎると、筋肉や皮下の組織に負担がかかり、翌日以降に痛みやだるさが強くなる「揉み返し」が起こることがあります。力の加減や角度によっては内出血を伴うこともあり、特に力の弱い方や、皮膚・血管がデリケートな方は注意が必要です。
- 押した後、かえって痛みやだるさが増した
- 押した部分が翌日以降に内出血のように変色した
- 押している間は楽でも、しばらくすると症状がぶり返す
- 毎日強く押しているのに、こりが年々ひどくなっている気がする

鍼灸師の刺激と、自己流の指圧との違い
当院の経絡治療では、脈やお腹の状態から今どの臓腑が弱っているか、どこに滞りがあるかを見立てたうえで、補うべきツボには優しく、発散させるべきツボには適した強さで、と使い分けて髪の毛ほどの細さの鍼やお灸を用います。同じツボでも、その方の状態によって加える刺激の質も強さもまったく異なります。
ご自宅でのセルフケアとして行う場合、多くの慢性的な不調には、強く押すよりも「優しく触れる」「温める」方法をおすすめしています。お灸や蒸しタオル、カイロなどでじんわりと温めることは気血を補う方向に働きやすく、揉み返しの心配もありません。
ご自宅で試しやすいケア
- お灸をツボの上にのせて温める
- 蒸しタオルやカイロで気になる部分を温める
- 指圧をする場合は、痛みを感じない範囲で軽く触れる程度にとどめる
ご自身の状態が「押した方がいいのか」「温めた方がいいのか」は、脈やお腹の状態を確認しながらお話をうかがうことで、より分かりやすくなります。気になる方はお気軽にご相談ください。

押すべきか、温めるべきか——気になる方はご相談ください
ツボを押した方がいいか、温めた方がいいかは、脈やお腹の状態から実際に確認するとより分かりやすくなります。東洋中村はり灸院は、国家資格を持つ鍼灸師が東洋医学一筋で施術を行う、札幌の鍼灸専門院です。慢性的なこりや張り、自己流のケアで悩んでいる方も、お気軽にご相談ください。
初回はカウンセリングに時間をかけ、お体の状態をしっかり把握したうえで施術を行います。LINEからいつでもご相談・ご予約いただけます。

初めての方へ
不安なことや現在の状態について、まずはお気軽にご相談ください。

院長プロフィール

中村 麻人(なかむら あさと)
札幌「東洋中村はり灸院」院長・鍼灸師。
脈・腹などから全身の状態を見立てる伝統的な手法を軸に、その方に合ったはり・お灸を組み立てています。コリや痛みを引き算のように取り除くのではなく、足りない力を補って立て直すという視点を大切に、肩こり・腰痛から原因がはっきりしない慢性的な不調まで、体質そのものから整えることを目指してはり治療を行っています。
